2025年12月8日、東京都千代田区・如水会館で開催された「第53回毎日農業記録賞」中央表彰式に優秀賞の受賞者として参加しました。全国1,107編から選ばれた受賞者28名の声を通して、持続可能な農業の現実と未来を、酪農現場での私の経験とあわせてお届けします。
賞の概要:何が選ばれるのか
毎日農業記録賞は「農」「食」「環境」をテーマに、約2,800字で現場経験や提言をまとめる作文賞です。2025年は応募総数1,107編(一般175編、高校生932編)から28人が受賞。主催は毎日新聞社、後援に農林水産省・文部科学省、協賛にJA全中などが参加しています。

当日の式次第(実際の流れ)

- 中央表彰式(11:00〜)
- 開会
- 来賓祝辞(農林水産省、毎日新聞社ほか)
- 受賞者紹介・審査講評
- 中央審査委員長賞・優秀賞・努力賞の授与
- 閉会・記念撮影

祝賀会(12:15〜)
- 来賓祝辞
- 受賞あいさつ
- 歓談・閉会

祝賀会では、東京會舘が誇る立食パーティーが用意され、参加者同士の交流が一気に深まりました。中でも印象的だったのは、創業以来愛され続ける名物スイーツ「マロンシャンテリー」。新雪のように白い生クリームの下には、丁寧に裏ごしされた栗がたっぷりと隠れ、口に入れた瞬間に上品な甘さが広がります。さらに、サーモンのムニエルや濃厚なグラタン、しっとりと仕上がったローストビーフなど、贅沢な料理が並び、受賞者や来賓が笑顔で語り合う温かな時間が流れていました。


式典ハイライト:審査委員長のコメントと注目点
中央審査委員長の河野良雄氏(農林中央金庫元理事長)は、挨拶で「コメ騒動の1年を振り返り、農と食の価値に向き合う声が全国から届いた」と述べ、持続可能性に関する具体提言の重要性を強調しました。審査では実践的な取り組みと地域への波及力が高く評価されています。

注目受賞作(一般部門)
中央審査委員長賞(最優秀賞) — 春日井誠さん(愛知)
作品:「畑で育てた野菜を教え子らと収穫」— 学校での食育実践を起点に、地域循環のモデルを提示。教育現場と地域産業を結ぶ取り組みには審査員から高い支持がありました。
新規就農大賞(優秀賞) — 福田大樹さん(栃木)
新規就農者の試行錯誤や資金計画、コミュニティづくりをリアルに描写。若手流入の課題と解決の糸口が読み手に伝わる良作です。
その他
- 加藤鈴華さん(千葉)「つくる農業から、魅せる農業へ」 — ブランディング視点を加えた生産改革。
- 劉寶然さん(留学生)「留学生として歩む農の道」 — 国際的視点からの日本農業の魅力と課題。

筆者の書いた非農家出身の私が酪農歴10年目に感じたことは優秀賞を受賞しました。詳しくはこちらの記事で!
高校生部門の特色と将来性
高校生作品は実践性と未来志向が強く、家畜福祉(アニマルウェルフェア)やバイオ燃料、地域作物の導入など、現場に直結するアイデアが多かったです。中央審査委員長賞に選ばれた武山裕佳さん(北海道)は「畜産との出会い」を通じ、動物福祉と経済性の両立を論理立てて示しました。
私の受賞体験:酪農家の目線で見る表彰式
私は酪農分野の作品で本賞の優秀賞に選出され、当日会場に足を運びました。神奈川県立相原高校の畜産科学科で培った基礎や酪農学園大学での応用、現在の酪農・肉牛複合経営での実務経験をもとに、乳牛の飼養管理や日々の改善点を文章にまとめました。

会場で印象的だったのは、多様な立場の参加者同士が互いの実践を素直に学び合う姿勢です。移住者、留学生、教育者、若手就農者が混ざり合うことで、個々の取り組みが地域へつながる回路が生まれていました。
審査傾向から読み解く「評価される作文」の特徴
- 具体性:取り組みの手順や成果、定量データ(面積・収量・試算)を提示している。
- 波及力:地域や教育現場、消費者へどのように影響するかを示している。
- 実行可能性:理想論で終わらず、現実的な課題と対策が書かれている。
審査講評では、これら3点が高く評価される傾向にありました。記事作成時は「何をしたか」「どう測ったか」「次に誰が恩恵を受けるか」を明確に示すと良いでしょう。
現地レポからの具体的な学び
受賞作品や審査講評を踏まえて、現場ですぐ使える実践案を3つ挙げます。
- 記録の可視化:作業記録、収量、コストを簡潔にまとめたログは提言の説得力を高める。
- 地域連携の可視化:学校・JA・消費者を結ぶ具体的なフロー図を作る(写真で示すと有効)。
- 小さな実証実験:実績データ(例:繁殖率改善、飼料コスト削減)を短期プロジェクトで作る。
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