台風5号で3日連続欠航!ほくれん丸欠航が招く首都圏の牛乳不足|生乳輸送網が危機に

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台風の荒天で波に揺れる貨客船「ほくれん丸」の様子、生乳輸送に影響を与える重要ルート 乳製品
台風5号の影響で欠航した「ほくれん丸」。生乳輸送の生命線が揺らいでいます。
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2025年7月13日から15日にかけて、台風5号の影響で北海道釧路港―茨城県日立港を結ぶ貨客船「ほくれん丸」が3日連続で欠航しました。このルートは、本州の生乳需給を支える生命線ともいえる重要な輸送網。欠航の影響は首都圏を中心に牛乳出荷制限の可能性を招き、日本全国の酪農業界にも大きな波紋を広げています。本記事では、欠航の背景からその影響、代替策、そして今後の課題と展望までを解説します。

牛さん
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本州への生乳輸送ストップ…首都圏にも影響


1. ほくれん丸欠航の背景

  • 船舶概要
    • 船種:大型RO-RO船
    • 運航者:ホクレン農業協同組合連合会
    • 輸送能力:ピーク時1日約100万本の牛乳瓶(1ℓ換算)
    • 運航ダイヤ:釧路港発18:00 → 日立港着翌14:00(ほぼ毎日運航)
  • 台風5号の影響
    台風5号は7月中旬に太平洋沿岸を北上し、北海道太平洋側にも大きな荒天をもたらしました。波高の上昇と強風により、ほくれん丸は安全運航を確保できず、13日から15日まで連続して欠航を余儀なくされました。
牛さん
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釧路〜日立ルートが機能停止!首都圏への供給網に影響


2. 首都圏への影響と出荷制限のリスク

  1. 生乳供給の滞り
    • ほくれん丸が運ぶ生乳は、首都圏の乳業メーカーにとって大口の仕入れ先。欠航により約3日分の供給がストップし、在庫切れリスクが急浮上しました。
  2. 牛乳出荷制限の可能性
    • 一部乳業メーカーでは、在庫を保持するため「牛乳パックの出荷制限」を検討。コンビニやスーパーの店頭では「北海道指定牛乳」の棚がスカスカになるケースも報告されています。
  3. 消費者への波及
    • 特に都市部のファミリー層や子育て世代では、毎日の食卓に欠かせない牛乳が品薄になり、代替品(豆乳や植物性ミルク)への切り替えを検討する動きも見られます。
牛さん
牛さん

3日分の生乳が止まると“牛乳パック”が消える


3. 代替輸送ルートの検討状況

  • トラック輸送の活用
    陸路での長距離輸送はコスト高と時間増を伴いますが、緊急対応として一部の乳業メーカーが北海道から東北・関東へのトラック便を増便。
  • 他港からの出荷
    函館港や小樽港など、比較的安全が見込まれる港からのRO-RO便を探る動きも。だが、既存のスケジュール調整や保冷設備の確保が課題です。
  • 鉄道輸送の可能性
    生乳を保冷車両で輸送できる鉄道ルートも一定の注目を集めています。荷役時間の短縮や専用車両投入による品質管理が実現すれば、台風などの荒天リスクを低減できる見込みです。
牛さん
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生乳を長距離トラック輸送…冷却と品質保持がカギ

牛さん
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長距離輸送のリスクは東海牛乳の工場停止でも明らかに…


4. 気象条件に左右される現状の限界

  1. 海上ルートの脆弱性
    船舶は天候次第で安全確保が最優先となり、欠航判断が極めてシビア。台風シーズンには定期的に運航停止リスクがあり、予測精度向上と運航調整の柔軟性が求められます。
  2. インフラ整備の必要性
    • 港湾施設の防波堤強化
    • 荷役作業の自動化・遠隔化
      など、荒天でも作業継続できる港湾整備が急務です。
牛さん
牛さん

港湾インフラの近代化が酪農物流の安定化の鍵


5. 全国の酪農家への波及効果

  • 酪農家戸数の減少
    日本全体の酪農家戸数は1万戸を下回り、本州の廃業傾向も続いています。頼みの綱となる北海道の生乳供給が不安定化すると、全国の需給バランスにも深刻な影響が及びます。
  • 酪農家の収益安定化策
    • 収入多様化:直売所の強化、観光酪農など
    • 生産コスト削減:エネルギーや飼料の共同購入
      など、異常気象リスクを分散する取り組みが増加中です。
牛さん
牛さん

全国の酪農家数は1万戸を割り込み、厳しい現実が続く


6. 長期的な輸送網改善のポイント

  1. モーダルシフト推進
    陸海空の複数ルートを組み合わせ、輸送方法を柔軟に切り替えられる体制を構築。
  2. DX・IoTによるリアルタイム管理
    船舶やトラックの運行状況、生乳在庫をリアルタイムに可視化し、欠航リスクを早期察知。
  3. 地域間連携の強化
    北海道と本州のJA、乳業メーカー、物流事業者が連携して非常時対応マニュアルを策定・演習。
牛さん
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早期リスク察知でスムーズな対応が可能に


7. まとめ

  • 台風5号の荒天で「ほくれん丸」が7/13〜15に3日連続欠航
  • 首都圏の生乳供給が滞り、乳業各社は出荷制限を検討
  • 陸上輸送や他港ルート、鉄道活用など代替策の可能性
  • 天候依存の海上輸送網の脆弱性が浮き彫りに
  • モーダルシフト、港湾インフラ強化、DX活用で長期的改善を目指す

台風5号によるほくれん丸の3日連続欠航は、日本の生乳輸送網が抱える大きな脆弱性を浮き彫りにしました。首都圏での牛乳出荷制限のリスクは現実味を帯び、酪農家の経営にも間接的な打撃を与えています。今後は、海上輸送に依存しない多様なルート確保と、港湾インフラ整備、デジタル技術活用によるリアルタイム管理が不可欠です。読者の皆さんも、台風シーズンにはスーパーの牛乳棚をチェックし、遠隔地の生産者を支援する直売購入や、代替乳製品への理解を深めることが酪農全体の安定につながります。

牛さん
牛さん

台風5号でほくれん丸が3日連続欠航!生乳輸送の脆弱性が露呈

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

毎日牛乳1L飲んでます!

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