赤ちゃんに牛乳はいつから?離乳食の牛乳は加熱すれば7ヶ月から!

赤ちゃんに牛乳はいつから|離乳食は加熱すれば7ヶ月からOK、飲み物は1歳からが目安の解説イラスト 乳製品
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「赤ちゃんに牛乳をそのまま飲ませていいのはいつから?」
「離乳食に使う時の注意点は?」

初めての育児では、栄養豊富な牛乳をいつ取り入れるか悩みますよね。

飲み物として与えるのは「1歳を過ぎてから」が正解です。
(※離乳食の材料として加熱する場合は、生後7〜8ヶ月から少量OK)

この記事では厚生労働省のガイドラインと「生産者の視点」に基づき、以下の3点を分かりやすく解説します。

  • 月齢別の正しい与え方と量
  • アレルギーや「牛乳貧血」を防ぐ注意点
  • 酪農家直伝!赤ちゃんに優しい牛乳の選び方

スーパーに並ぶ牛乳の違いを知って、赤ちゃんの健やかな成長をサポートしましょう。

1. 赤ちゃんに牛乳を与えるのはいつから?基本のタイミング

赤ちゃんの消化器官は未熟なため、牛乳を与えるタイミングには明確な基準があります。厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」に基づく目安は以下の通りです。

用途開始時期の目安ポイント
離乳食の材料として生後7〜8ヶ月
(離乳中期)
必ず加熱すること。
シチューやパン粥などに少量使用。
飲み物として1歳以降
(離乳完了期)
人肌程度に温めて。
1日300〜400mlを目安に。

なぜ飲み物は「1歳から」なの?

最大の理由は「鉄欠乏性貧血(牛乳貧血)」のリスクがあるためです。

牛乳はカルシウムが豊富ですが、鉄分はほとんど含まれていません。さらに、牛乳に含まれるカルシウムやリンが、他の食事から摂取した鉄分の吸収を阻害してしまう性質があります。

脳や身体が急激に発達する1歳未満の時期に、母乳や育児用ミルクの代わりに牛乳を多飲すると、鉄分不足になりやすいため、飲用は1歳を過ぎてから推奨されています。

2. 失敗しない!牛乳デビューの3ステップ

初めて牛乳を与える際は、アレルギー反応を見逃さないためにも慎重に進めましょう。酪農家の視点でも、最初は「新鮮で質の良いもの」を少量から試すことをおすすめします。

ステップ1:離乳食に混ぜて「加熱」して与える(7〜8ヶ月頃)

最初は小さじ1杯(約5ml)程度から。ホワイトソースやスープなど、加熱調理するメニューに混ぜます。加熱することでタンパク質の構造が変化し、消化への負担やアレルギー性がわずかに下がります。

手作りホワイトソースを鍋で調理している様子の画像
基本の手作りホワイトソース。

ステップ2:ヨーグルトやチーズに慣れる(9〜11ヶ月頃)

牛乳そのものへ移行する前に、発酵済みで消化吸収が良いヨーグルトや、塩分控えめなチーズ(カッテージチーズなど)で乳製品に慣らしていきます。

ステップ3:飲み物として少量からスタート(1歳〜)

1歳を過ぎたら、コップやストローで飲み物として与えてみます。冷蔵庫から出してすぐの冷たい牛乳は胃腸を刺激し、お腹を壊す原因になるため、最初は人肌程度に温めた「ホットミルク」がおすすめです。

Hot milk in a cup warmed to 50–60 degrees Celsius using 200ml of cow's milk in a microwave
電子レンジで簡単ホットミルク

3. 【酪農家直伝】赤ちゃんにおすすめな「牛乳の選び方」

ここが一番お伝えしたいポイントです。スーパーに行くと「成分無調整」「低脂肪」「加工乳」など様々な牛乳が並んでいますが、赤ちゃんにはどれを選べば良いのでしょうか?

🐮 酪農家視点

私たちが毎日牛の世話をしていて感じるのは、「牛の健康状態と飼料が、牛乳の味と質に直結する」ということです。
赤ちゃんには、以下の基準で選んであげてください。

① 「種類別:牛乳」を選ぶ

パッケージの裏面(一括表示欄)を見てください。「種類別」という項目に「牛乳」と書かれているものが、生乳100%の純粋な牛乳です。
「乳飲料」や「加工乳」と書かれているものは、バターや脱脂粉乳などが添加されている場合があるため、最初のうちはシンプルな「牛乳」を選びましょう。

② できれば「低温殺菌牛乳」を

一般的な牛乳は「超高温瞬間殺菌(120〜130℃で2〜3秒)」されています。保存性は高いですが、タンパク質が熱変性し、風味も変化しています。

一方、「低温殺菌牛乳(63〜65℃で30分間など)」は、生乳本来の風味や栄養素の変化が少なく、お腹にも優しいと言われています。少し値段は高いですが、消化機能が発達途中の赤ちゃんには、より自然に近いこちらの牛乳を試してみる価値があります。

※ただし、消費期限が短いので注意してくださいね。

4. よくあるQ&A:こんな時どうする?

Q. フォローアップミルクと牛乳、どっちがいいの?

A. 食事の食べムラがあるならフォローアップミルクも活用を。
離乳食をしっかり食べていて栄養バランスが良ければ、1歳からは牛乳でOKです。しかし、鉄分不足が気になる場合や、食事が偏りがちな場合は、鉄分やビタミンが強化されたフォローアップミルクを併用するのが安心です。

Q. アレルギーが心配です。

A. 初回は「平日の午前中」に与えましょう。
万が一、湿疹や嘔吐などの症状が出た場合、すぐに小児科を受診できるようにするためです。食べた後1〜2時間は様子を見てあげてください。

まとめ:焦らず1歳から!質の良い牛乳で成長をサポートしよう

最後に、赤ちゃんの牛乳デビューのポイントをまとめます。

  • ✅ 料理への使用(加熱)は7〜8ヶ月からOK
  • ✅ 飲み物としては1歳からスタート
  • ✅ 1歳未満の過剰摂取は「貧血」の原因になるので注意
  • ✅ 最初は「種類別:牛乳」を選び、できれば低温殺菌がおすすめ

牛乳はカルシウムやタンパク質が豊富な、成長期の強い味方です。
私たち酪農家は、牛たちがストレスなく健康に過ごせるよう、毎日愛情を込めて育てています。健康な牛から搾られたおいしい牛乳が、お子さんの「おいしい!」という笑顔と、健やかな成長につながればとても嬉しいです。

この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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