NOSAI北海道 診療簿虚偽記載問題を徹底解説 — 行政指導の内容と影響

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2025年、北海道農業共済組合(NOSAI北海道)で所属獣医師による家畜診療簿の事実と異なる記載が確認され、北海道庁から2度の行政指導が行われました。本記事では、発覚までの経緯と具体事例、獣医師法の観点からの法的意味、畜主や共済制度に及ぶ影響を整理し、現場で実施できる実務的な再発防止策までをわかりやすく解説します。

問題の要点

  • 発表主体:北海道農業共済組合(NOSAI北海道) — 公式発表あり。
  • 報道・指摘点:診療簿への虚偽記載が複数例で確認され、道による行政指導が実施された。NHK等が報道。
  • 代表的な具体例(報道ベース):一昨年に子牛を安楽死させた事例で、診療簿に「腸炎による死亡」と記載していた等の指摘。
  • 組合の対応:関係者への処分・畜主への説明・全獣医師への聴取と研修・獣医師法第21条の遵守宣誓書の提出など。

なぜ重大か — 法的・制度的な位置づけ

獣医師法は診療に関する記録の作成・保存を定めており(第21条)、診療簿は診療の根拠であり証拠です。診療簿の虚偽記載は、法令遵守・共済金支払の公正さ・畜主の権利保護に直結する問題です。法令上の保存義務や記録内容の要件は明確で、保存期間・記載事項・改ざん防止の留意点が定められています。

現場に与える影響(畜主・共済制度・地域)

主要な影響は三点です。

  • 畜主の信頼喪失:診療内容や処置経緯が正確に記録されないと、治療履歴や共済請求に不安が生じます。
  • 共済の審査・支払いの公平性:診療簿は共済金支払の根拠資料となるため、虚偽があると審査の公正さが損なわれます。
  • 地域の行政監督強化:行政指導に留まらず、監査や運用規程の見直しが必要になる可能性があります。

報道が示した具体事例(報道ベースの整理)

複数の報道によれば、過去に実際に安楽死や死亡を伴う事例が発生した際、その状態や処置の記載が実態と異なっていたとされています。

組合の公表内容と道の行政指導(要点)

NOSAI北海道は2025年11月7日の公式発表で、当該獣医師に対する処分と指導、関係畜主への説明・謝罪、全獣医師への聴取や研修、獣医師法第21条遵守の宣誓書提出を示しました。これを受け、北海道庁は少なくとも2回の行政指導を行い、早期是正と再発防止の徹底を求めたと報じられています。

実務的な再発防止策(現場で今すぐ検討すべき項目)

短期(即時実施)

  • 該当記録の保全と外部監査への提出(証拠の保全)。
  • 畜主向けの説明会・個別連絡の徹底(信頼回復の第一歩)。
  • 内部通報窓口の活性化と匿名での報告ルール整備。

中長期(制度化)

  • 診療簿の電子化と監査ログの導入(改ざん履歴を残す)。国の通知や運用指針に沿った保存要件を満たすことが必須です。
  • 第三者による定期監査(外部専門家の導入)と監査結果の要約公開。
  • 業務負荷の評価と人的配置の見直し(過重負担が記録不備を招くため)。
  • コンプライアンス研修の恒常化(事例ベースの学習とテスト化)。

畜主が取るべき実務的なチェックポイント

畜主の立場で確認しておくべき点は下記です。

  • 診療後に診療簿の写しを受け取れるか、閲覧方法を確認する。
  • 疑義がある場合は組合に対して文書で説明を求める(記録の写しを保存)。
  • 共済請求の際、診療簿と照合して不備がないかチェックする。

獣医師法の観点(要点まとめ)

獣医師法は診療録・検案簿の記載と保存を義務づけており、保存期間などの詳細は施行規則や関係指針で定められています。診療簿は感染症調査や出荷制限判定、保険・共済審査などで重要な資料となるため、法令に準拠した保存と改ざん防止措置が求められます。

まとめ:透明性と説明責任が信頼回復のカギ

  1. NOSAI北海道で診療簿の虚偽記載が発覚し、2025年に北海道庁が少なくとも2回の行政指導を実施。組合は謝罪と処分、全獣医師への聴取・研修を公表した。
  2. 診療簿は獣医師法に基づく重要な記録であり、虚偽記載は共済審査・畜主の権利保護・地域の信頼に直接的な悪影響を及ぼす。
  3. 現場対策としては(短期)記録保全・畜主への説明、(中長期)電子化と監査ログ導入、外部監査、業務負荷の是正、恒常的なコンプライアンス教育が必要。
  4. 信頼回復には透明な説明責任と実効的な制度改善の両輪が不可欠であり、継続的な情報公開と第三者チェックが鍵となる。

NOSAI北海道の今回の問題は、組合運営や獣医療の透明性に直結する重大事です。組合の公表は第一歩ですが、実効性ある再発防止策(電子化・外部監査・業務改善)をどのように制度化し、畜主へ説明していくかが今後の焦点になります。畜主・地域・行政が納得できる形での説明責任と実務改善が進むことを注視しましょう。

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参考・出典(主要)

  • NOSAI北海道「当組合獣医師職員による家畜診療簿の不適切な記載について」(2025/11/07)。
  • NHK北海道 報道(X告知含む・診療簿の虚偽記載に関する報道)。
  • 獣医師法(e-Gov 法令検索) — 診療簿の作成・保存義務等。
  • 農林水産省:診療簿等の電磁的記録による保存に関する指針(保存と改ざん防止の留意点)。

この記事は報道および公式発表をもとに現場目線で整理しています。事実関係の追加・訂正があれば随時更新します。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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