バターは風味が命。開封後そのまま冷蔵庫に置いておくと風味が落ちやすいため、使い切れない分は冷凍保存が有効です。本記事では「小分け保存」と「塊のまま保存」のメリット・手順、解凍のコツ、賞味期間の目安、よくある失敗対策、そして冷凍バターを無駄なく使う実践レシピまで、専門家の視点で丁寧にまとめます。
1. なぜ冷凍保存するのか?メリットと基本ルール
バターは脂質が主体のため酸化で風味が落ちやすく、開封後は冷蔵だけだと風味が弱まることが一般的です。冷凍保存することで酸化を遅らせ、長期間の保存が可能になります。メーカーや家電メーカーのガイドラインでは「ブロックのまま保存すれば目安で半年程度保存可能」とする取り扱いが多く、適切な包み方と温度管理が重要です。
基本ルール(要点)
- 保存温度は冷凍庫の安定した温度で(-18℃前後が目安)。
- 空気・光・ニオイを避ける包装をする(ラップ→アルミ→フリーザーバッグ等)。
- 解凍後は再冷凍は避け、できるだけ早めに消費する(再冷凍は品質低下の原因)。
2. 冷凍保存の具体手順 ― 小分けとブロック
おすすめA:小分け保存(5〜10g単位) — 日常使いに便利
用途ごとに小分けにしておくと、必要な分だけ取り出して使えるため廃棄が減ります。ただし、小さく切るほど空気に触れる面積が増えるため「保存期間は短め(目安:3〜4週間)」を想定してください。
- バターを5〜10gにカット。
- ラップでぴったり包み、もう一枚ラップで重ねて空気を抜く。
- アルミホイルで包んで光や酸化を防ぐ。
- 冷凍用のジッパーバッグに入れ、できるだけ空気を抜いて冷凍庫へ。

おすすめB:塊のまま冷凍(手間削減・長期保存向け)
未開封のブロックや塊のまま冷凍すると「保存期間は目安で半年程度」。長期保存向けですが、使う際は必要分だけ切り分ける手間が発生します。切る際は包丁を熱湯で温めるなどのコツで切りやすくなります。
- 銀紙(購入時包装)のままラップを二重にして包む。
- さらに密閉容器か冷凍用保存袋に入れ、空気を抜く。
- 冷凍庫の奥(温度変動の少ない場所)にしまう。

プロの小技
- ラベルに冷凍した日付を書いておく(先入れ先出し)。
- 冷凍バッグは平らにして重ねれば庫内の場所を節約できる。
- 長期保存する場合は硬めの密閉容器に入れると匂い移りをさらに防げる。
3. 解凍のコツ:風味を損なわない方法と用途別の使い方
解凍は「用途に合わせた方法」を選ぶのが重要です。製菓やトーストには十分に柔らかく戻すのが良い一方、炒め物など加熱調理なら凍ったまま使っても問題ありません。以下は代表的な解凍法です。
自然解凍(推奨)
冷蔵庫で一晩(8〜12時間)。小分けであれば1〜2時間程度で柔らかくなります。
室温解凍(急ぐ時)
室温で1〜3時間。夏場は短時間(約1〜2時間)でチェックしてください。長時間放置は酸化・品質低下のリスクがあります。
時短テク
- すりおろし器で凍ったバターを削ると表面積が増え、数分で柔らかくなる。
- 凍ったままフライパンに入れて加熱調理する(炒め物やソース作り)。
注意:解凍後は再冷凍しないでください。再冷凍は食感・風味の劣化を招きます。
4. 賞味期限(保存期間)の目安
| 保存形態 | 目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 未開封(冷蔵) | メーカー表示の賞味期限(通常数ヶ月) | メーカーごとに差あり。: |
| 開封後(冷蔵) | 約2週間を目安 | 密閉・臭い移りに注意。 |
| 冷凍(塊) | 目安:約半年 | 適切に包めば風味を長持ち可能。 |
| 冷凍(小分け) | 目安:3〜4週間(早めに使用推奨) | 小さく切るほど保存目安は短め。 |
なお、塩有り/無塩で保存の耐性が若干異なるという報告もあります(例:無塩は短め、塩入りは少し長め)。海外のガイドラインでは無塩で約5か月、塩入りで6〜9か月の目安を示すものがあります。
5. 冷凍バターを無駄なく使う簡単レシピ
冷凍バターをうまく活用することで「手軽で美味しい」料理が増えます。以下は実践しやすい5例。
- トースト用(5g):小分けを室温で数分戻して塗るだけ。
- じゃがバター:レンジで温めたじゃがいもに凍ったままのバターを乗せて溶かす(早さ重視)。
- フレンチトースト:冷凍しておいたバゲットを使い、バターは加熱で溶かして焼く。
- ステーキ添え:解凍したバターにハーブを混ぜてコンパウンドバターにしておく。
- お菓子作り:手で扱うクッキーやタルトの場合は、冷蔵でしっかりした硬さに戻して作業性を確保。

6. よくある質問(FAQ)
Q1. 再冷凍しても大丈夫ですか?
A1. 再冷凍は品質(食感・風味)が落ちるため基本的におすすめしません。解凍後は使い切ってください。
Q2. 小分けは何グラムが良い?
A2. トースト用なら5g、調理用なら10〜50gなど用途に応じて分けると便利です(参考例)。
Q3. 冷凍庫でのニオイ移りはどう防ぐ?
A3. 密閉(ラップ+アルミ+保存袋)や硬めの容器を利用する、魚介類など匂い強い食材と離して保存するのが効果的です。
Q4. 塩入りと無塩、保存期間は違う?
A4. 塩は若干の保存性を高めるため、塩入りの方が長めに保存可能という指針が見られます(目安参照)。
7. まとめ(結論)
- バターは銀紙→ラップ→アルミ/フリーザーバッグで密封して冷凍すると酸化・ニオイ移りを防げる。
- 小分け(5〜10g)は日常使いに便利、塊のままは長期保存(目安:数ヶ月〜半年)の向き。
- 解凍は基本冷蔵庫で自然解凍(数時間〜一晩)。急ぎなら凍ったまま調理に使う選択肢も有効。
- 再冷凍は品質低下のリスクあり。解凍後は2週間以内(用途による)で使い切るのが安全。
結論:バターは適切に包んで冷凍すれば風味を保ちながら長期保存が可能です。用途に応じて「小分け(即使い)」か「塊(長期)」を使い分け、解凍は冷蔵で自然に行うのが安全かつ風味維持に優れます。再冷凍は避け、ラベル管理やニオイ対策を徹底して無駄を減らしましょう。
出典(主要参考)
- Haier(冷蔵庫メーカー)「バターの冷凍保存」ガイド。
- COTTA(製菓向け情報)バターの冷凍保存方法。
- よつ葉(乳製品メーカー)バター保存ページ。
- STL Dairy Council(海外ガイド、塩入り/無塩の目安)。
- Furunavi(保存期間・実用ガイド)。
※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告が含まれる場合があります。
※本文の主要情報はメーカーガイド・製菓情報・冷蔵庫メーカーの公開情報を参照して作成しています(Haier、COTTA、よつ葉、STL Dairy Council 等)。




