岩手牛・岩手米が輸出過去最高に|理由と今後の展望

岩手牛と岩手米の2024年輸出過去最高を示す成長グラフと商品イメージ 肉牛
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岩手県の牛肉と米の輸出が、2024年に過去最高を更新しました。EU向けの認定取得で「いわて牛」が新たな販路を開き、円安と世界的な和食人気が追い風となっています。本記事では最新データと現場の声をもとに、輸出額・主要輸出先・成長要因、そして今後の課題と戦略を図表でわかりやすく解説します。

要点

  1. 2024年は輸出追い風の年—日本全体で過去最高の輸出額を記録。
  2. 米は数量・金額ともに増加(輸出額120億円、数量約45,112トン)。
  3. いわて牛はEU対応の認証取得で販路が一気に開いた。
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2024年の主要データ(押さえるべき指標)

1) 日本全体の輸出額(背景)

2024年の農林水産物・食品の輸出額は1兆5,073億円となり、過去最高を更新しました。国内の和食人気と為替(円安)が寄与しています。

2) 米(精米等)の輸出(数値)

2024年の米(精米・玄米・籾・砕米)輸出数量は約45,112トン、輸出額は約120億円(前年比+28%)と急拡大しています。主要輸出先には香港・アメリカ・シンガポール・台湾などが含まれます。

3) いわて牛(工場認定と輸出可能地域)

東北の加工事業者「いわちく」は2024年4月にEU向け輸出認定を取得し、合計43か国・地域へ輸出可能となりました(出荷式も実施)。これにより高級和牛の販路が拡大しています。

牛さん
牛さん

日本のEUへの輸出量は世界第五位で、約750トン輸出しています。

4) 為替の影響(概況)

2024年を通じた円安は日本製食料品の価格競争力を高め、輸出額増に寄与しました(輸出額は為替効果を含めて上昇)。ただし、輸入資材価格上昇というデメリットもあります。

項目数値(2024)備考
農林水産物・食品の輸出総額(日本)1兆5,073億円過去最高(2024年)。出典:農林水産省
米の輸出額約120億円輸出数量:約45,112トン。出典:MAFF
いわて牛のEU等向け認定輸出可能:43か国・地域いわちくの工場認定(2024年4月)による

成長要因:和食ブーム・円安・認証取得の三本柱

要点

和食の世界的人気、為替環境、そして品質・衛生面の国際認証がそろい、輸出拡大の好循環が生じています。

根拠(具体的な動き)

  • 和食人気の拡大により、海外での日本産米・和牛需要が拡大(外食チェーン・寿司店などの増加)。
  • 円安は輸出価値を押し上げ、海外バイヤーにとって魅力的な価格機会を生み出しました。
  • 生産・加工現場の国際認証(EU/米国向け)取得により、従来参入が難しかった市場へアクセス可能になっています

行動(現場向け短期提案)

  1. 販路別(業務用/小売/EC)で商品設計を分け、パックご飯・冷凍・業務用ロットを明確に作る。
  2. 輸出認証(HACCP等)を取得していることを商品ページで明示、バイヤー向け資料を英語で準備する。
  3. 為替変動に備え、価格設定で為替ヘッジの考え方を導入する(為替変動の試算表を作る)。

岩手の現場事例:いわて牛のEU進出

岩手県の特産品や名産品を名称付きで示した観光マップと前沢牛
岩手県の名産品(前沢牛など)を紹介する観光マップ。

結論:いわて牛は認証取得で新市場に本格参入。品質管理が評価され、販路拡大が進んでいます。

現場の工夫(事例)

  • 加工場側での衛生管理・トレーサビリティの強化(出荷履歴・生体情報管理)。
  • 「ストーリー訴求」― 養育環境・飼料・生産者の顔をパッケージや販促に反映。
  • 出荷式や関係者のコメントを外向けに発信し、B2Bの信頼感を高める(出荷式の報道は現地メディアで紹介)。

実務的な目線:輸出量を増やすには、工場の運転能力(冷凍・保税倉庫のキャパ)、輸送コスト、現地での販売網構築が鍵です。

現場が取るべき戦略(短期〜中期)

短期(〜1年)

  • 輸出用パッケージ・英文ラベルの整備、販促資料(カタログ・サンプルの英訳)。
  • 主要バイヤー向けの価格シミュレーション表(為替別の利益率)を作成。

中期(1〜3年)

  • HACCPやGAP等の追加認証の取得と、現地パートナー(輸入業者・流通)の確保。
  • SDGs対応(環境配慮・地産地消の訴求)を商品ブランディングに組み込む。

KPI(推奨)

  • 初年度:輸出用製造量(例:いわちくは2024年度に輸出用製造量400t目標の例あり)→出荷数・成約率で評価。
  • 中期:販路数(国・地域)・バイヤー継続率・利益率(為替影響を考慮)。

FAQ(よくある質問)

Q1: 「いわて牛」はどの国へ輸出されていますか?

A1: いわちくの認定により、EUの多数国を含む最大43か国・地域への輸出が可能です。まずはアジアや米国、英語圏での販路拡大が見込まれます。

Q2: 米の輸出はどんな形態が伸びていますか?

A2: パックご飯や業務用(おにぎり、寿司用)用途の需要が高く、現地飲食店向け・即食商品の拡大が顕著です。数量は2024年で約45,112トン、金額は約120億円でした。

Q3: 為替がさらに変動したらどう対策すべきですか?

A3: 為替変動に対しては、輸出価格の一部を為替条項にする、(必要なら)先物等でヘッジする、または価格を現地通貨建てで設定する等の方法があります。輸出契約時に為替リスクを明示しておくことが重要です。

今すぐできること(3つ)

  1. MAFF/JETROの最新統計をダウンロードして、あなたの商品がどの市場に合うか数値検証する(出典は本文参照)。
  2. 現行パッケージ・英文カタログを整備して、海外バイヤーとのオンライン商談に備える。
  3. 工場の認証状況(HACCP 等)を点検し、足りない認証は優先的に取得する。

まとめ

  1. 実績:2024年、岩手の牛肉と米の輸出が過去最高に達し、新たな国際市場(EU含む)へ展開中。 
  2. 要因:和食ブームの需要増と円安が輸出競争力を押し上げ、企業の輸出認定・流通整備が追い風となった。 
  3. 今後:HACCP・認証の拡充、販路多角化、流通の効率化が課題。

2024年は、日本の農林水産物輸出が過去最高を記録した年でした。岩手では「いわて牛」のEU認定や米の輸出増が象徴的で、和食人気と円安が追い風になっています。現場としては、品質・認証・販路設計を重点化し、データに基づく戦略で成長機会を実現しましょう。

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重要出典(本文で参照した代表的ソース)

  • 農林水産省「2024年の農林水産物・食品の輸出実績」
  • 農林水産省:米の輸出資料(輸出数量・輸出額)
  • いわちく:EU等向け輸出認定に関する情報(企業ページ)
  • 現地報道(出荷式の紹介)
  • Reuters:為替・輸出に関する分析記事(為替の影響)

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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