IoT酪農ベンチャー「ファーマーズホールディングス」倒産90億円負債|岡山県倉敷市

ファーマーズホールディングス倒産と酪農業界の再建課題を示すイメージ 乳製品
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2017年設立の酪農ベンチャー、ファーマーズホールディングス株式会社(本社:岡山県倉敷市阿知)。IoT技術を駆使した革新的な酪農モデル構築を掲げ、グループ12社体制で牧場経営から加工・販売まで手掛けてきました。しかし、2025年7月24日、大阪地方裁判所に民事再生法の適用を申請。負債総額約90.85億円という規模での倒産となりました。この記事ではその歩みと倒産原因、今後の再生計画、そして酪農業界への教訓をまとめます。

牛さん
牛さん

酪農ベンチャーの倒産事例として、今後語り継がれるケースかも…!経営と現場の両面を要チェック!


会社概要

  • 社 名:ファーマーズホールディングス株式会社
  • 設 立:2017年9月
  • 本 社:岡山県倉敷市阿知1-7-2 くらしきシティプラザ西ビル701号
  • 代表者:太田誠治氏
  • 事 業
    • 牧場経営(乳肉複合経営
    • 生乳加工・販売
    • 飲食店運営
    • 農作業請負・コンサルティング
  • グループ会社数:計12社(本体+関連11社)
  • 売上実績
牛さん
牛さん

ファーマーズHDは、『乳肉複合経営+加工+飲食+コンサル』の多角展開型だったんだね


倒産までの歩み

  1. 設立~拡大期(2017~2021年)
    • IoTセンサーによる牛群管理システムを導入し、肥育効率を向上。
    • 同業者のM&Aを積極化し、6次産業化を推進。
    • 外部ファンドからの出資を受け、資本基盤を強化。
  2. 業績悪化と経営体制の変化(2022~2024年)
    • 2022年6月期に黒字転換を果たすも、翌2023年6月期に再び赤字。
    • 2024年初頭以降、主要幹部の相次ぐ辞任で経営の安定性が損なわれる。
    • 飼料価格高騰やエネルギーコスト上昇が収益を圧迫。
  3. 民事再生法申請(2025年7月24日)
    • グループ12社(本体+関連11社)で一斉に申請。
    • 大阪地方裁判所の監督命令を同日受領。
    • 負債額は約90億8,470万円にのぼる (TDB)。
牛さん
牛さん

2025年7月、ついに民事再生法をグループ全体で申請!負債額は驚異の約90億円超…


倒産の主な要因分析

  • 大規模設備投資の負担増大
    革新的システム導入や施設拡張に伴う借入金利負担が利益を圧迫。
  • 安定収益の確保困難
    拡大フェーズと比して、原料(生乳)の販売価格が市場変動の影響を受けやすかった。
  • 組織マネジメントの揺らぎ
    役員陣の辞任が相次ぎ、意思決定プロセスが停滞。
  • 飼料・エネルギーコストの上昇
    ウクライナ情勢や円安による輸入飼料価格高騰が直撃。資金繰りが悪化し、自力再建を断念した (〖公式〗データ・マックス NETIB-NEWSn-seikei.jp)。
牛さん
牛さん

円安やウクライナ情勢の影響で飼料代が激増…これは全国の酪農家も直面してる現実


再生計画と今後の展望

  1. スポンサー契約
    神戸ETセンター株式会社(兵庫県姫路市)と基本合意を締結予定 (n-seikei.jp)。
  2. DIPファイナンス
    民事再生手続き中に約5億円を資金調達し、運転資金の確保を図る。
  3. 事業再構築
    • IoT活用領域の集約化
    • グループ統廃合による固定費削減
    • 収益性の高い加工品開発へのシフト

再生成功のカギは、収益性改善策の迅速な実行スポンサー支援の具体化にあります。

牛さん
牛さん

再生のカギはここ!①IoT領域に集中、②グループ整理で固定費カット、③加工品で高収益化!


酪農業界への教訓

  • 成長と安定のバランス
    最先端技術導入だけでなく、マーケット変動に対応した価格戦略が不可欠。
  • 財務基盤の慎重設計
    設備投資時は返済計画を堅実に組み、最悪ケースでも耐えうる資金余力を確保。
  • 組織マネジメントの重視
    幹部の流動化リスクを見越し、次世代リーダー育成と意思決定体制の強化を並行。
  • リスク分散
    販路や事業領域を多角化し、一つのコスト要因に依存し過ぎない体制構築を。
牛さん
牛さん

販路と事業の多角化でコスト依存を減らす!これが酪農経営安定のカギだね


まとめ

  • 設立から拡大期:2017年~2021年にIoT導入とM&Aで事業急拡大
  • 業績悪化の要因:設備投資負担、幹部辞任、飼料高騰による収益圧迫
  • 倒産の概要:2025年7月24日、負債約90.8億円で民事再生法申請
  • 再生計画:スポンサー契約、DIPファイナンス、事業再構築で再建を図る
  • 業界への教訓:技術革新と持続可能性の両立には、財務戦略・組織マネジメント・リスク分散が不可欠

ファーマーズホールディングス株式会社の倒産は、「革新」と「持続可能性」の両立がいかに難しいかを示す事例です。技術導入や事業拡大は魅力的ですが、 市場リスク管理・財務戦略・組織体制 の三位一体で経営を進めることが、長期的な成長には欠かせません。この教訓を生かし、酪農業界全体の健全な発展を目指していきましょう。

牛さん
牛さん

2025年7月、負債約90億円超で民事再生法を申請。農業ベンチャー倒産の象徴的な事例に


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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

毎日牛乳1L飲んでます!

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