2026年1月、ネスレを起点に乳児用粉ミルクの大規模回収が欧州を中心に拡大しました。原因とされるのはバチルス・セレウスが産生する耐熱性毒素『セレウリド』です。本記事では、回収の範囲、毒素の特徴、症状、そして保護者が今すぐ確認すべき日本国内での安全対策を専門家の視点でわかりやすく整理します。結論:正規流通の国内製品は現時点で問題なし(個人輸入品は要注意)。
事件の要点 — 何が起きているか
- 2026年1月、ネスレが一部の乳児用粉ミルクを自主回収。事案はダノン、ラクタリスなどにも波及し、複数メーカーで対象ロットの回収が進んでいます。
- 原因とされるのは、原料(例:ARAなどの油脂)に混入した可能性のあるバチルス・セレウス由来の毒素(セレウリド)です。
- 厚生労働省は国内流通品について「回収対象品の販売目的での我が国への輸入は確認されていない」と発表しています(2026年1月)。
セレウリドとは
セレウリドは、特定株のBacillus cereusが産生する環状化合物で、耐熱性が高く分解されにくい毒素です。食品に存在しても通常の調理加熱では無害化されない場合があり、特に幼児では嘔吐型の重篤化リスクが指摘されています。発症は摂取後おおむね30分〜6時間程度で、嘔吐・腹痛などの症状が出ます。
対象メーカー・製品(概略)
報道時点で公表されているメーカー例:
- ネスレ(NAN、SMA、BEBA、Alfamino等の一部ロット)。
- ダノン(Aptamil系等の一部ロットとして調査対象)。
- ラクタリス(Picotなど一部製品で回収)。
※該当ロット・JAN・製造所固有記号は各メーカーのリコール告知で確認してください。メーカーの公式ページや各国の食品安全機関の発表が最終的な一次情報源です。
日本の保護者がまず確認すべきこと(実務リスト)
- 購入経路を確認 — 正規販売(薬局、大手ECの日本公式ストア、病院等)で購入したかを確認する。個人輸入や海外通販はリスクあり。
- パッケージのロット/賞味期限を確認 — 回収リストと照合。回収情報はメーカーサイトで随時更新されます。
- 異常がある場合は使用中止 — 匂い、色、ダマ、封入不良など物理的変化が見られた場合は直ちに使用を中止。
- 体調変化が出たら医療機関へ — 嘔吐が続く、脱水症状の疑いがある場合は受診を。小児科で状況を伝えてください。
- メーカーの相談窓口に連絡 — 返金・回収・交換の手順を確認。購入証明(レシート等)があると手続きがスムーズ。
ポイント(酪農・乳業の視点)
粉ミルクの品質管理は多段階で行われますが、原料供給網が国際化しているため、供給先の一部原料に問題があると複数ブランドに波及するリスクがあります。海外報道で示される「共通原料」が想定されるケースでは、該当原料のロット特定と流通経路の追跡が重要です。国内メーカーは原料調達先の分散や自主検査の強化を行っていますが、消費者側でも購入経路と製品ロットの把握が最も実効的な対策になります。
FAQ — よくある質問と回答
Q1:日本で売っている明治・森永・雪印の粉ミルクは安全ですか?
A:現時点で厚生労働省は「回収対象品の販売目的での日本への輸入は確認されていない」としています。国内の正規ルートで流通する主要メーカー製品に関しては、報道時点で問題は確認されていません。ただし、今後の情報更新は各公式発表で逐次確認してください。
Q2:個人輸入で買った粉ミルクは使っていいですか?
A:輸入元が回収対象ロットを含む可能性がある場合は使用を控え、購入元に問い合わせるかメーカーに確認してください。自己判断で使い続けるのは避けてください。
Q3:赤ちゃんが嘔吐した。粉ミルクのせいかもしれない時は?
A:まず授乳を中止し、脱水の兆候(尿量減少、ぐったり感)や激しい嘔吐がある場合は直ちに医療機関を受診してください。受診の際は製品パッケージ(ロット番号等)を持参すると診療や保健所対応がスムーズです。
まとめ
- 事案の主要因はセレウリド毒素混入の可能性で、欧州を中心に複数メーカーがリコール・回収を実施しています。
- 厚生労働省は現時点で「日本への販売目的輸入は確認されていない」と発表しており、国内正規流通品は報道時点では安全です。
- 個人輸入品はリスクがあるため、ロット照合・メーカー確認・使用中止の判断を迅速に行ってください。
主な参考情報(一次情報)
- 厚生労働省:欧州等における乳児用粉ミルクの回収事案について.
- Nestlé:Infant formula product advisory.
- Reuters:Explainer — What is cereulide.
- Euronews:Global baby formula recall.
- Reuters:Lactalis recalls baby milk batches due to toxin.
重要な注意:この記事は報道時点の公表情報を基に作成しています。メーカーのリコール情報や厚生労働省の発表は更新される可能性がありますので、最新の一次情報を必ずご確認ください。
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