関東生乳販連、2026年度乳価は据え置きで決着|飲用乳価・発酵乳価の背景と酪農家への影響

関東生乳販連が2026年度の飲用乳・発酵乳向け乳価を据え置き決定、需要低迷と生産コスト高を示すイメージ 酪農NEWS
関東生乳販連、2026年度乳価は据え置きで決着
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2026年1月23日、関東生乳販連は大手乳業3社と協議の末、2026年度(2026年4月〜)の飲用向け・発酵乳向け生乳の取引価格を据え置きで決着させました。本記事では「なぜ据え置きになったのか」をデータと過去推移で検証し、酪農経営・消費者価格・全国の交渉動向に与える影響を酪農家がわかりやすく解説します。


1. 決着の概要 — 「関東生乳販連 据え置き」の中身

2026年1月23日、関東生乳販連は明治・森永乳業・雪印メグミルクと協議し、2026年度 乳価を据え置きすることで合意しました。対象は主に家庭向け飲用牛乳と発酵乳(ヨーグルト等)向けの生乳です。この「関東生乳販連 据え置き」は関東圏約2,200戸の酪農家に直接影響します。

  • 対象期間:2026年4月〜2027年3月
  • 対象用途:飲用向け・発酵乳向け生乳
  • 合意のポイント:2025年度の水準を維持(据え置き)

結論として、今回の決着は「価格の据え置き」により消費側の負担増を抑制する一方、生産側の収益悪化懸念を残すものです。


2. なぜ「据え置き」になったのか? — 決着の背景と主要要因

2-1. 最大要因:牛乳需要の低迷

新鮮な牛乳のグラスとボトル|朝食やカルシウム補給のイメージ

2025年8月に実施された乳価引き上げ後、家庭用の牛乳消費は前年割れが続いています。価格弾力性の高い飲用牛乳は特に減少が顕著で、結果として需要側を優先した「据え置き」判断につながりました。要するに、追加的な値上げは需要をさらに冷やすリスクが高いと判断されたのです。

2-2. 構造的要因:人口減少・高齢化

中長期では、人口減少と高齢化による飲用牛乳需要の構造的低下が続いています。これが「一時的なサイクル」ではなく継続的な下押し要因として作用している点は無視できません。

2-3. 生産側の事情とトレードオフ

一方で飼料価格高騰や円安の影響、燃料・電気代上昇など生産コストは高止まりしています。生産コスト高と需要低迷の間で、関東生乳販連は短期的な需給安定を優先し、関係各社と据え置きで合意したと考えられます。


3. 過去の乳価推移(簡易表) — 文脈を把握する

時期主な改定
2022年11月約+10円/kg(全国的な値上げ局面)
2023年8月約+10円/kg(需給改善を受けた値上げ)
2025年8月約+4円/kg(飲用・加工向け)
2026年(今回)据え置き(2025年度比) — 「2026年度 乳価」は据え置き決着

過去の連続的な値上げ局面と比較すると、今回の据え置きは業界の需給・消費動向の転換点を示唆しています。


4. 酪農家への影響と現場で取るべき実務的対応

4-1. 直接的な影響

  • 短期:小売価格の急騰回避で市場混乱は緩和
  • 中長期:飼料等コスト高が続く中での据え置きは、利益率を圧迫し減産や離農のリスクを高める

4-2. 現場で優先すべき対応

  1. コストの見直しと効率化 — 飼料調達の共同化、電力・燃料の契約見直し、機械保守による稼働率向上。
  2. 付加価値の創出 — 加工乳製品(チーズ・バター・ヨーグルト)や直販(通販・定期便)を拡大し、飲用乳依存からの収益分散。
  3. 需給情報の活用 — 地域単位での出荷調整や在庫管理の改善により、過剰出荷を避ける。
  4. 連携と補助金活用 — 経営改善対策や設備投資支援、地方の販路開拓補助金を積極的に活用。

これらはすぐに実行可能な施策と、数年単位での中長期的な構造改革の両面で取り組む必要があります。


5. 全国への波及と今後の注目点(北海道を含む地域比較)

関東の決着は全国の指標になりやすく、北海道(ホクレン等)を含む他地域の交渉にも影響を与える見込みです。特に北海道では生産量や用途別需給が異なるため、バター・チーズ向け乳価は別刀での調整が行われる可能性があります。

今後注目すべきポイント:

  • 各地域の生乳生産量の動向(特に夏季の気象影響)
  • 小売段階でのプロモーション・需要喚起の効果
  • 中小乳業メーカーの個別交渉結果
プール乳価の地域差を示す日本地図と乳製品・飲用向けの価格比較

6. 消費者への示唆と市場の受け止め方

今回の「2026年度 乳価 据え置き」は消費者価格の安定につながるため、短期的には歓迎される結果です。ただし、供給側の疲弊が進めば将来的な供給不安や品質低下といったリスクが高まるため、消費者側でも国産乳製品への理解や適正価格への受容が重要になります。


7. まとめ

  • 関東生乳販連は2026年度の飲用・発酵乳向け乳価を据え置きで合意(発表日:2026年1月23日)。
  • 据え置きの主因は、2025年の乳価引き上げ後に続く牛乳需要の低迷と需給悪化の警戒。
  • 短期的には消費者の小売価格急騰は回避される見込みだが、生産コスト高の継続は酪農家経営を圧迫するリスクが残る。
  • 関東の決着は全国の指標になり得るため、北海道など他地域の交渉にも影響が及ぶ可能性が高い。

結論:関東生乳販連による2026年度の飲用乳価・発酵乳価の据え置き決着は、短期的には消費者保護に資する一方、酪農家経営にとっては重い負担を残す結果です。生産コスト高を背景に、現場では迅速なコスト対策と収益多角化が不可欠です。

取るべきアクション(要点3つ):

  1. コスト削減と効率化を最優先で進める。
  2. 加工・直販などで収益源を分散する。
  3. 地域連携・行政支援を積極的に活用する。

今後も「2026年度 乳価」の地域別動向や中小乳業との交渉結果を注視し、実務的な対応を進めることが重要です。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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