2026年1月、山口県周防大島町の人気ハワイアンレストラン「アロハオレンジ」が提供したレアステーキ丼(通称:ギャング丼)を原因とみられる食中毒が発生しました。7人が腹痛・下痢などを訴え、3人から腸管出血性大腸菌O157が検出。うち10代の女性1人が溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症し重症となっています。本稿では県発表・店舗発表・報道を整理し、発症の経緯、疑われる原因、SNSの反応、専門的な予防策までを分かりやすく解説します。
この記事のポイント(要点)
- 何が起きたか:周防大島の人気店で提供された「超レア」レアステーキ丼が原因と推定されるO157集団食中毒。
- 被害概要:7人発症、3人からO157検出、10代女性がHUSで重症。山口県が営業停止処分を実施。
- 専門的観点:赤身肉の「内部温度不足」が最大リスク。厚生労働省の加熱基準(中心温度75℃で1分以上)を満たしていない可能性が高い。

事件の時系列
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2026-01-04 | アロハオレンジがレアステーキ丼を提供(これを喫食したグループで発症)。 |
| 1月7〜9日 | 患者の発症日(腹痛・下痢・血便など)。 |
| 1月13日 | 周南市・岩国市でO157患者が報告され、飲食店調査が開始。 |
| 1月15日 | 山口県が公式に発表、営業停止処分を公表。店舗も告知を掲載。 |
レアステーキ丼(ギャング丼)の問題点 — なぜ感染が起きやすいか
報道・SNSで拡散された写真や目撃情報では、表面にごくわずかな焼き色が付いているだけで内部は鮮やかな赤身のまま積み上げられた提供が確認されています。こうした「超レア」調理は、肉の中心温度が十分に上がらないため、腸管内に存在するO157などの病原菌が死滅しないまま喫食者に届くリスクを高めます。
加熱の目安(厚生労働省の指針)
厚生労働省は「牛肉は中心温度75℃で1分以上の加熱で死滅する」と明記しています。赤身であっても内部がピンクの状態では安全性が担保されない点に注意が必要です。

O157を反対から読んで「75℃で1分」と覚えるといいよ!
テイクアウトのリスク
加熱が不十分な料理をテイクアウト可能にしている場合、持ち帰り中や保存過程で温度低下が起き、菌が残存したまま摂取されるリスクがさらに増します。飲食店側は提供温度管理と提供方法の見直しが必要です。
症状と重症化(HUS)|消費者が知るべきこと
O157感染の典型的症状は激しい腹痛、下痢(しばしば血便)、発熱、嘔吐などです。稀に溶血性尿毒症症候群(HUS)という合併症を起こし、腎不全や貧血などの重篤な状態になることがあります。特に乳幼児・高齢者・免疫力が低い人は重症化リスクが高い点に注意してください。
現時点で公的に確認されている事実(要点)
- 山口県発表:1月4日に提供された飲食物を喫食したグループで7人が発症、3人からO157検出、1人(10代女性)がHUSで重症。県は行政処分(営業停止)を実施。
- 店舗発表:該当期間に来店し、体調に不安がある人への連絡窓口を設置。店舗側は情報提供を継続すると表明。
- 報道:地域メディアは写真やSNSの反応も含めて速報しているが、原因究明は保健所の調査結果を待つ必要がある。
飲食店向け:再発防止で必ず行うべき具体策(現場目線)
(※ここは飲食店向けの実務的チェックリストです。現場で実行可能な手順に落とし込んでいます。)
- 中心温度の測定:肉類は調理時に中心温度を測る運用を義務化(記録を保存)。75℃で1分以上が目安。
- 提供基準の明文化:メニューに「加熱度」「推奨しない対象(妊婦・子ども等)」を明示し、スタッフ教育を徹底。
- 調理者の健康管理:定期検便や体調不良者の調理業務排除を厳守。食品衛生責任者の研修実施。
- テイクアウト管理:加熱済み提供でも保温容器・保温時間の管理を明確化。未加熱に近い提供物はテイクアウト不可とする。
- 第三者検査と情報公開:問題発生後は保健所の調査結果を受けて第三者検査(食品検査ラボ)を実施し、結果を公表することで信頼回復に努める。
消費者向けの実践アドバイス(すぐできること)
- 子ども・高齢者・妊婦は生や極端にレアな肉を避ける。
- 家庭で牛肉を扱う際は十分に加熱(中心温度75℃で1分)。中心温度計が無ければ包丁で切って色を確認する(中心がピンクのままは危険)。
- 食後に腹痛・血便が出たら早めに医療機関受診・検査を受ける(症状が重い場合は救急へ)。
よくある質問(FAQ)
Q. 「ギャング丼」は絶対に食べてはいけないのか?
A. 報道されている提供方法(内部がほぼ生)であれば、感染リスクが高いため、特に子ども・高齢者・妊婦は避けるべきです。自己責任で提供される場合でも加熱基準を満たしているか確認が必要です。
Q. O157はどのくらいで発症する?
A. 通常、感染後数日(報道事例では1〜5日)で腹痛・下痢が発症することが多いとされています。今回の報告でも1月7〜9日に症状が確認されています。
まとめ
- 事実:1月4日提供のレアステーキ丼が原因と推定され、7人発症・3人からO157検出、10代女性がHUSで重症。県は営業停止処分を実施。
- 問題点:ほぼ生の盛り付け(内部未加熱)、テイクアウト対応、人気店ゆえの大量調理・回転がリスクを拡大。
- 予防策(消費者):赤身でも中心温度75℃1分以上の加熱を意識・子どもや高齢者は生に近い肉を避ける。
- 予防策(飲食店):調理温度管理の徹底・提供方法の見直し(生食志向のメニューは限定提供か中止)・テイクアウト時の温度管理。
- 今後の注目点:保健所の原因究明結果(検査報告)と、店舗側の再発防止措置・行政処分の延長有無。
食の「映え」を狙った演出が原因で人の命に関わる事態になる可能性があることを、事業者は真摯に受け止めるべきです。消費者側も見た目で判断せず、特にリスクの高い層は加熱基準を守ることが重要です。保健所の最終報告を待ち、原因が確定した段階で業界全体で再発防止策を共有することを強く推奨します。
参考・出典:山口県「食中毒の発生について」(2026-01-15)、アロハオレンジ公式告知(2026-01-15)、厚生労働省 O157 Q&A、地域報道各社(TBS/NHK等)。
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