2025年8月8日、雪印メグミルクは2026年3月期の第1四半期(4月~6月)の決算を発表しました。結果は、営業利益が前年同期比で39.7%減の34.7億円と大幅な減益となりました。売上高はほぼ横ばいでしたが、利益面での変動が大きく、注目されています。この記事では、減益の主な要因と今後の見通しについて詳しく解説します。

売上は安定も、営業利益が約40%減少
第1四半期決算の概要
項目 | 金額(億円) | 前年同期比 |
---|---|---|
営業利益 | 34.7 | -39.7% |
経常利益 | 43 | -32.4% |
売上高 | 非公開(ほぼ横ばい) | ほぼ横ばい |
売上高は大きな変化はありませんでしたが、利益が大きく減少したことが特徴です。

2026年3月期第1四半期、営業利益は34.7億円で前年同期比約40%減
営業利益が減少した主な要因
1. 値上げの影響と販売数量の減少
雪印メグミルクは、原材料費の上昇を受けて製品の値上げを実施しました。値上げによって利益は約38億円増加しましたが、その一方で、消費者の購買意欲が低下し、販売数量が減少しました。この販売減少の影響は約16億円のマイナスとなり、利益の減少に繋がりました。
2. 経費の増加
2025年は雪印メグミルクの創業100周年にあたります。この節目を祝うイベントや、ブランド浸透を目的としたプロモーション活動が積極的に行われたため、経費が増加しました。これらの費用も営業利益の圧迫要因となりました。
3. 原材料コストの上昇
乳製品の製造には牛乳をはじめとする原材料が不可欠ですが、世界的な需給バランスの変化やエネルギー価格の上昇により、原材料コストが上昇しています。これにより約10億円のコスト増加が発生し、利益を押し下げました。
業界全体の背景
乳製品業界では、原材料価格の高止まりと消費者の価格感度の高まりが続いています。インフレ環境下での値上げは避けられませんが、消費者の節約志向が強まるため、販売数量の減少が懸念されています。また、競合他社も同様に価格改定を行っており、シェア争いが激化しています。

乳製品業界は原材料価格の高止まりに直面
今後の見通しと注意点
雪印メグミルクは、通期の業績予想を現時点では据え置いています。しかし、第1四半期の減益は今後の業績に影響を与える可能性があり、以下のポイントが注目されています。
- 値上げ効果の持続性
今後も原材料費の上昇が続く中で、値上げがどこまで受け入れられるかが鍵となります。販売数量のさらなる減少には注意が必要です。 - 原材料価格の動向
国際的な需給バランスやエネルギー価格の変動が原材料コストに影響を与え続けるため、経営コストの管理が重要になります。 - 競合他社との競争
新商品開発やブランド戦略によって市場シェアを守りつつ、消費者のニーズに応える工夫が求められます。

値上げの持続性が今後の業績の鍵
まとめ
- 営業利益は34.7億円で前年同期比39.7%減
- 値上げで38億円のプラス効果も、販売数量減で16億円のマイナス
- 原材料コストの上昇で約10億円のマイナス影響
- 100周年記念イベントやプロモーションで経費増
- 通期予想は据え置きも、値上げ効果の持続性と原材料価格が今後のカギ
雪印メグミルクの2026年3月期第1四半期は、営業利益が39.7%減と厳しい結果となりました。値上げによる利益増加はあったものの、販売数量の減少、経費増加、原材料コストの上昇が重なり、利益を押し下げました。業界全体の価格環境や消費者動向を踏まえ、今後の経営戦略と市場対応が注目されます。

値上げ効果はあるが販売数量減少が痛手
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