ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュチーズとは?歴史・味・ペアリングを徹底解説

ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュチーズの断面と青カビの特徴がわかる写真 乳製品
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ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュ(Bleu du Vercors-Sassenage)は、フランス南東部ヴェルコール高原発祥の伝統的な青カビチーズです。AOPにより生産地域と製法が守られ、マイルドでクリーミーな風味が特徴のため、ブルーチーズ初心者にも試しやすい逸品。この記事では、歴史や製造プロセス、味の特徴からワインや料理とのおすすめペアリング、購入・保存のコツ、すぐ作れる簡単レシピまでをわかりやすくまとめます。

1. ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュとは

ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュは牛乳製のブルーチーズで、ヴェルコール高原(フランス南東部)で伝統的に作られています。直径が大きめの円盤状で、熟成後は内部に細い青色のカビが美しく広がります。AOP(原産地呼称保護)により生産地域と製法が保護されており、品質と伝統が保証されています。

特徴(要点)

  • 原料:牛乳(伝統的には特定品種の乳牛のミルクを使用)
  • 外観:白〜灰色の薄い皮膜と内部の青カビ
  • 風味:マイルドでクリーミー、ナッツやキノコのニュアンス
  • 熟成:比較的短期間(数週間〜)で食べごろになるタイプが多い
白かびチーズと青かびチーズが並ぶ海外のチーズ売り場
カマンベールやブルーチーズが並ぶ海外のチーズ売り場

2. 歴史:修道士の時代からAOP認定まで

このチーズの起源は中世に遡ると言われ、山岳地帯の修道院や領主のもとで地元の乳を活用して生まれました。時代を経て地域の伝統食品として定着し、現代ではAOPの名の下でその製造条件と品質が守られています。歴史的背景を押さえることで、なぜこの地域特有の風味が生まれるのか理解しやすくなります。

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3. 製造プロセスのポイント

伝統的な作り方は以下のような流れです(製品・生産者により差があります):

  1. 生乳の選別と温度管理(新鮮な朝夕のミルクを混ぜることが多い)
  2. 凝乳酵素を使ってカード(凝乳)をつくり、切断して乳清を分離
  3. 型詰め・塩漬けを行い、表面に白いモールド(皮)を形成
  4. 穿孔(ピック)して空気を通し、Penicillium roquefortiなどの青カビを内部で育てる
  5. 熟成庫で数週間〜熟成し、風味と食感を整える

ポイントは「穿孔」により内部に酸素を送り込み青カビを発展させる工程と、ミルクの飼料・管理が風味に与える影響です。

4. 味と食感の特徴

ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュは青カビ系としては刺激が穏やかで、以下のような味わいが楽しめます:

  • 口当たりはクリーミーでとろける感覚がある
  • ミルク由来の甘みがあり、ヘーゼルナッツやきのこのような風味が感じられることが多い
  • 塩味は控えめ〜中程度で、バランスが良い

これらの特徴から、ブルーチーズ初心者でも試しやすく、料理素材としての汎用性も高いチーズです。

5. おすすめのペアリング(ワイン・飲み物・料理)

ワイン

  • 甘口ワイン(ソーテルヌ、トカイ):チーズの塩味と甘みが好相性
  • フルボディの赤ワイン(カオールなど):タンニンがある赤と合わせると味わいの対比が楽しめる
  • 辛口の白ワインやシャンパン:酸味で後味をリフレッシュ

その他のドリンク

  • ハチミツ入りのハーブティー:乳の甘みと相性が良い
  • 濃いめの黒ビールやポート:しっかりした飲み物と合わせるのもおすすめ

料理での使い方

  • サラダ:ルッコラやクルミと合わせてクランブル状に
  • ソース:クリームベースのパスタソースやステーキソースに溶かして深みを出す
  • 前菜:蜂蜜とナッツを添えてクラッカーやバゲットと一緒に

実験的に果物(梨、リンゴ)や濃厚なジャムを少量添えてみると、新しい発見があるでしょう。

6. 調理・活用レシピ例(すぐに試せる)

簡単:ブルーチーズのはちみつトースト

材料:バゲット薄切り、ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュ、はちみつ、クルミ。
作り方:バゲットにチーズをのせトースト、仕上げにはちみつと砕いたクルミを散らす。甘塩のバランスが絶妙です。

ソース例:ブルーチーズクリームソース(パスタ用)

材料:生クリーム100ml、ブルーチーズ30〜50g、黒胡椒少々。
作り方:フライパンで生クリームを温め、チーズを溶かし黒胡椒で味を調える。茹でたパスタに和えるだけでリッチな一皿に。

7. 購入と保存のコツ

購入のポイント

  • 専門のチーズショップや信頼できる食材店で購入するのが安心
  • AOP表記や原産地ラベルを確認(本物志向なら重要)
  • ブロックの切り出し面が新鮮で、過度に乾燥していないものを選ぶ

保存方法

  • 冷蔵保存:ラップではなく、チーズ用紙またはアルミホイルで包み、密閉容器に入れると風味を保ちやすい
  • 食べる前に室温に30〜60分戻すと風味が立ちやすい
  • 長期保存は冷凍不可(解凍で風味・食感が損なわれる)

8. よくある質問(FAQ)

Q1: ロックフォールやゴルゴンゾーラとどう違いますか?

A: 比較的マイルドでクリーミーな点が特徴です。ロックフォールは羊乳由来で風味が強く、ゴルゴンゾーラには辛味の強いタイプがあります。

Q2: 初めてのブルーチーズに向いていますか?

A: はい。刺激が穏やかでミルクの甘みが感じられるため、初心者にも試しやすい代表例です。

Q3: どんな料理に合いますか?

A: サラダ、パスタソース、ステーキの仕上げ、デザート感覚ではちみつと合わせるなど、多用途に使えます。

まとめ:まずは少量で試してみよう

  • 起源と保護:ヴェルコール高原の伝統チーズで、AOPにより地域と製法が保護されている。
  • 原材料と製法の特徴:牛乳を原料に穿孔してPenicilliumを内部で育てる工程が風味づくりの鍵。
  • 味の特徴:青カビ系としては刺激が穏やかで、クリーミーかつミルクの甘み・ナッツやキノコの香りが感じられる。
  • ペアリング:甘口ワイン(ソーテルヌ等)やフルボディ赤、辛口白やシャンパン、はちみつ+ナッツとの組合せが特に相性良し。
  • 調理での活用:サラダのクランブル、クリーム系パスタソース、はちみつトーストなど応用範囲が広い。
  • 購入&保存のコツ:AOP表記の確認、専門店での購入推奨。冷蔵保存はチーズ用紙やアルミで包み、食前に室温に戻すと風味が立つ。
  • おすすめアクション:まずは少量を薄切りで試し、はちみつやナッツ、バゲットと合わせて味のバランスを確認してみる。

ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュは、AOPによって守られた伝統あるフランスの青カビチーズ。マイルドな味わいとクリーミーな食感で初心者にも親しみやすく、ワインや料理との相性も幅広いのが魅力です。まずは薄く切ってバゲットやナッツとはちみつと合わせ、風味のバランスを確かめてみてください。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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