【2025年版】黒毛和牛飼育頭数ランキングTOP10|鹿児島が1位の理由を徹底解説

2025年版 黒毛和牛 飼育頭数ランキングTOP10 インフォグラフ|都道府県別(鹿児島1位、宮崎、北海道)を示す棒グラフと黒毛和牛のイラスト 肉牛
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黒毛和牛は日本の和牛の中で高い評価を受ける品種で、国内の飼育頭数は地域ごとに大きな差があります。本記事では、農林水産省の畜産統計(令和5年/2023年)などの公的データを基に、都道府県別の黒毛和牛飼育頭数ランキングTOP10をグラフとともに分かりやすく解説します。鹿児島が首位に立つ理由や主要産地の飼育スタイル、今後の課題と消費者の選び方まで、現場目線でまとめました。

要点

  • 黒毛和牛の飼育は地域差が大きく、上位は鹿児島・宮崎・北海道が中心。
  • 令和5年(2023年)公表の畜産統計が最新の一次データであり、記事内数値はこの公的統計と地域資料を組み合わせて推定しています。
  • 飼養戸数は減少傾向だが、1戸当たりの頭数は増加しており、経営の「規模化」と「ブランド化」が進んでいます。
黒毛和牛の美しい和牛肉と特徴的な黒毛和種の牛
黒毛和牛は和牛の約95%を占め、柔らかく脂ののった肉質で国内外で高く評価されています。

黒毛和牛 都道府県別 飼育頭数ランキング(推定・令和5年ベース)

下表は公的統計やALIC等の公開資料を基に作成した黒毛和牛(黒毛和種)に特化した都道府県別上位10位の概況です。

順位都道府県飼育頭数(概数)全国シェア(目安)地域の特徴
1鹿児島県約330,000〜340,000頭約18〜19%繁殖〜肥育まで一貫。鹿児島黒牛のブランド力が強い。
2宮崎県約220,000〜250,000頭約12〜14%温暖で繁殖効率が高く、宮崎牛で知られる。
3北海道約180,000〜200,000頭約10〜11%大規模放牧・肥育。肉用牛全体では上位。
4熊本県約140,000〜150,000頭約8%飼料生産と連動、地域ブランド有り。
5岡山県約90,000〜100,000頭約5〜6%千屋牛などのブランド、預託飼育も多い。
6兵庫県約70,000〜80,000頭約4〜5%神戸牛の産地。品質重視の少頭数経営が目立つ。
7岩手県約60,000〜70,000頭約3〜4%前沢牛など東北ブランドが強い。
8栃木県約50,000〜60,000頭約3%とちぎ和牛。首都圏近郊で需要が高い。
9青森県約40,000〜50,000頭約2〜3%冷涼気候による安定生育、健康重視の飼育。
10宮城県約30,000〜40,000頭約2%仙台牛など、観光連携で付加価値化。
黒毛和牛の都道府県別全国シェアを示す日本地図と生産量ランキング
黒毛和牛の全国シェアを示す地図。鹿児島や宮崎、北海道など主要産地が上位に。

※出典:農林水産省「畜産統計(令和5年)」、ALIC等の公開資料、各都道府県の畜産資料を基に筆者が集計・概数化。

なぜ鹿児島がトップなのか(現場目線の解説)

鹿児島が黒毛和牛の飼養頭数で突出している理由は複数あります。第一に温暖な気候で年間を通じて繁殖・育成が安定する点、第二に飼料生産や畜産振興のための地域基盤(JAや酪農団体の支援)、第三に長年培われた血統管理やブランド育成の蓄積です。県の公的資料でも「肉用種(黒毛和種)での飼養頭数が最多」と明示されています。

生産側の工夫

  • 繁殖と肥育の分業体制(繁殖は南九州、肥育は本州近郊)
  • 出荷直前の肥育管理で霜降り品質を安定化
  • 地域ブランドとしての販路確保(ギフト・観光連動)
黒毛和牛の都道府県別生産頭数ランキンググラフ|主要産地の比較
黒毛和牛の生産頭数を都道府県別に比較したグラフ。鹿児島や宮崎、北海道が上位を占める。

近年の動向と今後の課題

全国的にみると、飼養戸数は減少する一方で1戸当たりの飼育頭数は増加しており「規模化」が進んでいます。加えて飼料コストの変動、後継者不足、高齢化といった構造的課題が存在します。政策や産業支援、ブランド戦略の強化が今後の鍵です。:

現場で注目すべきポイント

  1. 血統管理と種雄牛の適正配置(高品質維持)
  2. 飼料の地産化・価格変動対策
  3. 観光や地域連携による付加価値創出(直売・体験等)
霜降りが美しい黒毛和牛の高級牛肉
黒毛和牛ならではの極上の霜降り肉。

読者へのおすすめ(購入・選び方のコツ)

黒毛和牛を選ぶ際は「産地表示」と「ブランド認証(県や公的ブランドマーク)」を確認してください。同一の黒毛和牛でも地域ごとに肉質の傾向が違います — 鹿児島は霜降りとコク、北海道は赤身の力強さや安定性が特徴です。実際の選び方は用途(ステーキ/すき焼き等)に合わせると失敗が少ないです。

まとめ

黒毛和牛の飼育頭数は地域性が強く、鹿児島・宮崎・北海道が上位を占める構図が続いています。生産現場は規模化とブランド化を進めながらも、飼料・担い手といった課題に直面しています。消費者は産地や用途に合わせて選ぶことで、地域ごとの味わいや背景を楽しめます。一次データ(農林水産省の畜産統計)を元にした最新数値の確認をおすすめします。

参考・出典:農林水産省「畜産統計(令和5年 確報)」、ALIC(農畜産業振興機構)解説、各都道府県の畜産概要資料等。上記データは公的統計をもとに筆者が集計・要約したものです。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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