BMS(Beef Marbling Score)は、牛肉の「霜降り(サシ)」を数値化した重要な指標です。特に和牛評価では1〜12のBMSスコアが品質の目安となり、A等級などの格付けにも大きく影響します。本記事ではBMSの基礎知識から各スコアの特徴、A5との関係、部位別のおすすめ調理法や購入時のチェックポイントまで、現場視点でわかりやすく解説します。図解や比較表を使って、実際の買い物や調理で役立つ情報をまとめました。
1. BMS(Beef Marbling Score)とは何か
BMSは「霜降り(脂肪交雑)」の見え方を1〜12の数値で評価する指標です。評価は主に枝肉(第6〜7肋骨間の断面)で行われ、脂の入り方(細かさや分布)を基準に点数化されます。数値が大きいほど霜降りが豊富で、一般的に風味や柔らかさが増しますが、好みは人それぞれです。

2. BMS 1〜12 の目安
| BMS | 霜降りの特徴 | おすすめの用途 |
|---|---|---|
| 1–3 | ほとんど赤身。サシはごく僅か。 | ロースト、赤身ステーキ、しゃぶしゃぶ(赤身派) |
| 4–7 | 中程度の霜降り。バランス型。 | サーロインステーキ、焼肉、グリル |
| 8–12 | 高霜降り。脂が細かく入り口で溶ける食感。 | すき焼き、薄切りのしゃぶしゃぶ、軽く炙るステーキ |
補足:数値は目安です。同じBMSでも部位や個体差で印象が変わります。また、A5などの等級はBMSを含む複合評価(脂肪交雑・色沢・脂肪色・締まり)で決まります。
3. A5など等級との関係
肉の格付では「歩留まり(A/B/C)」と「肉質等級(1〜5)」を組み合わせます。A5は歩留まりが良く、肉質等級が最高の5という意味です。肉質等級の判定にはBMS(脂肪交雑)が大きく影響しますが、BMSだけで等級が決まるわけではありません。
4. 部位別の選び方と調理ポイント(実践)

肩ロース・リブロース(脂が乗りやすい)
BMSが高いときは薄切りにしてすき焼きやしゃぶしゃぶ、厚切りならミディアムレアのローストで脂の甘みを活かします。

サーロイン(バランス型)
BMS 4〜7ならステーキで。脂と赤身のバランスが良いので強火で旨味を閉じ込めて焼くのがコツです。

モモ(赤身)
BMSが低くても肉本来の旨味があり、ローストビーフや煮込み料理で力を発揮します。低温調理に適しています。

5. 購入時のチェックポイント(失敗しない買い方)
- 表示ラベル:BMSや等級(A5等)を必ず確認する。
- 部位の用途:用途(すき焼き/ステーキ/焼肉)に合ったBMSを選ぶ。
- 鮮度と保存:冷蔵は短期間、長期保存は冷凍が基本。解凍は冷蔵庫で行う。
- 価格とコスパ:高BMSは旨味が強いが、量を食べる用途ならBMS中位の肉がコスパに優れる場合もある。
6. 健康面の注意点と食べ方のコツ
霜降り(脂肪)はエネルギーが高く、摂取量には配慮が必要です。高BMSの肉は薄切りにして少量を味わう、野菜や酸味のある副菜と合わせるなどの食べ方が取り入れやすいでしょう。調理時は適切な温度管理で脂の甘みを活かすのがポイントです。
7. よくある質問(FAQ)
Q. BMSと「サシ」は同じですか?
A. 日常語ではほぼ同義です。サシは視覚的な霜降り、BMSはそれを数値化した公式基準です。
Q. 「A5=BMS12」ですか?
A. いいえ。A5は総合等級で、BMSはその一要素。A5の範囲にはBMS8〜12が含まれることが多いですが、A5でもBMSは個体差があります。
Q. 焼肉なら何BMSが一番良いですか?
A. 一般的にはBMS4〜7が焼肉では使いやすく、焼き加減で赤身の旨みと脂の甘みを両立できます。
まとめ:あなたに合ったBMSは何か
- BMSは牛肉の霜降りを1〜12で評価する指標で、数値が高いほど脂の入りが豊富。
- A5などの等級はBMSを含む複合評価で、同じ等級でもBMSには差がある。
- 用途別のおすすめは、焼肉ならBMS4〜7、すき焼きや薄切りはBMS8〜12が向く。
- 購入時は「表示ラベル(BMS/等級)・部位・用途」を確認し、保存と解凍方法にも注意。
BMSは「好み」と「用途」で選ぶ指標です。脂の甘さやとろける食感を楽しみたいなら高BMS、赤身の力強い旨味やヘルシーさを重視するなら低〜中BMSを選ぶと満足度が高まります。この記事を基に、次の食事では部位とBMSを合わせて選んでみてください。
参考リンク(例): 日本食肉格付協会、日本の農林水産関連ページ、各精肉店の解説(公開時にURLを明記してください)。
※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告が含まれる場合があります。




コメント