酪農繁殖で押さえるべきホルモンまとめ

スポンサーリンク
酪農繁殖で活用される7つのホルモンの役割と人工授精への応用を図解したイメージ 酪農
スポンサーリンク

繁殖成績を左右するホルモンを理解し、適切に活用することは、効率的な人工授精と安定した受胎率向上に直結します。本記事では、牛繁殖管理で頻出のホルモン――GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)、LH(黄体形成ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)、E2(エストラジオール)、PGF₂α(プロスタグランジン)、P4(プロゲステロン)、hCG(人絨毛性性腺刺激ホルモン)――の基礎知識と実際の使い方をまとめました。

牛さん
牛さん

ホルモンの仕組みを理解すれば、受胎率が変わる!


酪農繁殖に使われる主要ホルモン7種の図解(GnRH・LH・FSH・E2・PGF2α・P4・hCG)

1. GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)

  • 役割:下垂体からLH・FSHの分泌を促進。卵胞の発育・排卵誘起に必須。
  • 現場での応用
    • 発情同期プロトコル(Ovsynch、Double-Ovsynch)のDay 0/Day 11投与により、安定した排卵を誘起
    • 黄体期後半の卵胞優位化を強化し、TAI※成功率アップ
  • 詳細解説GnRHとは?|乳牛の発情同期と人工授精成功率を高める方法
牛さん
牛さん

GnRHの役割=LH・FSHを出させて卵胞を育てる&排卵させる!


2. LH(黄体形成ホルモン)

  • 役割:排卵直前に急増し、卵胞の破裂(排卵)を誘発。黄体形成にも関与。
  • 現場での応用
    • GnRH投与後のLHサージが排卵を確実にし、TAIプログラムの成功率を底上げ
    • 黄体形成不全の改善により、初期胚の着床率向上
  • 詳細解説LH(黄体形成ホルモン)とは?酪農繁殖管理を効率化!
牛さん
牛さん

LHがしっかり出ると、黄体も強くなる=着床しやすい!


3. FSH(卵胞刺激ホルモン)

  • 役割:複数の卵胞発育を促進し、優位卵胞を選択。
  • 現場での応用
    • 同期プロトコル前半での投与による安定した優位卵胞の形成
    • 若齢牛や卵巣機能低下牛の発情不良改善
  • 詳細解説FSHとは?ホルモンを理解して繁殖効率アップ!
牛さん
牛さん

FSHは“卵胞育てる先生”!優等生(=優位卵胞)を選抜!


4. E2(エストラジオール)

  • 役割:発情行動の引き金となるホルモン。子宮環境改善や子宮収縮も促進。
  • 現場での応用
    • 発情促進剤として、発情検知率の向上
    • 人工授精タイミングの精度アップ
  • 詳細解説乳牛繁殖管理に欠かせないエストラジオール(E₂)の基礎知識と活用法
牛さん
牛さん

E₂で“発情サイン”がハッキリ見える!


5. PGF₂α(プロスタグランジンF₂α)

  • 役割:黄体退行を起こし、新たな発情周期を開始。
  • 現場での応用
    • 単独投与による自然発情同期
    • Double-OvsynchのDay 0/Day 9/Day 10投与で同期精度向上
    • 分娩遅延牛への誘起投与
  • 注意点
    • 流産リスクを避けるため、分娩間近の牛は個体識別と管理を徹底
  • 詳細解説プロスタグランジン(PGF₂α)とは?酪農における活用法と効果を徹底解説
牛さん
牛さん

PGF₂αで“リセット”!黄体を退行させて新たな発情周期へ!


6. P4(プロゲステロン)

  • 役割:黄体ホルモンとして子宮内膜を着床適地に維持。発情抑制効果も。
  • 現場での応用
    • CIDR(プロゲステロン腟内挿入剤)で発情同期や微弱発情の管理
    • 黄体機能不全牛の受胎率向上
  • 詳細解説プロジェステロン(P4)の基礎と応用|乳牛繁殖管理の鍵
牛さん
牛さん

P4で微弱発情をコントロール。見逃し減でAI成功率アップ!


7. hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)

  • 役割:LH様活性を持ち、排卵誘起・黄体支持に作用。
  • 現場での応用
    • 3回目以降の人工授精で受胎率が低下した牛への補助
    • 黄体機能強化による初期妊娠維持
  • コスト注意
    • 高価なため、乱用を避け、効果不足例に集中的に投与
  • 詳細解説hCGの活用法を徹底解説!牛の発情管理と受胎率向上の実践ガイド
牛さん
牛さん

黄体不全の疑い牛にはhCGでフォロー!


まとめと実践ポイント

  1. プロトコルを組み合わせる
    • Ovsynch/Double-OvsynchにPGF₂α×2+GnRH投与を組み込む
  2. 個体ごとの反応をモニタリング
    • P4測定や発情行動観察で、投与タイミングを最適化
  3. コストと効果のバランス
    • hCGは限定的に、高価な薬剤を有効活用

これら7大ホルモンの正しい役割とタイミングを押さえ、現場の繁殖管理に応用すれば、効率的なAI(人工授精)運用と高い受胎率が期待できます。ぜひ自牧場の状況に合わせてプロトコルをカスタマイズし、実践してみてください

牛さん
牛さん

牧場に合わせたカスタマイズが高い受胎率を生む!

この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

毎日牛乳1L飲んでます!

みやむーをフォローする
酪農酪農基礎講座
スポンサーリンク
みやむーをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました