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乳牛の繁殖管理に欠かせないホルモン「エストラジオール(E₂)」。聞きなれない名前でも、その役割を正しく理解すれば、発情周期の見極めから人工授精(AI)の成功率アップまで、現場で大きな成果を生み出します。本記事ではエストラジオールについて詳しく解説します。

エストラジオールを理解すれば、繁殖管理がもっと効率的に!
1. エストロジェンって何?
- エストロジェン(Estrogen) は、発情ホルモンの総称。
- 主な種類は:
- エストラジオール(E₂):卵胞から分泌、生物活性が最も高い
- エストロン(E₁):卵巣・副腎皮質で分泌、閉経後にも働く
- エストリオール(E₃):胎盤から分泌、妊娠中の指標
このうち、乳牛繁殖管理では**エストラジオール(E₂)**が主役。次節で詳しく見ていきましょう。

💡 エストロジェンって?
発情ホルモンの総称で、特に乳牛繁殖管理ではエストラジオール(E₂)が重要!

2. エストラジオール(E₂)の基礎知識
項目 | 内容 |
---|---|
分泌場所 | 卵巣の卵胞 |
生物活性 | エストロジェン中で最も高い |
主な作用 | 発情行動誘発、排卵促進、子宮内膜のリモデリング |
代表的利用法 | CIDR+E₂投与、Heatsynchなどの同期化プロトコル(TAI) |
キーワード: エストラジオール、乳牛繁殖、発情周期

乳牛繁殖のカギはエストラジオール!発情誘発や排卵促進をしっかりサポート!
3. 発情周期におけるE₂の働き
乳牛の発情周期は約21日。エストラジオールがどのようにサイクルをコントロールするかをステージごとに見ていきます。
3.1 プロエストルス期
- 卵胞成熟フェーズ
- E₂分泌↑ → LHサージ誘発 → 排卵準備
- 発情行動の種火にあたる

E₂が増加し、LHサージを誘発!繁殖効率を高める管理が重要!
3.2 エストルス期
- 発情サインが最も顕著に出る期間(12~16時間)
- E₂が閾値到達 → 乗駕行動、雄牛への接近、外陰部の発赤・腫脹など

エストルス期ではE₂が最大!発情行動が最も顕著に現れるタイミング!
3.3 メタエストルス期
- 排卵後、黄体形成フェーズ
- プロゲステロン↑ → 次のE₂作用をブロック

プロゲステロン↑で次のE₂作用を抑制!繁殖管理では黄体形成を見逃すな!
3.4 ジエストルス期
- 黄体期:プロゲステロン主役
- 次のサイクルへの準備

プロゲステロンが優位に働く時期!妊娠維持か次周期準備かを見極めよう!
黄体の性質
妊娠している場合は黄体が維持、妊娠しなかった場合は黄体が退行します。
E₂の性質
閾値を超えると確実に発情が誘発。閾値前後の濃度変化はほとんど影響せず、閾値到達がカギです。
4. E₂を活用した同期化プロトコルの実例
発情を同期させて一斉にTAI(定時人工授精)を行うことで、効率的な繁殖管理が可能に。代表的なプロトコルを紹介します。
4.1 CIDR+E₂(P₄膣挿入器+E₂)
- Day 0:CIDR装着+E₂ベンゾアート投与
- Day 7:CIDR除去+E₂シピオン酸投与
- 56~60時間後にAI
→ 妊娠率 OR 1.25~1.30(メタアナリシス結果)
4.2 Heatsynchプロトコル
- P₄デバイス+PGF₂α注射
- E₂投与で卵胞発現誘導
- デバイス除去後に再度E₂投与
- 定時AI
→ 人工授精・胚移植プログラムでOR 1.2~1.3向上
5. 現場で押さえるポイントと注意点
- 牛種・管理方法で効果差:肉牛 vs 乳牛、ストレス管理など
- プロゲステロンとのバランス:高P₄下ではE₂効果減弱、無声排卵に注意
- 投与量の最適化:1~3 mgでOR 1.13–1.70の範囲
- ストレス要因:高環境ストレスやACTH注射は発情表現を抑制

牛種、管理法、ホルモンバランス、ストレス要因をしっかり押さえて繁殖成功率を高めよう!
6. まとめ:E₂で効率的な繁殖管理を!
- **エストラジオール(E₂)**は乳牛繁殖のキーホルモン。
- 閾値到達が発情誘発のカギであり、同期化プロトコルで高い妊娠率を実現。
- 投与タイミング・量、プロゲステロンとのバランス管理が成功のポイント。
これらの知見をもとに、あなたの牧場でもE₂を活用した効率的な繁殖管理を始めましょう!疑問や実践レポートはコメント欄へお気軽にどうぞ。

発情誘発のカギはエストラジオール!効率的な繁殖管理で妊娠率アップを目指そう!
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