フランスのチーズ食中毒:リステリア菌で21件・2人死亡、約40種回収・日本への影響は?

フランス産ソフトチーズ回収 リステリア菌感染警告 乳製品
スポンサーリンク

要点:2025年夏、フランスでリステリア菌(Listeria monocytogenes)による感染が報告され、全国で21件の感染者が確認され、そのうち2人が死亡しました。保健当局は疫学調査の結果、中央フランスの乳製品メーカー(Chavegrand/シャヴグラン)の一部ソフトチーズ製品が関連している可能性があるとして、対象商品を回収しています。

事件の経緯(概略)

フランス公衆衛生当局は6月ごろから疑わしい症例の把握を始め、疫学調査の結果、患者の多くがシャヴグラン社が旧生産ラインで製造したソフトチーズを摂取していたことがわかりました。対象のチーズはカマンベールやブリーなど白カビ系・軟質系が中心で、国内外に流通していたため大規模な回収が行われています。Chavegrandは問題の旧ラインを閉鎖し、現在の製品は安全であると説明しています。

白かびチーズと青かびチーズが並ぶ海外のチーズ売り場
カマンベールやブルーチーズが並ぶ海外のチーズ売り場

回収対象と流通範囲

報道では「約40種類」に上るソフトチーズが回収対象として挙げられており、Carrefour、Leclerc、Auchan、Lidlなど大手スーパーで取り扱われていた製品も含まれます。回収対象製品は一部海外にも輸出され、シンガポールやチェコなどでも関連製品の回収・通達が出されています。

分類主な製品例備考
ソフトチーズ(白カビ)カマンベール、ブリー冷蔵流通。2025年8月9日まで販売のロットなどが対象
フレッシュ系(クリームチーズ)一部クリームチーズ製品メーカー発表に基づく回収
ヤギ乳製品小型のブシェットなど輸出先での回収通知あり

日本への影響(輸入品の回収)

日本でも輸入販売元を通じた自主回収が発表されています。スーパー成城石井は2025年8月15日に「カマンベール ロイヤルファルコン」を含む該当ロットの自主回収を発表し、購入者へ返金対応を案内しました。輸入・販売されたロットを確認のうえ、該当製品は摂取を中止し販売店に相談してください。

リステリア菌(Listeria monocytogenes)とは? 症状とリスク

リステリアは自然界に広く存在する細菌で、加熱不足の食品や汚染された乳製品を介して人に感染します。症状は発熱、筋肉痛、吐き気、下痢などで、重症化すると敗血症や髄膜炎を引き起こします。特に妊婦・高齢者・免疫抑制状態の人は重症化リスクが高く、妊婦の場合は流産や死産、新生児感染のリスクがあるため注意が必要です。潜伏期間は数日〜数週間(長い場合は数か月に及ぶこともあります)。詳細はWHOや各国保健機関の案内を参照してください。

注意(高リスク群): 妊婦・高齢者・免疫力が低下している方は、今回の報道を受けて家族やかかりつけ医と相談のうえ、非加熱のナチュラルチーズ(特に回収対象の製品)は避けることを強く推奨します。

感染が疑われる場合の対応

  1. 該当製品を食べた場合、まずは症状の有無を確認します(発熱・筋肉痛・胃腸症状など)。
  2. 妊婦、高齢者、免疫抑制状態の方は症状がなくても医療機関に相談してください。診断は血液培養などで行われます。
  3. 軽度の胃腸症状でも心配な場合は受診を。重症化(強い頭痛・意識障害・高熱など)は直ちに救急医療を受けてください。

安全にチーズを楽しむためのポイント(消費者向け)

  • 高リスク群は「非加熱のナチュラルチーズ」を避ける。代わりに過熱済み(加熱すれば安全性は高まる)か、加熱調理してから食べる。
  • 冷蔵庫内でもリステリアは増殖するため、表示された賞味期限や保存方法を守る。
  • 回収情報は販売店・厚生労働省・輸入者の告知を確認。該当製品は廃棄または販売店で返金対応にする。
  • 食品を扱う際は手洗い、まな板・包丁の洗浄を徹底する。

メディアとSNSでの反応

国際報道では事件の深刻性(死亡者の発生、広範囲な回収)を伝える報道が中心です。SNSでは回収告知の拡散や妊婦・高齢者への注意喚起が目立ち、輸入品を扱う小売り店へ問い合わせが相次いでいます。信頼できる公式情報(保健当局や販売店の告知)を優先して確認してください。

過去の類似事例と教訓

フランスでは過去にも生乳やナチュラルチーズ由来の食中毒(大腸菌・リステリア等)が報告されており、今回の件は食品安全管理の重要性を改めて示すものです。食品事業者は設備の管理・ラインの衛生管理、出荷前検査の厳格化が求められます。一方、消費者側も高リスク製品の理解と適切な取り扱い(ラベル確認・加熱)を徹底することが被害抑止につながります。

参考(回収・問い合わせ先の例)

購入店・輸入元の発表に従ってください。日本での回収問い合わせ例:成城石井お客様相談室(フリーダイヤル:0120-141-565、受付平日10:00〜17:00)。該当製品の返金対応等が案内されています。

まとめ

  • 発生概要:フランスでリステリア菌による感染21件、2人死亡、原因と推定されるソフトチーズが確認。
  • 回収範囲:約40種類のソフトチーズ(カマンベール、ブリー等)が対象。国内外で流通した製品が含まれる。
  • 日本の影響:輸入販売された製品が自主回収に(店舗での返金対応など)。購入した場合はラベルと販売店告知を確認。
  • 症状とハイリスク群:発熱・筋肉痛・嘔吐・下痢。妊婦・高齢者・免疫低下者は重症化リスク高。妊婦は特に注意。
  • 消費者行動:該当製品は摂取中止・販売店に連絡、回収情報は公式発表を優先して確認。高リスク群は非加熱チーズを避け、加熱するなどの対策を。
  • 教訓:食品事業者の衛生管理と消費者のラベル確認・保管管理が重要。公式情報を基に冷静に対応を。

フランスの今回の事例では、21件の感染と2人の死亡が確認され、ソフトチーズを中心に多数の製品が回収対象となっています。高リスク群(妊婦・高齢者・免疫抑制者)は特に注意し、該当製品は摂取をやめ、販売店の案内に従って対応してください。加熱やラベル確認、保管温度管理など基本の食品衛生が重要です。

出典(主要):
・Reuters「France recalls soft cheeses after two suspected deaths from listeriosis」(報道).
・Euronews「France recalls soft cheeses after two people die in food poisoning outbreak」(報道).
・Food Safety News / Food-Safety.com(感染者数・死亡者の報道まとめ).
・成城石井「商品に関するお詫びとお知らせ(回収案内)」および日本の回収情報一覧(消費者庁).
・WHO「Listeriosis(リステリア症)ファクトシート」(症状・ハイリスク群).

※本記事は公開時点の情報に基づき作成しています。回収対象ロット・対象製品は各販売店・保健当局の最新発表を必ずご確認ください。

※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告が含まれる場合があります。

この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

みやむーをフォローする
スポンサーリンク
乳製品酪農酪農NEWS
みやむーをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました