2025年12月19日、木原稔官房長官が熊本県産のカフェオレを会見で一気に飲み干し、冬場の牛乳消費拡大を呼びかけました。公式動画とともに拡散されたこのPR発言を受け、今回は「牛乳は免疫を支えるのか」という科学的側面と、過去の類似発言との違いを専門的に整理します。
会見での要点
- 木原官房長官は会見でカフェオレを試飲し、「ほどよく甘くてミルク感たっぷり」とコメントしました。
- 「牛乳には免疫機能を支える栄養成分が含まれている。寒い冬にこそ飲んでほしい」と消費拡大を呼びかけました。首相官邸の投稿にも同趣旨が示されています。:
- 会見場には地域産品や「牛乳でスマイルプロジェクト」のバナーが設置され、らくのうマザーズなどの製品が紹介されました。地元紙も今回のPRを報じています。
2025年12月19日|木原官房長官の発言とパフォーマンス詳細
会見での主な発言
- 「ほどよく甘くて、ミルク感たっぷり。とてもおいしい」
- 「牛乳には免疫機能を支える栄養成分が含まれている」
- 「寒い冬にこそ、たくさん飲んで料理にも活用してほしい」
会見机には牛乳製品が並べられ、牛のぬいぐるみや 「牛乳でスマイルプロジェクト」のバナーも設置。 熊本県の酪農ブランド「らくのうマザーズ」のカフェオレを ゴクゴク飲み干す様子が動画で公開され、好印象を持つ視聴者が多く見られました。
背景:『牛乳でスマイルプロジェクト』と冬季消費の課題
「牛乳でスマイルプロジェクト」は農林水産省と一般社団法人J-Milkが主導する消費拡大キャンペーンで、冬季(11〜2月)に牛乳消費が落ち込みやすい事情を受けて官民で取り組んでいます。会見のPRはこの政策フレームの一部と考えられます。

専門家視点:牛乳と「免疫」の関係をどう読むか
栄養学的に言えること
牛乳・乳製品は良質なたんぱく質、カルシウム、ビタミンA・B群・Dなどを含み、これらはいずれも健康な体の維持に寄与します。たんぱく質は免疫の構成要素である抗体や免疫細胞の材料になるため、栄養状態を整えるという意味で「免疫機能を支える」役割が期待できます。J-Milkや農林水産省の資料でも、乳製品が栄養供給の一助である点が説明されています。
しかし「飲めば免疫力が劇的に上がる」は誤解を招く
重要なのは「牛乳だけで免疫が劇的に高まる」という短絡的な受け取り方を避けることです。栄養は総合的に影響するため、牛乳はあくまでバランスの良い食事の一部として位置づけられます。
過去の菅義偉氏の発言との違い|なぜ今回は炎上しにくいのか
2020年、菅義偉氏(当時官房長官)は、 コロナ禍の牛乳余り対策として 「毎日牛乳を飲むことで免疫力が高まるという専門家の意見もある」 と発言しました。
この発言は科学的根拠が弱いとして批判を受け、 ネット上で大きな議論を呼びました。
今回の木原発言との違い
- 「免疫力が高まる」→「免疫機能を支える」
- 断定的表現を避け、穏やかな言い回し
- 栄養面の一般的説明にとどめている
この表現の違いが、今回大きな炎上に発展していない要因と考えられます。
現場目線での実務的示唆(酪農支援・消費対策)
- 短期:会見動画や写真を活用したSNS発信で地域ブランド(熊本)を強化すること。
- 中期:学校給食や地域イベントでの試飲・レシピ提供で冬季需要を喚起すること。
- 長期:供給側(酪農家)の販路多様化と加工品の付加価値化に注力すること。
SNSの反応|好意的な声が多数
X(旧Twitter)では、以下のような反応が目立ちました。
- 「酪農家応援ありがとう」
- 「普通においしそう」
- 「ミルク感たっぷりは正義」
首相官邸公式ポストは5,000件以上の「いいね」を獲得し、 批判的な意見はごく少数にとどまっています。
よくあるQ&A(読者向け短答)
Q:毎日牛乳を飲めば風邪をひきにくくなりますか?
A:牛乳は栄養補助になりますが、免疫の鍵は睡眠・運動・バランスの良い食事です。牛乳単独での「予防効果」は限定的です。
Q:子どもや高齢者におすすめですか?
A:成長期や高齢期には必要な栄養素を補いやすい食品ですが、乳アレルギーや乳糖不耐症の方は無理に勧めないでください。
参考ソース
- 首相官邸:閣議後記者会見(2025年12月19日)。
- 首相官邸公式SNS(会見ダイジェスト投稿)。
- 会見映像(YouTube)。
- 「牛乳でスマイルプロジェクト」ポータル(J-Milk / 農林水産省)。
- 地元報道(熊本日日新聞などの報道)。
執筆者注:本稿は公開された会見映像・公式投稿およびJ-Milk/農水省の公表資料をもとに酪農家視点で解説しています。報道・動画は原典を参照ください。
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