日本の酪農は、千葉県南房総市と鴨川市にまたがる嶺岡牧で始まりました。江戸時代の享保13年(1728年)、8代将軍・徳川吉宗がインド原産のセブー種白牛を導入し、「白牛酪」と呼ばれる乳製品を生産。その後、明治以降の技術導入と全国展開を経て、現代の日本酪農が形づくられました。本記事では、嶺岡牧の歴史的背景から見どころ、地域文化までをわかりやすくご紹介します。

日本酪農のルーツは江戸時代の嶺岡牧にあった!
嶺岡牧──日本酪農のルーツ
日本の酪農は、千葉県南房総市と鴨川市にまたがる嶺岡牧(みねおかまき)から始まったとされています。平安時代には馬の放牧地として利用され、江戸時代になると8代将軍・徳川吉宗(享保13年/1728年)によってインド産の白牛(セブー種)が導入され、「白牛酪(はくぎゅうらく)」と呼ばれる乳製品の生産がスタートしました。
- 所在地:千葉県南房総市大井686
- アクセス:JR内房線・館山駅から路線バス80分
- 開園時間:9:30〜16:30(最終入園16:00)
嶺岡牧は昭和38年(1963年)に「日本酪農発祥の地」として県史跡に指定。現在は「千葉県酪農のさと」として公開され、乳牛観察や酪農資料館、ふれあい動物広場を通じて、古くから続く乳業文化を体験できます。

嶺岡牧は日本酪農の発祥地!歴史が詰まった貴重なスポット
1. 嶺岡牧の歴史的背景
1-1. 平安~戦国時代:牧場の原点
- 平安時代:貴族の供給用に馬を放牧
- 鎌倉・戦国時代:里見氏(安房国守)が軍馬生産の拠点とした
1-2. 江戸時代:白牛酪の誕生
8代将軍・徳川吉宗がセブー種を導入し、薬用や強壮剤として乳製品を製造。初期は一般消費ではなく、医療・薬用として利用されました。

嶺岡牧は平安時代から続く歴史ある牧場の原点!
2. 明治以降の近代化と全国展開
2-1. 外国技術の導入
- 1863年:白子町の前田隆吉がオランダで酪農技術を学び、横浜で牛乳生産を開始
- 1876年:北海道・根室の東浦牧場で西洋式酪農を導入
2-2. 粉乳・練乳の普及
大正期には乳児死亡率の低下を目的に粉乳生産が拡大。昭和に入ると学校給食での牛乳提供が義務化され、全国的な乳業産業の発展が加速しました。
3. 嶺岡牧(千葉県酪農のさと)の見どころ
3-1. 酪農資料館
歴史資料や写真パネルで嶺岡牧の変遷を学べる展示。江戸時代の乳製品製造道具や、白牛の系統図も必見です。
3-2. 白牛観察エリア
現在も飼育されている希少なセブー種の白牛を間近で観察。穏やかな表情と純白の毛並みが魅力です。
3-3. ふれあい動物広場
ヤギや子牛に餌やり体験ができ、家族連れにも人気。搾乳体験イベント(※要予約)も不定期開催しています。
3-4. 自然とグルメ
園内を流れる丸山川の親水公園では、川遊びや散策が楽しめます。売店では地元の牛乳を使ったソフトクリームや、郷土料理「チッコカタメターノ」をアレンジした自然薯丼が味わえます。

地元牛乳のソフトクリームや自然薯丼でグルメも満喫!
4. 嶺岡牧から学ぶ地域文化と未来
- チッコカタメターノの文化:出産後の初乳を使った郷土料理は約300種類。酢や薬味で味わう多彩なレシピが伝承されています。
- 地域振興の柱:観光と酪農を融合させた「酪農のさと」は、地域経済に貢献。地元協同組合によるブランド牛乳「ちかばの牛乳」も好評です。
- 未来への取り組み:環境保全型酪農や、ICTを活用した乳牛モニタリングなど、次世代の酪農技術が実証実験中です。

『酪農のさと』は地域振興の重要拠点!
5. 訪問時のポイントとリンク集

搾乳体験やガイドツアーは事前予約が安心
結論
- 発祥地の由来:平安〜戦国時代の牧場跡地に、徳川吉宗が1728年にセブー種白牛を導入。
- 近代化の流れ:明治以降、外国技術・乳製品の普及で全国展開。学校給食義務化がさらに後押し。
- 現在の魅力:「千葉県酪農のさと」として資料館やふれあい広場を整備。歴史体験と観光が両立。
- 地域文化:初乳を使った「チッコカタメターノ」など、約300種の郷土料理が伝承。
- 訪問ポイント:アクセスは館山駅からバス80分。搾乳体験やガイドツアーは公式サイトで要予約。
嶺岡牧は、日本酪農の原点としてだけでなく、地域文化・食文化の宝庫でもあります。徳川吉宗による白牛導入から始まった物語を辿り、現代の先端技術までを体験できるこの地は新たな発見をもたらしてくれるでしょう。千葉の豊かな自然とともに、日本の食と農業の歴史に触れる旅へ、ぜひ足を運んでみてください。

日本酪農の原点、嶺岡牧の歴史が深い!
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