プロスタグランジン(PGF₂α)とは?酪農における活用法と効果を徹底解説

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酪農におけるプロスタグランジン(PGF₂α)の役割と活用法を解説する図解 酪農
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乳用牛の繁殖管理を効率化し、経済的利益を最大化するために欠かせないホルモンが「プロスタグランジン(PG)」です。特にプロスタグランジンF₂α(PGF₂α)の活用法を理解することで、発情同期分娩誘起を安全かつ確実に行えます。この記事では、PGF₂αの基礎知識から、現場で使われる「ダブルオブシンク手順」、さらに分娩予定遅延牛への投与実例まで、わかりやすく解説します。

牛さん
牛さん

プロスタグランジンF₂αを理解して、経済的利益を最大化しよう!


プロスタグランジン(PG)とは?

  • 生理活性物質:子宮内膜などで自然に産生されるホルモンの一種
  • 主な作用
    1. 黄体退行
      • 黄体(corpus luteum)の機能を停止し、プロゲステロン分泌を減少
      • 新たな発情周期をスタートさせる
    2. 子宮収縮
      • 出産時の陣痛発来を誘発
      • 繁殖障害(子宮内膜炎など)の治療にも寄与

キーワード:プロスタグランジン 酪農、PGF₂α、牛 繁殖管理

牛さん
牛さん

PGF₂αは牛の発情同期や子宮疾患治療に使われる重要ホルモン!


酪農での具体的な利用方法

発情同期:ダブルオブシンク手順(定時人工授精:TAI)

Ovsynchプロトコルを発展させた「ダブルオブシンク」は、発情を高精度に同期させる方法です。当牧場での具体的な手順は以下の通り。

  1. Day 0:PGF₂α投与
    • 黄体退行を開始
  2. Day 2:GnRH投与
    • 新規卵胞の優位化
  3. Day 9:PGF₂α投与
    • 再度黄体退行
  4. Day 10:PGF₂α再投与
    • 同期精度をさらに向上
  5. Day 11 18:00:GnRH投与
    • 排卵誘起
  6. Day 12:定時人工授精(TAI)
    • 予め決めた時刻に一斉AIを実施

ポイント:PGF₂αは流産リスクを伴うため、投与対象の牛は個体識別を徹底し、投薬ミスを防ぎましょう。

ダブルオブシンクの日程
牛さん
牛さん

PGF₂αは流産リスクも。個体識別を徹底し安全管理を心がけよう!

分娩誘起

分娩予定が1週間以上遅れた牛には、子牛の肥大化や難産リスクを抑えるためにPGF₂αを投与して分娩を誘起します。

  • タイミング:予定日から7日以上経過
  • 効果:子宮収縮を促し、陣痛発来を誘発

現場の工夫:分娩監視を強化し、異常があれば即座に獣医師と連携。

牛さん
牛さん

子宮収縮を促し、陣痛を誘発。難産リスク軽減に繋がる!


プロスタグランジン(PGF₂α)の役割を示す酪農用図解

メリットと注意点

分類メリット注意点
発情同期– AI成功率向上
– 出産間隔短縮
– 労力削減
– 黄体がないと無効
– 個体差あり
分娩誘起– 難産リスク軽減
– 子牛淘汰率低下
– 胎盤残存リスク
– 母体への負担
繁殖障害治療– 子宮内の異物排出促進
– 子宮involutionの促進
– 投与タイミングが重要
– PGE₂併用時の相互作用に留意

メリット強調:出産後14–28日目に単回PGF₂α投与すると、初回授精妊娠率が約68%に向上(対照群43%)という報告もあります。

牛さん
牛さん

発情同期・分娩誘起・繁殖障害治療の3つが中心!


実践的なポイント:初心者でも失敗しないコツ

  1. 個体識別の徹底
    • 耳標を確実に管理
  2. 投与スケジュールの明確化
    • カレンダーや専用アプリで日付・時刻を管理
  3. 獣医師との連携
    • プロトコル設計や緊急時の対応を要相談
  4. 記録の保管
    • 投薬履歴、繁殖成績、分娩記録をデータベース化
  5. 教育と共有
    • 新人スタッフ向けにマニュアル・動画を作成、定期的な勉強会を開催
牛さん
牛さん

個体識別・スケジュール管理・獣医師連携を徹底して、失敗を防ごう!


まとめと今後の展望

プロスタグランジンF₂αは、酪農における発情同期分娩誘起の要となるホルモンです。適切なプロトコル設計とリスク管理を行えば、繁殖効率の向上や労力削減、経済的利益の拡大が期待できます。今後は、個体差や副作用のさらなる軽減策を研究し、より安全・確実な繁殖管理手法を確立することが課題です。

初心者の方も、まずは本記事の内容をもとに獣医師と相談しながら少しずつ導入してみてください。発情同期や分娩誘起を取り入れることで、あなたの牧場経営にも新たな可能性が広がるでしょう。

牛さん
牛さん

発情同期と分娩誘起の要!適切な活用で繁殖効率アップ!

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

毎日牛乳1L飲んでます!

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