体細胞数(SCC)とは?改善メリット・分布・対策まとめ

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体細胞数(Somatic Cell Count:SCC)は、酪農における乳質管理と牛の健康評価の要となる指標です。

牛さん
牛さん

SCCが乳質にどう影響するのか、気になる…この指標を理解すれば、もっと効率的に牛を健康に保てるかも!


体細胞数(SCC)とは?

  • 定義:牛乳1mL中の体細胞(主に白血球と乳腺上皮細胞)数。
  • 役割:乳房炎(臨床性・潜伏性)の有無を示すバロメーター。
  • 判定基準:低いほど健康・高品質、逆に高いほど感染リスクや乳質低下の可能性あり。

ポイント:SCCが200,000cells/mLを超えると潜伏性乳房炎リスクが上昇し、300,000cells/mL以上では重篤化の恐れがあります。

牛さん
牛さん

SCCが高くなると、乳房炎のリスクがぐっと上がる。300,000cells/mL以上だと重篤化も…早期発見と対策がカギだ!

1. 乳質の指標

  • SCCの低さは、健康な乳腺を示し、乳質が良好であることを意味します。
  • 高いSCCは、乳腺炎などの感染症の兆候を示し、乳の品質が低下する原因となります。
牛さん
牛さん

SCCが低いと、乳腺が健康で乳質も良好ってこと!逆に高いと、乳房炎や感染の兆候かもしれないから要注意だね。


2. 牛の健康評価

  • SCCが高い場合、牛の免疫反応が活発に働いている証拠です。これは、乳房炎や他の感染症のサインとなることが多いです。
  • 定期的なSCC測定は、感染症を早期に発見し、対策を講じるために重要です。
犬さん
犬さん

SCCが高いのは、牛の免疫が反応してる証拠。でも、感染症を防ぐために早期の対応が大切なんだ。


3. 経済的影響

  • 乳質が低下すると、乳製品の品質が悪化し、出荷制限や廃棄が必要になることもあります。
  • 高いSCCは、乳の出荷価格に影響を与える可能性があるため、経済的にも重大な問題となり得ます。
犬さん
犬さん

乳質が低下すると、品質が悪化して出荷制限がかかることもある。これが経済的な損失につながるんだ。


4. 管理方法

  • SCCを低く保つためには、牛の健康管理が欠かせません。乳腺炎の予防や治療、飼料や環境管理、搾乳方法などが重要です。
  • 定期的なSCCチェックとデータ分析により、問題を早期に発見し、最適な対策を取ることができます。
牛さん
牛さん

搾乳方法にも気をつけるべきですね。正しい方法で搾らないと、乳腺炎を引き起こす原因になりかねない。

地域別の基準値(cells/mL)

地域基準値評価方法
EU、カナダ、NZ、AU、CH400,0003か月幾何平均、月1回測定
米国(大部分)750,000Grade A乳規格
米国(厳格基準州)400,000ワシントン州など
ブラジル1,000,000比較的高許容
和牛さん
和牛さん

国によってSCCの基準が異なるんだ。EUやカナダ、ニュージーランドなどは、400,000 cells/mLを基準にしているよ。


SCC改善の意義:4つのメリット

  1. 高品質生乳の生産:美味しさと保存性が向上し、乳価アップや販路拡大に直結。
  2. 生産寿命の延長:乳房炎による早期淘汰を防ぎ、長期的に安定した収益を確保。
  3. 乳量損失の削減:高SCC時の泌乳量低下を抑制し、本来の乳量を維持。
  4. コスト削減:治療費・労働コストの減少と、廃棄乳のロスを最小化。
牛さん
牛さん

治療費や労働コストが減り、廃棄乳のロスも最小限に抑えられるから、経済的にも大きな効果があるよ!


SCCの分布と統計的特徴

SCCは正規分布ではなく、対数分布に近い「歪んだ」分布を示します。

  • 平均 vs 中央値:例)2017年北海道の検定日では平均232,000cells/mL、中央値58,000cells/mL。
  • 分類割合:  – 健康牛:<100,000cells/mL
      – 要注意牛:100,000–283,000cells/mL
      – 要診断牛:>283,000cells/mL(約15.5%)
犬さん
犬さん

SCCが100,000cells/mL未満の牛は健康な状態だけど、100,000–283,000cells/mLだと要注意だよ。283,000cells/mLを超えると、要診断が必要になるから注意が必要だね。

活用方法

  • 個体特定:リニアスコア(対数変換値)で高SCC牛を早期発見し、軟膏による治療を実施。
  • 群管理:健康・要注意・要診断の三区分比率を把握し、牛群全体の健康リスクを評価。
牛さん
牛さん

リニアスコア(対数変換値)を使って、高SCC牛を早期に発見することができるよ。発見したら、早めに軟膏治療をして、乳房炎の悪化を防ぐんだ。


乳房炎の種類と対策

種類特性・影響主な対策
黄色ブドウ球菌 (SA)伝染性・慢性化しやすい乳頭ケア強化、分娩前後の衛生管理
レンサ球菌 (SAG)高SCC誘発・伝染性抗生物質治療、乾乳期予防投与
マイコプラズマ伝染性・治療法限定的早期隔離、淘汰検討
環境性ブドウ球菌 (CNS)軽度感染・環境汚染由来屠舎床・敷料の清潔維持
環境性レンサ球菌 (OS)敷料汚染で増殖敷料交換、環境乾燥化
大腸菌群 (CO)重症化リスク高、死亡例あり即時隔離・対症療法、環境衛生強化

ポイント:原因菌ごとに予防・治療戦略を分けることで、SCC低減効率がアップ。

犬さん
犬さん

黄色ブドウ球菌は伝染性が強く、慢性化しやすいから、分娩前後の衛生管理と乳頭ケアを徹底することが大切だよ。感染拡大を防ぐには早期の対策が鍵!


SCC低減のための基本対策

  1. 衛生管理:搾乳機器・乳頭の洗浄消毒、牛房・寝床の清潔維持
  2. 栄養管理:免疫力強化のための飼料設計、ビタミン・ミネラル配合最適化
  3. 早期検出・対応:月1回のSCC測定、異常値発生時は即隔離と診療連携
  4. 測定技術:自動計数機、CMT・PortaSCCによる現場迅速検査
牛さん
牛さん

SCC低減には、まず衛生管理が基本!搾乳機器や乳頭の洗浄消毒を徹底し、牛房や寝床を常に清潔に保つことが大切だよ。


よくある質問(FAQ)

Q1. SCC 20万cells/mL以下のメリットは?
→ 感染リスクが低く、品質・量ともに安定します。

Q2. リニアスコアって何?
→ SCCを対数変換した値で、統計解析や異常検出に用いる指標です。

Q3. DSCC(差別的SCC)とは?
→ 白血球種類ごとの比率を分析し、感染源特定や予防精度を高める最新手法。


まとめ

体細胞数(SCC)は乳房炎予防、乳質向上、生産寿命延長、コスト削減に直結する重要指標です。基準値や分布特性を理解し、衛生・栄養・治療・測定技術の4本柱を徹底実践することで、持続可能な酪農経営と高品質生乳の生産を実現しましょう。

犬さん
犬さん

SCCは、乳房炎予防、乳質向上、生産寿命延長、そしてコスト削減に直結する重要な指標!

アクション提案:SCC測定結果を週次・月次で記録・可視化し、異常傾向をチームで共有。継続的改善サイクルを回しましょう。

この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

毎日牛乳1L飲んでます!

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