和牛輸出ランキング|国別トップ5と輸出額・部位別の最新分析

2024年の和牛輸出ランキング|国別トップ10と輸出額・部位別データを示すグラフと和牛ロース肉の画像 肉牛
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2024年、日本の牛肉(和牛含む)輸出は過去最高水準に達し、輸出額は648億円、輸出量は1万トン台となりました。本記事では数量と金額の両面から国別トップ5を示し、部位別の傾向や主要市場ごとの嗜好、輸出増加の背景と直面する課題、さらに2025年の見通しまでをデータに基づいてわかりやすく解説します。生産者・輸出事業者・業界関係者にも役立つ実務的な示唆を盛り込み、一次データへのリンクとグラフで信頼性を確保しています。

本文のポイント(冒頭サマリ)

  • 2024年の牛肉輸出額は648億円で過去最高。輸出量は10,826トン。
  • 主要輸出先は米国・台湾・香港がそれぞれ約2割を占める。
  • 部位ではサーロイン系が数量で約46%、金額では約61%を占め、高級部位の輸出が金額を牽引。
  • 2025年も増加基調だが、為替や国際需給、国内供給調整が影響要因。
牛肉の部位イラスト|ステーキや焼肉向けの主要部位を分かりやすく図解
牛肉の主要部位を示したイラスト。

2024年 和牛(牛肉)輸出の概況

財務省の貿易統計をもとに農林水産省がまとめた年次データによると、2024年の「牛肉(加工品含む)」の輸出額は648億円(前年比+12.1%)10,826トン(前年比+22%)に達しました。増加は米国や台湾、香港などでの需要拡大と、輸出対応の体制整備(処理施設や認証)によるものです。

霜降りが美しい黒毛和牛の高級牛肉
黒毛和牛ならではの極上の霜降り肉。

数量ベース/金額ベースの国別トップ10(要点)

以下のランキングは、政府統計(財務省貿易統計)や業界集計をもとに当サイトで整理したものです。国別の数量と金額では順位が異なる理由(単価差・部位構成の違い)を後述します。

数量ベース(トン):トップ5

順位国・地域輸出量(トン)概況
1米国約2,100需要拡大で首位。外食・高級レストラン向けが中心。
2台湾約2,000富裕層・小売で高評価。
3香港約1,800再輸出や高級市場の需要が強い。
4カンボジア約900再輸出拠点や加工流通の関係で増加。
5EU約750単価が高く金額シェアが大きい。
和牛輸出量ランキンググラフ|主要輸出国と数量ベースで見る日本産和牛の輸出動向
数量ベースで比較した和牛輸出ランキング。アジアや北米を中心に日本産和牛の需要が拡大。

金額ベース(億円):トップ5

順位国・地域輸出額(億円)概況
1米国約135数量に加え高単価部位が伸長。
2台湾約112高級食材としての需要。
3香港約77プレミアム路線の需要。
4EU約70単価重視の輸入が特徴。
5カンボジア約67数量に対して高い金額比率。
和牛輸出額ランキンググラフ|金額ベースで見る日本産和牛の主要輸出先と市場動向
金額ベースで比較した和牛輸出ランキング。高級志向の市場を中心に日本産和牛の輸出額が拡大。

(注)上記の国別数字は、政府統計(財務省貿易統計を含む)と業界集計を当サイトで統合して作成しています。国・地域別の正確な数値は元データ(農林水産省の年次報告書、貿易統計)をご確認ください。

部位別・冷蔵冷凍の傾向

2024年の輸出全体では、**サーロイン系が数量の約46%を占め**、金額ベースではより高い割合を占めています。これは欧州や一部の富裕層市場でステーキや高級カットを求める傾向が強いためです。また、冷蔵と冷凍の比率はほぼ拮抗しており、冷蔵が約47%、冷凍が約53%と報告されています。これらの特徴は、輸送インフラの改善や衛生管理の強化で高級部位の輸出が拡大したことを示しています。

肉牛の肉の部位
肉牛の肉の部位

和牛輸出が伸びた主な理由

  • 和牛ブランドの海外認知度向上:海外の高級レストランや有名シェフによる採用が追い風。
  • 外食・観光回復:訪日経験が帰国後の消費を後押し(日本食人気の継続)。
  • 輸出体制の整備:加工・衛生基準の整備や輸出許認可の迅速化で供給が拡大。

直面する課題と生産者・事業者への示唆

課題

  • 国内供給と輸出増のバランス確保(国内価格上昇のリスク)。
  • 為替変動や国際需給(輸入国の景気変動)が輸出に与える影響。
  • トレーサビリティ・衛生管理の徹底(GMP/HACCP 等)。

実務的示唆(事業者向け)

  • 輸出先ごとの好まれる部位・パッケージを調査して商品設計する。
  • 輸出用加工ラインの導入や冷蔵チェーンの投資で品質保持を強化する。
  • 輸出データを定期的にチェックし、シーズン性・為替に合わせた販路を構築する。

2025年の見通し(短期予測)

2025年は上期のデータでも好調が続いており、依然として増加基調が期待されています。ただし、為替の変動・世界的な食肉需給の変化、各国の規制などが短期のリスク要因です。政府は中長期的に輸出拡大目標を掲げており、地方自治体やJETRO等の支援プログラムも継続しています。最新の月次データを参照しながら戦略を調整することが重要です。

データ参照と信頼性(出典)

本記事で使用した主な出典:農林水産省「農林水産物輸出入概況(2024年)」、農林水産省和牛需給レポート、財務省貿易統計、JETROレポート、業界紙・nippon.com 等。数値は原データを当サイトで集計・整形しています。原データの詳細は各出典ページをご確認ください。

まとめ(要点リスト)

  • 2024年の牛肉輸出は過去最高(輸出額約648億円、輸出量約1万トン)。主要輸出先は米国・台湾・香港。
  • 数量と金額で順位が異なるのは「単価」と「部位構成」の違いが主因。EUは高単価ロイン需要が強い。
  • 部位別ではロイン系が金額牽引(高付加価値化が進行)、冷蔵・冷凍はほぼ拮抗。
  • 輸出増の要因:和牛ブランドの海外認知向上、外食需要の回復、輸出対応設備・認証の整備。
  • 課題:国内供給とのバランス、為替・国際需給リスク、トレーサビリティの徹底。
  • 2025年も増加基調が期待されるが、為替や需要動向を踏まえた柔軟な販路設計が重要。

当サイトからのおすすめアクション(生産者・輸出事業者向け)

  1. MAFF / 財務省の月次データを定期チェックして販路を最適化する。
  2. 輸出先別に「部位・カット・パッケージ」を最適化し高付加価値化を図る。
  3. 地方自治体・JETROの輸出支援プログラムを活用して販路開拓を進める。

出典(抜粋):農林水産省 年次報告 / 農林水産省和牛需給レポート / 財務省 貿易統計 / JETRO レポート / nippon.com(各記事)。各数値は原データを元に当サイトで集計しています。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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