タカナシ乳業 2025年9月期決算|売上1094億円で増収増益の理由とは?

タカナシ乳業の2025年9月期決算で売上1094億円となり増収増益の理由を示した業績グラフと乳製品イメージ 酪農NEWS
タカナシ乳業、2025年9月期は売上1094億円で増収増益
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タカナシ乳業(高梨乳業株式会社)は、2025年9月期に売上高1,094億2,210万円(前年比+2.2%)で増収増益となりました。原料高が続く乳業界でなぜ同社が堅調な業績を維持できたのか――本稿では公式数値を基に図表で要点を整理し、主力製品や業務用市場の影響、今後の展望まで専門的に分かりやすく解説します。

1. 決算の要点(結論を裏付ける主要数値)

  • 売上高:1,094億2,210万円(前年比+2.2%)
  • 経常利益:18億617万円(前年比+6.1%)
  • 増収増益を達成。値上げ定着とコストコントロールが寄与。
タカナシ ミルクレストランの外観とミルクの世界観
横浜・みなとみらいにあるタカナシ直営のミルクレストラン。乳製品の専門メニューを気軽に楽しめる外観を写した一枚です。

売上高の推移(百万円)

決算期売上高(百万円)前年増減
2023年9月期97,342
2024年9月期107,088+10.0%
2025年9月期109,422+2.2%
2023年から2025年までの売上高推移を示した決算データ表
2024年に大きく伸長し、2025年も堅調に推移している売上高の推移。

※表は公表データ及び業界報道を基に編集。

2. なぜ増収増益になったのか(根拠の提示)

(A)値上げの定着と価格転嫁

乳製品の原料・飼料コスト上昇に対応して行った価格改定が消費市場・業務用市場で定着し、売上高の底上げに寄与しました。特に家庭用の牛乳やヨーグルトは価格に敏感な層がいるため、製品別での価格戦略が奏功していると推定されます。

(B)業務用生クリームの強さ

タカナシは長年にわたりプロユース(製菓・飲食)向け生クリームの信頼を築いており、業務用市場での安定的な需要が売上安定化の重要因です。景気変動で家庭消費が揺れやすい局面でも、外食・製菓分野の回復や安定需要が業績を支えます。

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(C)コスト管理と生産拠点の分散化

工場運営の効率化や物流コストの最適化により、利益率の維持に成功しています。北海道工場など複数拠点を活用した生産体制が、原料調達リスクの分散にも寄与しています。

3. 製品別の注目点と強み

  • 生クリーム:35%・47%など高脂肪・高品質ラインでプロ評価が高く、業務用でのシェアが強い。
  • 牛乳(北海道シリーズ):地域ブランド化により付加価値化が可能。
  • 機能性ヨーグルト(おなかへGG!等):健康志向市場での差別化商品。
タカナシ乳業の夏限定「夏の牛乳」パッケージ正面と側面デザイン
タカナシ乳業「夏の牛乳」正面と横のパッケージデザイン。

4. リスクと注視ポイント

  1. 原料価格の更なる急騰:飼料・原料乳の価格変動はコストに直結するため、価格転嫁が難しくなると利益を圧迫します。
  2. 消費の下振れリスク:家庭用製品は消費マインドに左右されやすく、長期的な需要減は注意点。
  3. 競合の値ごろ感競争:大手のプロモーションや小売割引が続けば、付加価値商品の差別化が重要となります。

5. 戦略的提言

短期的・中長期的に実行すべき施策を専門家視点で示します。

短期(今〜1年)

  • 製品別採算の見える化:生クリーム・牛乳・ヨーグルト別の利益率を公開レポートで示す(透明性)。
  • 業務用顧客との長期契約強化:安定供給と価格交渉力を確保。

中長期(1〜3年)

  • 高付加価値商品(健康訴求、サステナブル製法)の開発とブランド化。
  • 海外・OEM展開の検討:需要多様化によるリスク分散。

6. よくある質問(FAQ)

Q1:タカナシ乳業は上場企業ですか?

A1:いいえ、タカナシ乳業は非上場企業です。決算情報は公式発表や業界報道を通じて公開されています。

Q2:今回の増収は一時的ですか?

A2:2024年の大幅増(+10%)に続き、2025年も増収を維持しています。値上げ定着と業務用需要の継続があるため、短期的には安定していると評価できますが、原料価格の動向に注意が必要です。

Q3:個人が買えるおすすめのタカナシ製品は?

A3:家庭用の北海道シリーズ牛乳や市販の生クリーム製品は品質が高く、製菓や料理での利用価値が高いです。


まとめ

  1. タカナシ乳業は2025年9月期に売上1,094億円で増収増益を達成。
  2. 値上げの定着と業務用生クリームの強みが主因であり、製品別の付加価値化が今後の鍵。

タカナシ乳業(高梨乳業株式会社)について:設立1950年、本社神奈川県横浜市旭区、代表 髙梨信芳。従業員数(単体)約892名、グループ約1,615名(2025年9月末時点)。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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