2025年11月の受託乳量が2ヶ月連続で前年比減|生乳生産量減少、全国54万2181トン

2025年11月の生乳受託乳量が前年比0.6%減となり2ヶ月連続で減少したことを示す酪農統計イメージ 酪農NEWS
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2025年11月、指定生乳生産者団体の受託乳量は全国で54万2181トンとなり、前年同月比0.6%減で2ヶ月連続の前年割れとなりました。主因は搾乳頭数、特に2〜4歳の若齢乳牛の減少。本記事では速報値を図表で示し、地域別の動向と生産減少が牛乳需給・価格に与えるインパクトを分かりやすく解説します。

速報データ:2025年11月の受託乳量(主要数値)

中央酪農会議を基にまとめた11月の主要数値です。数値は必ず一次公表資料で最終確認してください。

項目数値備考
全国受託乳量54万2181トン前年同月比:▲0.6%(2ヶ月連続前年割れ)
北海道(ホクレン単独)31万4600トン前年同月比:▲0.4%(9ヶ月ぶり前年割れ)
都府県合計 22万7581トン前年同月比:▲0.9%(3ヶ月連続前年割れ)

なぜ生乳が減っているのか:原因の核心

牧場から生乳を運ぶミルクローリーの牛乳輸送車
牧場の生乳をクリーンに運ぶミルクローリー。衛生管理された専用タンクが特徴。

① 搾乳頭数の減少(最大要因)

今回の減少は搾乳頭数の減少による影響が大きく、特に2〜4歳の若齢乳牛の減少が深刻です。 若齢牛は将来の生産を担う層であり、この減少は回復力を弱めます。

② 乳牛頭数の構造的減少

農林水産統計が示す通り、飼養戸数・乳牛頭数は長期的に減少傾向にあります。 離農や規模縮小により、生乳供給の土台そのものが縮小しています。

③ 経営負担と後継者問題

飼料価格の高止まり、暑熱対策・設備投資コストの増加、高齢化と後継者不足が重なり、 頭数維持や若牛導入が難しい状況です。

④ 気候・個体要因(補助的要因)

個体乳量の改善は一部で見られるものの、全体の頭数減少を補うまでには至っていません。

地域別動向:北海道と都府県

北海道は31万4600トン(▲0.4%)と9ヶ月ぶりの前年割れ。 都府県は▲0.9%と減少幅がより大きく、構造的課題が顕在化しています。

需給・価格への影響と今後の見通し

頭数減少が続けば、中長期的には供給不足リスクが高まり、価格上昇圧力が強まる可能性があります。 若齢牛確保と経営支援が重要です。

現場への実務的提言

  1. 繁殖計画の再設計(更新スピードの最適化)
  2. 個体乳量の安定確保(給餌・健康管理)
  3. 加工・直販による収益力強化

よくある質問(FAQ)

Q:牛乳は不足しますか?

短期的な品薄は回避されやすいものの、頭数減少が続けば局所的な不足や価格上昇の可能性があります。

まとめ

  • 2025年11月の指定団体受託乳量は54万2181トン(前年同月比▲0.6%)で、2ヶ月連続の前年割れ。
  • 北海道が9ヶ月ぶりに前年割れ、ホクレンの11月値は31万4600トン(▲0.4%)など地域動向が全国に影響。
  • 主因は搾乳頭数の減少(特に2〜4歳の若齢乳牛)と乳牛頭数の構造的減少。短期的な個体乳量改善が頭数減を上回れない状況。

参考資料:中央酪農会議、J-ミルク、ホクレン、農林水産省

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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