NEFA(血中遊離脂肪酸)とは|DMI不足解消から血糖値/BHB検査まで徹底ガイド

スポンサーリンク
乳牛のNEFA管理ガイド|DMI不足解消と血糖値・BHB検査方法|脂肪肝・ケトーシスリスクを低減する実践事例 酪農
スポンサーリンク

乳牛の分娩後代謝管理でNEFAを安全にコントロールする実践事例を解説。DMI不足に対するバイパスグルコース導入の効果、分娩5日後のBHB・血糖値検査からの対策方法を詳述。脂肪肝・ケトーシスリスクを低減!

牛さん
牛さん

乳牛の分娩後はNEFABHBが問題に。DMI不足の解消が鍵!


1. NEFA管理の重要性と背景

**NEFA(血中遊離脂肪酸)**は、乳牛のエネルギー不足を可視化する指標であり、分娩前後の脂肪動員量を反映します。NEFA過剰上昇は脂肪肝やケトーシスの大きなリスク要因。特に周産期(分娩前後)は飼料摂取量(DMI)が追いつかず、肝臓への過剰な脂肪蓄積を招きやすいため、数値管理が不可欠です。

  • 正常範囲:0.10–0.81 mEq/L(参考:岡山大学データ)
  • リスク閾値:0.8 mEq/L超で脂肪肝リスク、1.0 mEq/L超でケトーシスリスク

本記事では、現場での具体的な「NEFA管理」の流れと改善事例を紹介します。

牛さん
牛さん

「NEFAの管理がカギ!」
→ NEFA(血中遊離脂肪酸)はエネルギー不足を示す指標。
→ 分娩前後は特に脂肪蓄積のリスクが高いから、数値管理が不可欠!
→ 正常範囲を超えると、脂肪肝や
ケトーシス
のリスクが上昇。


2. 事例:DMI不足の把握とバイパスグルコース導入

課題発見

  • ■ 飼料摂取量(DMI)が基準を下回り、分娩直後のエネルギー要求量を満たせず。
  • ■ 乾乳期の栄養バランスは整えていたものの、初乳期に急激なエネルギー不足が顕在化。

対応策

  1. バイパスグルコースの採用
    • 胃ルーメンで分解されにくい「バイパス型」グルコースを給与
    • 直接小腸吸収により、即時的な血糖供給を強化
  2. 給与方法
    • 分娩後1~2週間は毎日投与
    • 飼料混合TMRに1%添加するか、個別給餌時に溶解投与
牛さん
牛さん

「DMI不足が問題に!」
→ 飼料摂取量(DMI)が基準を下回り、分娩直後のエネルギー要求量が不足。
→ バイパスグルコースを導入することで、血糖供給を強化!
→ 分娩後1~2週間は毎日投与して、エネルギー不足を解消!


3. 分娩5日後の血液検査プロトコル

タイミング:分娩後5日目(±1日)
採取方法:尾静脈(尾根部)より採血

指標測定目的判定基準
BHB(β‑ヒドロキシ酪酸)ケトーシスリスク評価1.0 mmol/L以上 → 要注意
血糖値エネルギー供給状態のモニタリング50 mg/dL以下 → 要補給
  • 測定キット例:Fujifilm Wako、SRL/BML(外注)
和牛さん
和牛さん

「血液検査でリスク管理!」
→ 分娩後5日目尾静脈採血で、BHB血糖値を測定。
→ BHBが1.0 mmol/L以上はケトーシスのサイン。
→ 血糖値が50 mg/dL以下なら、即時エネルギー補給が必要!


4. 検査結果に基づく迅速対応フロー

  1. BHB ≥ 1.0 mmol/L または 血糖値 ≤ 50 mg/dL
    • 投薬:ウルソデオキシコール酸+グルコース溶液
    • 投与タイミング:検査直後~翌朝までに
  2. 血糖値 < 40 mg/dL
    • 緊急措置:獣医師を呼び、点滴治療や追加検査
  3. フォローアップ検査
    • 初回対応から3日後に再採血し、数値の改善を確認
    • 改善が見られない場合は飼料設計の再検討やTMR配合比の調整
牛さん
牛さん

「即時対応がカギ!」
→ BHB ≥ 1.0 mmol/L または 血糖値 ≤ 50 mg/dL なら、即投薬開始!
→ ウルソデオキシコール酸グルコース溶液を、検査直後から翌朝までに投与。
→ 血糖値 < 40 mg/dLの場合は緊急措置として獣医師を呼び、点滴治療が必要!


5. 導入後の効果と改善ポイント

  • BCS急降下牛の減少:導入前は分娩直後に複数頭でBCSが1ポイント以上低下。導入後は急激な低下がほぼ解消。
  • 乳量安定化:血糖値の急低下による初期乳量落ち込みが緩和。
  • 牛群全体の健康率向上:ケトーシスや脂肪肝発症率が前年同期比で30%低減。

改善ポイント

  • 検査タイミングの厳守 → 個体差を見極めるため、±1日以内の採血が鍵。
  • 投与量の最適化 → 牛群規模に合わせた一括溶解か、個別給餌併用かで効果を比較。
牛さん
牛さん

「ケトーシス・脂肪肝のリスク減少!」
→ ケトーシス脂肪肝の発症率が前年同期比で30%低減
→ BCS低下の急激な発生が解消され、乳量が安定。
→ 検査タイミング投与量の最適化が改善に繋がる!


6. まとめと今後のステップ

  1. DMI測定→バイパスグルコース導入でエネルギー不足を即時に補給。
  2. 分娩5日後のBHB・血糖値検査でリスク牛を早期発見。
  3. ウルソ+グルコース投与→再検査→獣医連携のサイクルで代謝トラブルを未然防止。

これらの実践例は、NEFA管理におけるPDCAサイクルの好例です。ぜひ自牧場のデータと照らし合わせて、最適なプロトコルを検討してください。

牛さん
牛さん

「エネルギー不足を即補給!」
→ DMI測定 → バイパスグルコースでエネルギー不足を即時補給!
→ 分娩後5日目BHB・血糖値検査で、リスク牛を早期発見!
→ ウルソ+グルコース投与 → 再検査 → 獣医師連携で代謝トラブルを防止!

乳牛のNEFA管理ガイド|分娩後の代謝管理とDMI不足解消策を解説したイラスト。NEFAリスク値、バイパスグルコース導入、血糖値・BHB検査方法を視覚的に説明。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. バイパスグルコースはどれくらいの頻度で?

  • 分娩後1~2週間は毎日投与し、その後は牛群の状態を見て隔日投与へ移行。

Q2. 血液検査は自前でできる?外注がいい?

  • 自前の迅速測定なら現場対応◎。大規模群では外注サービスで一括管理も効率的。

Q3. NEFA自体の定期測定は?

  • 分娩前・分娩後に各1回ずつ、合計2回以上のNEFA測定を推奨。
牛さん
牛さん

実際に現場で試してみて、牧場にあった方法を探そう!


関連記事の紹介

NEFA管理を効果的に行うためには、DMIやBCSの適切な管理が不可欠です。以下の記事も併せてご覧ください。

お問い合わせ/コメント

実践事例や管理方法についてご質問・ご意見があれば、ぜひコメント欄へ!

この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

毎日牛乳1L飲んでます!

みやむーをフォローする
酪農酪農基礎講座飼料
スポンサーリンク
みやむーをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました