2025年6月23日、仙台市内の若林区小学校と太白区中学校で給食の牛乳を飲んだ児童・生徒78名が「味が違う」と訴え、そのうち8名が腹痛・下痢を経験しました。重篤例はなく、翌日から牛乳提供は一時停止。教育委員会と保健所、製造事業者(東北森永乳業)の合同調査を経て、2025年7月1日から安全対策を強化した上で提供が再開されました。本記事では、トラブルの経緯から再発防止策、過去の事例比較、現場ポイントまでを初心者にもわかりやすく解説します。

原因究明と再発防止策により、2025年7月から提供再開!
1. トラブル発生の経緯と影響状況
- 発生日:2025年6月23日
- 対象校:
- 若林区の小学校1校(児童13名が味の異変)
- 太白区の中学校1校(生徒65名が味の異変)
- 体調不良:計8名(腹痛・下痢)、うち3名が病院で受診(全員軽症)
- 対応:6月24日から両校で牛乳提供を停止
当初、児童・生徒からは「いつもと味が違う」「少し酸味を感じた」との声が上がり、保護者の不安が急速に拡大。市教委は即日停供措置を取りつつ、関係各所による原因調査を開始しました。

2025年6月23日、仙台市の小中学校で給食牛乳に味の異変が発生!
2. 調査のポイントと結果
教育委員会は6月26・27日に両校へ立ち入り調査を実施。主な調査項目と結果は以下の通りです。
調査項目 | 内容・結果 |
---|---|
牛乳の温度管理 | 配膳時に10℃以下を維持。冷蔵庫の稼働状況も良好と確認 |
常温保管の有無 | 太白区中学校で配膳室内に2時間程度常温放置が判明 |
製造過程・品質検査 | 東北森永乳業と市保健所の検査で異常は検出されず |
衛生管理体制 | 給食担当者の手指・器具洗浄マニュアルは順守 |
ポイント解説
- 牛乳は微生物増殖のリスクが高い食品のため、提供直前まで10℃以下で保管することが不可欠。
- “味の異変”は風味劣化のシグナルでもあるため、常温放置が1時間を超えた場合は速やかに提供を見合わせる運用が求められます。

教育委員会の調査で“常温2時間放置”が原因の可能性と判明!
3. 再開に向けた強化対策
7月1日からの牛乳提供再開にあたり、仙台市が講じた主な対策は以下の通りです。
- 温度管理の徹底
- 配膳直前まで冷蔵庫で10℃以下をキープ
- 温度計による定期モニタリングと記録管理の導入
- 衛生管理研修の実施
- 給食従事者を対象に年2回の研修を開催
- 牛乳取り扱い・配膳器具の洗浄手順を重点解説
- 風味チェック体制の強化
- 学校長・副校長を含む最低2名が毎回テイスティング
- 異常を感じた場合、即時提供停止と教育委員会報告
- 保護者対応の柔軟化
- 希望者には個別に牛乳提供停止も選択可
- メール配信システムで状況報告を定期実施
これらの対策により、「見える化」「報告」「迅速な対応」の三本柱が確立され、安全性と信頼性が大幅に向上しました。

温度管理・風味チェック・衛生研修の“3本柱”で再発防止が強化されました!
4. 過去事例から得られる教訓
2024年4月 宮城県12市町村トラブル
- 対象校:258校、影響者数600名超
- 症状:胃痛・下痢・嘔吐
- 停止期間:約3週間
- 原因推定:製造工程ではなく風味のバラつき、味覚に敏感な小中学生への影響
- 対応:
- サンプル検査数の大幅増加
- 風味検査を専門員が常時実施
学び:製品品質だけでなく「小さな異臭・異味」を見逃さない現場管理体制づくりが重要。

600人以上に影響…風味のわずかな異変が大きな問題につながるとは驚き。
5. 専門家の視点:牛乳管理で抑えるべき3大ポイント
- 温度管理
- 4℃〜10℃の冷蔵帯は「安全帯」。逸脱すると味変化・菌増殖リスクが急上昇。
- 時間管理
- 日常的に「配膳までの最大放置時間」を定め、記録を義務化。
- 風味監視
- 視覚(色・濁り)、臭覚(酸味・異臭)、味覚(風味変化)を定期チェック。
現場の教育・研修を通じ、全スタッフが上記ポイントを体得することが、トラブル未然防止につながります。

4℃〜10℃の冷蔵帯を守ることで、味の変化や菌増殖リスクを最小化できます。
6. 今後の展望と取り組み
- デジタル管理システムの導入:温度・風味チェックをスマホアプリで即時記録・共有
- 地域連携:他自治体や学校間での情報交換会を定期開催
- 保護者参加型の安全教育:給食参観やオンライン勉強会で透明性を強化
仙台市では、学校給食の安全安心を“みんなでつくる仕組み”として根付かせる取組みが進行中です。

自治体間の情報交換が給食トラブルの未然防止に役立つ取り組みですね。
まとめ
- 発生概要:6月23日に78名が異味を訴え、8名が軽度の体調不良。
- 調査結果:温度管理・衛生体制・品質検査で重大な問題はなし。
- 再開日:2025年7月1日から提供再開を実施。
- 強化策:10℃以下管理、衛生研修、風味チェック体制、保護者対応の柔軟化。
- 今後の課題:現場での見える化・迅速報告・三者協働による安全管理の定着。
学校給食の牛乳は、栄養価が高い反面、管理が難しい食品です。本記事を参考に、現場での安全管理体制を一層整備いただき、児童・生徒に安心して提供できる環境づくりを目指しましょう。

6月23日に78名が味の異変を訴え、8名が軽度の体調不良を経験しました。

2025年7月1日から安全対策を強化し、牛乳提供を再開しています。
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