シェーブルチーズは、山羊乳から作られるフランスを代表する伝統的なチーズです。爽やかな酸味と軽やかな食感が特徴で、熟成によって風味が大きく変化します。本記事では、代表的な銘柄や産地、食べ方やワインとの相性まで、わかりやすくご紹介します。
シェーブルチーズとは?特徴と歴史
シェーブルチーズ(Chèvre)はフランス語で「山羊」を意味し、その名の通り山羊乳から作られるチーズです。牛乳チーズに比べて脂肪球が小さく、軽やかな食感と独特の酸味が特徴です。白く柔らかい質感で、熟成が進むとナッツのようなコクが加わります。代表的な産地はフランスのロワール川流域やポワトー地方で、起源は8世紀にまで遡ると言われています。

代表的なシェーブルチーズの種類と産地
クロタン・ド・シャヴィニョル
フランス・ロワール地方シャヴィニョル村発祥の小さな丸型チーズ。直径4〜5cmでアイボリー色の表皮を持ち、1976年にAOPを取得。若いうちはさわやかな酸味、熟成が進むとミルクの甘みが増します。クロタン・サラダとしてサラダに添える食べ方が人気です。
ヴァランセ
ロワール地方のヴァランセ村の底付き四角錐型チーズ。頂点が切り落とされた形と、木炭粉で覆われた表皮が特徴です。灰の効果で酸味が和らぎ、熟成が進むと濃厚なコクが楽しめます。1998年にAOC認定を受けています。
ピコドン
ローヌ=アルプ地方の小型円盤状チーズ。名称は「辛い(pica)+甘い(doux)」に由来。若いうちはクリーミーで甘みが前面に出ますが、熟成が進むとスパイシーな辛味が増します。サラダやパスタのトッピングにも最適です。
その他の代表銘柄
サント=モール・ド・トゥレーヌ(灰まぶしの円筒型)や、スティック型のシャビシュー・デュ・ポワトーなど、フランス各地で個性豊かなシェーブルチーズが作られています。

熟成度による風味と食感の違い
フレッシュな状態ではしっとりとしたクリーミーな食感で爽やかな酸味が特徴です。熟成が進むと水分が抜け、酸味がやわらいでナッツのような香ばしい風味が現れます。炭粉をまぶしたタイプは熟成がゆっくり進み、白カビタイプは比較的早く熟成が進行します。

味わいと食べ方のバリエーション
シェーブルチーズは爽やかな酸味とほのかな塩味が魅力です。フレッシュなものはフルーツやジャムと合わせたり、クラッカーやバゲットにのせて楽しめます。熟成タイプはオーブンで焼いてコクを引き出したり、サラダやピザのトッピングに活用できます。ハチミツをかけてデザート風に楽しむのもおすすめです。
ワインとの相性
酸味のあるシェーブルチーズは、辛口の白ワインや軽やかなロゼ、フルーティーな赤ワインと好相性です。特にソーヴィニヨン・ブランやローヌ地方のワインとの組み合わせは定番のマリアージュとされています。
伝統的な製造工程とAOC/AOP制度
伝統的な製法では、山羊乳をレンネットで凝乳させ、型に詰めて水切りし、乾燥・熟成させます。多くは無殺菌乳を使用し、乳酸発酵による酸味が特徴的です。フランスではクロタン・ド・シャヴィニョルやヴァランセなど多くの銘柄がAOC/AOP制度で品質管理されています。
まとめ:シェーブルチーズの魅力
シェーブルチーズは種類や熟成度によって味わいが大きく変化し、フレッシュから濃厚まで楽しめる奥深いチーズです。サラダや料理、デザートにも活用でき、ワインとの相性も抜群。フランスの伝統を味わえるシェーブルチーズを、ぜひ食卓に取り入れてみてください。
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