ピエ・ダングロワ(Pié d’Angloys)は、フランス・ブルゴーニュ地方で生まれた人気のウォッシュチーズです。マイルドでクリーミーな味わいが特徴で、「ウォッシュチーズは匂いが強い」というイメージを覆す食べやすさが魅力。初心者でも楽しめるチーズとして、日本でも注目されています。本記事では、ピエ・ダングロワの歴史や特徴、食べ方、ワインとの相性まで詳しく解説します。
ピエ・ダングロワとは
ピエ・ダングロワ(Pié d’Angloys)はフランスのウォッシュチーズに分類されるソフトタイプのチーズです。一般的に直径約8.5cm、重さは約200g前後の円筒形で、表面は淡いクリーム色〜白色。内側は滑らかなクリーム状になりやすく、口どけが良いのが特徴です。

歴史と名前の由来
ピエ・ダングロワの起源は中世(14世紀)にさかのぼるとされ、ブルゴーニュ周辺で作られ始めたと言われます。名前の「d’Angloys」は古いフランス語で「イギリス人」を意味し、英仏百年戦争の時代背景と結びつけられる逸話が残っています。地域の修道院で生まれ、やがて家庭や小規模生産者に広まった伝統的なチーズです。

特徴 — 味・香り・熟成
味わい
マイルドでクリーミー、濃厚なミルク感があり、甘みのある余韻(ハチミツのような風味)が感じられることがあります。ウォッシュチーズ特有の強烈な香りは抑えられており、「白カビタイプとウォッシュタイプの中間」のような印象を受ける人が多いです。
香りとテクスチャー
表面はしっとりとした手触りで、中身は熟成が進むとトロトロに。成熟度によって食感が大きく変わるのも魅力のひとつです。
熟成期間・原料
- 原料:牛乳(生乳を使用することが多い)
- 脂肪分:比較的高めでリッチな味わい(製品により差あり)
- 熟成期間:およそ3週間程度が一般的
作り方(基本工程)
伝統的な製法の要点は以下の通りです。生産者や工房ごとに細かい工程や洗浄方法は異なります。
- 凝乳形成:温めた牛乳にレンネットを加えてカード(固形分)を作る。
- 型詰めと成形:カードを型に詰め、余分な乳清を抜きながら形を整える。
- 加塩と表面洗浄:塩を振るか塩水で洗い、必要に応じて真水で軽く洗う工程を行うことで、ベタつきや臭いの調整をする。
- 熟成:湿度管理された熟成室で数週間管理。表面の洗浄を繰り返すことが、ピエ・ダングロワ特有の穏やかな風味を作ります。
ポイント:ピエ・ダングロワは表面の洗浄工程が風味に大きく影響します。塩水の濃度や洗浄頻度を変えることで「マイルドさ」を調整できます。
食べ方・おすすめの組み合わせ
食べる前の準備
冷蔵庫から出して常温に戻す(目安1〜2時間)。中心まで柔らかくなり、香りと風味が立ちます。
そのまま・おつまみ
バゲットやクラッカーにのせるだけで十分美味。蜂蜜やナッツを合わせると「甘じょっぱさ」が楽しめます。
ワインペアリング
- 白ワイン:シャルドネなどの辛口〜中程度のコクのある白
- 赤ワイン:軽めのピノ・ノワールなど
- その他:微発泡ワインや軽めのロゼも合います
料理への応用
溶けやすい性質を活かして、パスタやグラタンに加えるとコクがアップします。レモンやハーブと合わせるとさっぱり食べられます。

購入方法と保存のコツ
購入場所(日本)
チーズ専門店、輸入食材店、オンラインショップ(専門通販・Amazonなど)、大型スーパーの輸入コーナーなどで見つかることがあります。商品名は「Pié d’Angloys」「ピエ・ダングロワ」「ピエダングロワ」など表記が分かれます。
保存
要冷蔵(目安:10℃以下)。カット後はラップで包むか専用のチーズ紙で包み、風味が逃げないように保存してください。賞味期間は商品によりますが、購入後は早めに(1週間〜2週間以内)に食べるのがおすすめです。
よくある質問(FAQ)
Q. ウォッシュチーズは匂いが強いですか?
A. ピエ・ダングロワはウォッシュタイプでも比較的クセが少なく、初心者でも食べやすい部類に入ります。
Q. ベジタリアンでも食べられますか?
A. 製品によってレンネット(動物由来)を使うかどうかが異なります。ベジタリアン向けかどうかはパッケージ表示や販売元に確認してください。
Q. どのくらい熟成させると美味しいですか?
A. 一般的には約3週間程度が目安。好みにより若い状態(しっかりした食感)〜熟した状態(トロトロ)を選んでください。
まとめ — ピエ・ダングロワはこんな人におすすめ
ピエ・ダングロワは「ウォッシュチーズに興味はあるけど強い香りが苦手」という人にぴったりの選択肢です。クリーミーで食べやすく、ワインやフルーツ、パンとも相性抜群。初めてウォッシュチーズを試す方や、普段の食卓に少し贅沢を加えたい方におすすめです。
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