ラミ・デュ・シャンベルタン(L’ami du Chambertin)は、ブルゴーニュで生まれたウォッシュタイプのチーズ。強い香りと濃厚でとろけるようなコクが魅力で、赤ワインとの相性が特に良いことで知られます。わかりやすく、歴史・製法・食べ方・ワインペアリング・購入のコツまでまとめました。
ラミ・デュ・シャンベルタンとは?
ラミ・デュ・シャンベルタン(L’ami du Chambertin)は、ブルゴーニュ地方で生まれたウォッシュチーズです。外皮を酒や塩水で洗って熟成させる「ウォッシュ製法」により、表皮がしっとりオレンジ色に染まり、強い香りと複雑な旨味を持ちます。
名前には「シャンベルタンの友」という意味が込められており、ブルゴーニュの代表的ワイン「シャンベルタン」との相性を意識して作られたチーズとして知られます。

歴史と名前の由来
1950年代にブルゴーニュのチーズメーカーによって商品化され、「シャンベルタン(Chambertin)」というワインと共に楽しめるようにという発想から「L’ami du Chambertin(シャンベルタンの友)」と名付けられました。AOCの伝統チーズを模した要素を持ちながらも、商標商品として生産され続けています。

特徴と製法(ウォッシュチーズの仕組み)
外見・サイズ・原料
通常は直径約8〜10cm、重さ200〜300g程度の円盤型。原料は牛乳(生乳または低温殺菌)で、乳脂肪分が高めのため濃厚な味わいになります。
製造のポイント
- 凝乳(カード)を型に入れて水分を抜き成形。
- 塩を施し、表面をマール酒などで繰り返し洗浄(ウォッシュ)。
- 1か月〜数か月の熟成で表皮の色・香りが形成される。
ウォッシュ製法によって表皮に独特の微生物(ブドウ球菌や関連菌)が育ち、香りと味に個性が生まれます。外側の強い香りと、内側のクリーミーなコントラストがこのタイプの魅力です。

味わい・食べごろと食べ方(初心者向けのコツ)
味わいの特徴
表皮はしっとりと湿っており強い香り(アンモニアや熟成香)が出ますが、中身はバターのように濃厚で、熟成が進むととろける食感になります。風味はミルクの甘み、ナッツや土っぽさ、熟成由来の旨味が混ざり合います。
食べごろの見分け方
- 若い:中身が比較的しっかりしていて弾力がある。
- 食べごろ:中心がやわらかく、スプーンですくえる状態。
- 熟成が進みすぎる:強い香り・塩味が目立つ場合があるので好みに注意。
おすすめの食べ方
- 必ず室温に戻す(30〜60分) → 風味と食感が引き立ちます。
- いきなり表皮を気にする場合は、中身だけをパンにのせて試す。
- フルーツ(りんご・洋梨・いちじく)やはちみつ、ナッツと合わせると香りと味のバランスがとりやすい。
- トースト:薄切りのパンで軽く焼き、チーズをのせてとろけさせると香りが和らぎ食べやすくなります。
POINT:ウォッシュチーズ特有の「くさみ」は味の一部です。無理に我慢せず、まずは少量を中身だけで試すのがおすすめ。
おすすめワインとペアリング — 最高の組み合わせを見つける
ラミ・デュ・シャンベルタンは、赤ワイン(特にピノ・ノワール)の酸とタンニンがチーズのコクとよく合います。以下は具体的な候補です。
ベスト:ブルゴーニュのピノ・ノワール
- ジュヴレ・シャンベルタン、シャンベルタン産地の村名ワイン — 果実味と土っぽさがチーズとシンクロします。
その他のおすすめ
- ボルドー(ミディアム〜フルボディの赤):しっかり目のワインでチーズに負けない組み合わせ。
- ブルゴーニュの辛口シャルドネ:酸味でクリーミーさを切り、口をリフレッシュ。
- 甘めのデザートワイン(微量):チーズの塩気と対比させる食べ方も◎(デザート用途)。
サービング温度の目安:赤ワインはやや冷やして(14〜16°C)、白は冷やし過ぎない(8〜12°C)とチーズの風味が活きます。
購入方法と価格の目安(日本での入手)
日本では輸入チーズとしてチーズ専門店、ワインショップ、オンラインショップで販売されることが多いです。入荷が不定期なため、見つけたら早めの購入を。
価格の目安
- 200〜300g:2,000〜4,000円前後(銘柄・輸入経路によって変動)
購入先の例(探し方)
- チーズ専門店:店頭で状態を確認できるためおすすめ(例:アルパージュ等の専門店)
- ワインショップ・酒販店:ワインと一緒に仕入れていることがある
- 通販:冷蔵・クール便対応のショップを選ぶ。商品ページに発酵・熟成情報が明記されていると安心。
輸入チーズは賞味期限・保存状態に依存します。配送時の温度管理・到着後の保存方法(冷蔵、ラップで包む)を確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. ラミ・デュ・シャンベルタンは「くさい」ですか?
A. 表皮に強い熟成香が出ますが、中身はクリーミーで食べやすいです。香りが苦手な場合は中身だけ試してください。
Q. 表皮は食べても大丈夫ですか?
A. はい、食べられます。好みによっては取り除いて中身だけ食べる人もいます。
Q. どれくらいで食べきるべきですか?
A. 開封後は冷蔵でなるべく早め(数日〜1週間程度)に。食べる前に室温に戻すと風味が良くなります。
まとめ — ラミ・デュ・シャンベルタンを楽しむコツ
- ラミ・デュ・シャンベルタンはマール酒等で表皮を洗うウォッシュチーズで、強い香りと濃厚な内部のコントラストが魅力。
- 中身はクリーミーでワイン(特にブルゴーニュのピノ・ノワール)と相性抜群。赤ワインの酸とタンニンがチーズのコクを引き立てる。
- まず室温に戻し、中身だけをクラッカーやトーストで試すのが安全。フルーツやはちみつで香りと味を調整すると食べやすい。
- 日本での入手は専門店や通販が中心。賞味期限・輸送の温度管理に注意し、見つけたら早めに購入するのが吉。
ラミ・デュ・シャンベルタンは、強い香りと内部の濃厚なクリーム感が魅力のウォッシュチーズ。ブルゴーニュのピノ・ノワールと合わせると、その真価を発揮します。
まずは室温に戻し、クラッカーやフルーツと合わせて一口ずつ。ワインと合わせると味わいが広がります。見つけたらぜひ一度試してみてください。
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