「夜のお菓子」というキャッチコピー、一度は聞いたことがありませんか?
静岡県浜松市の銘菓、春華堂の「うなぎパイ」。
お土産として有名ですが、実は「バターをふんだんに使ったパイ生地」こそが美味しさの正体であることは、あまり知られていません。
この記事では、酪農家として牛と牛乳に向き合って10年の私(みやむー)が、プロの視点でうなぎパイの原材料や製造のこだわりを徹底分析します。「なぜうなぎの粉が入っているのか?」「本当に精力はつくのか?」そんな疑問を、筆者が実食レビューと共に紐解きます。
読めば必ず、次の浜松土産は「うなぎパイ」を選びたくなるはずです。
1. うなぎパイとは?バターとうなぎ粉の絶妙な関係
うなぎパイのパッケージ裏面にある説明文を読んだことはありますか?そこには、このお菓子の設計図とも言える一文が書かれています。
バターを豊富に入れたパイにうなぎの粉を足したうなぎパイ
この言葉通り、うなぎパイの構成要素は非常にシンプルかつ個性的です。主役はあくまで「パイ」であり、そこに浜松名物の「うなぎ」のエッセンスが加えられています。

主な原材料と特徴
- フレッシュバター: 香りとコクの決め手。
- うなぎ粉: うなぎの骨や頭から抽出したエキスを粉末化したもの。
- 夜の調味料(ガーリック): 隠し味として深みを出す重要素材。
一見ミスマッチに思える「バター」と「うなぎ(魚介)」ですが、実はフランス料理でも魚介のソテーにバターソースを使うように、相性は抜群です。さらにガーリックが加わることで、単なる甘いお菓子ではない、奥深い味わいを生み出しています。
2. 酪農家視点で分析!「バターの質」がサクサク感の命
ここからは私の専門分野である「乳製品」の視点で解説します。
酪農家として多くの乳製品を見てきましたが、うなぎパイの最大の特徴は「バターの使い方の贅沢さ」にあります。安価なパイ菓子では、バターの代わりにショートニングやマーガリンが主体になることがよくあります。これらはコストを抑えられますが、風味の豊かさや口溶けの良さは本物のバターには敵いません。
職人が調整する数千層のパイ生地
春華堂の公式サイトによると、うなぎパイの生地は数千層にも重ねられているそうです。
バターは温度管理が非常に難しい食材です。溶けすぎれば生地がダレてしまい、硬すぎれば層ができません。職人がその日の気温や湿度に合わせて手作業で生地を折り込んでいるからこそ、食べた瞬間に「サクッ」と崩れ、バターの香りが口いっぱいに広がるのです。
「酸化していない新鮮なバターの香り」がすること。これが、うなぎパイが60年以上愛され続けている品質の証拠だと、酪農家として断言できます。
3. 「夜のお菓子」の本当の意味と歴史
「夜のお菓子」と聞くと、少し大人な意味(精力がつくなど)を想像する方も多いのではないでしょうか?
実は、本来の意味はもっと温かいものでした。
家族団らんの時間を彩るお菓子
うなぎパイが誕生した1961年(昭和36年)は、高度経済成長期の真っ只中。女性の社会進出も進み、家族全員が揃うのは夕食後のひとときだけ、という家庭が増えていました。
そこで、春華堂の2代目社長は「夕食の団らんの時間(夜)に、家族みんなで食べてほしい」という願いを込めて、「夜のお菓子」と名付けたのです。
なぜ「精力がつく」イメージがついたのか?
その後、当時の栄養ドリンクブームや、浜松=うなぎ=精力がつくという連想、さらに隠し味のガーリック(ビタミンAが豊富)などの要素が重なり、1980年代頃から「大人のスタミナ菓子」としてのイメージが定着しました。
私自身、酪農という体力勝負の仕事を終えた夜にうなぎパイを食べると、バターの糖分とうなぎエキスの旨味が体に染み渡り、明日への活力が湧いてくるのを感じます。「夜のお菓子」という名は、どちらの意味でも正解なのかもしれません。
4. 実食!うなぎパイの忖度なしレビュー
関西や横浜に住む私にとって、浜松土産のうなぎパイは「たまにもらう高級品」という位置づけです。改めて実食し、その魅力を分析してみました。
実食レビューまとめ
- 食感: 関西の硬いせんべいとは違う、繊細で軽やかなサクサク感。ボロボロこぼれるのもご愛嬌。
- 味: 最初は砂糖とバターの甘さが来ますが、後味にほんのりと塩気と旨味(うなぎ粉とガーリック由来)を感じます。これが「もう一本」と手が伸びる理由です。
- 満足感: 1本あたり約70kcal前後。仕事の合間のエネルギー補給としても優秀です。
特に評価したいのは「甘すぎないこと」です。甘いだけのパイは飽きますが、うなぎパイは「甘じょっぱさ」のバランスが絶妙で、日本茶にもコーヒーにも合います。
5. お土産に迷ったらこれ!おすすめラインナップ比較
現在、うなぎパイにはいくつかの種類があります。用途に合わせて選べるよう、比較表にまとめました。
| 商品名 | 特徴・おすすめポイント | ターゲット |
|---|---|---|
| うなぎパイ(標準) | 王道の味。バターとガーリックのバランスが最高。 | 初めての方、職場へのお土産 |
| うなぎパイ V.S.O.P. | 高級ブランデーとマカダミアナッツを使用。「真夜中のお菓子」の異名を持つ高級版。 | お酒好きな方、目上の方 |
| うなぎパイ ナッツ入り | アーモンドをふんだんに使用し、香ばしさがアップ。 | 女性、子供 |
| うなぎパイ ミニ | ナッツとハチミツ入りで少し甘め。サイズが小さく食べやすい。 | 自分用、お子様 |
6. まとめ:うなぎパイは職人技術の結晶
本記事では、浜松銘菓「うなぎパイ」の歴史と美味しさの秘密について解説しました。
▼この記事の要点まとめ
- 歴史: 1961年発売。「家族団らんの夜」を願って作られたロングセラー。
- 特徴: 職人が折り重ねた数千層のパイ生地と、厳選バターの香りが命。酪農家視点でも納得の品質。
- 提案: 定番の「標準」から、高級な「V.S.O.P.」まで。自分用にもお土産にも最適。
うなぎパイは、職人の技術と良質な素材が詰まった本格的な洋菓子です。
酪農家としても、この「バターへのこだわり」は多くの人に知ってほしいポイントです。
ぜひ、バターの香ばしさとうなぎ粉の隠し味を、あなたの舌で確かめてみてください。


