スキムミルクを牛乳を代用する方法|換算式とパン・料理の失敗しないコツ

スキムミルクを牛乳の代わりに使う方法を示す換算式入り解説画像(スキム1g+水9g=牛乳10g) 乳製品
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スキムミルク(脱脂粉乳)は低脂肪で保存性に優れ、牛乳の代わりに使える便利な食材です。本記事では「スキムミルク 牛乳 代用」を主軸に、正しい換算式(スキム1g+水9g=牛乳10g)の解説、パンやパスタ・グラタンでの水分調整の実践テク、すぐ使える計算ツールと写真付きの比較実験まで、家庭で失敗しない方法をわかりやすくまとめます。

はじめに:スキムミルク(脱脂粉乳)とは何か

スキムミルクは牛乳から脂肪分を除き、乾燥させた粉末です。低脂肪・低カロリーでありながら、タンパク質やカルシウムは牛乳とほぼ同等に含まれるため、保存性や栄養面で優れています。家庭の備蓄や料理の代替として利用価値が高い食材です。

スキムミルク(脱脂粉乳)の粉末を示す画像
スキムミルクの粉末とその特徴。

食品表示や製品により推奨の溶解比率が異なる場合があります。製品パッケージの指示を優先してください。

スキムミルクと牛乳の栄養比較(100mlあたりの目安)

項目スキムミルク(再構成100ml相当)牛乳(全乳100ml)
カロリー約35kcal約67kcal
脂肪0.1g未満3.8g
タンパク質約3.4g約3.3g
カルシウム約120mg約110mg

スキムミルクは乳脂肪を除去しているため、カロリーと脂肪を抑えつつ、重要な栄養素は補えるため、健康志向や備蓄用途に適しています。

最重要:牛乳をスキムミルクに置き換える「換算式」

新鮮な牛乳のグラスとボトル|朝食やカルシウム補給のイメージ
新鮮な牛乳で一日をスタート

料理や製菓で最も重要なのは水分の再現です。実務では次の換算を基本にしてください:

基本換算:スキムミルク 1g + 水 9g = 牛乳 10g

換算の使い方(例)

牛乳100gを代替する場合の計算:

  1. 牛乳量 100g × 0.1 = スキムミルク量 → 100 × 0.1 = 10(g)
  2. 水 = 牛乳量 − スキムミルク量 → 100 − 10 = 90(g)

したがって、スキムミルク10gを水90gで溶くことで、牛乳100g相当の再構成液ができます。

逆算(スキムミルク→牛乳相当)

スキムミルク10gがある場合は、加える水90gで 合計100g(牛乳100g相当) に戻せます。簡便に言うと「スキムミルク量 × 10 = 再構成牛乳量(g)」を目安にしてください。

※製品により溶解比率が微妙に異なるため、濃さの調整は味見で行ってください(料理用途ではやや薄めが扱いやすい)。

ここで使える:即席換算ツール

下のフォームで「牛乳→スキム」と「スキム→牛乳」をすぐに計算できます。牛乳(g) → スキム(g) + 水(g)

g 計算する


スキム(g) → 再構成牛乳(g) と水(g)

g 計算する

実務的な応用ポイント(パン・ソース・飲用それぞれのコツ)

パン作り(ベーカリー・家庭用ともに)

家庭でパン作りをしている様子の画像
家庭で楽しむパン作りの様子。
  • 生地が乾きやすくなるので、元の牛乳量の同量またはやや多めの水分で調整。上で示した換算を基本に、最終の生地の硬さを見て水を5〜10g単位で調整してください。
  • コクが足りないと感じる場合は、バターを2〜5g追加するか、卵黄を少量加えると仕上がりが良くなります。
  • ホームベーカリーではスキム粉末を粉類と一緒に投入し、液体(計算した水)を投入してください。溶かした液体を使うよりも扱いやすい場合があります。

ソース・クリーム系(グラタン・ホワイトソース)

  • スキムミルクは油脂分がないため、ベシャメルでは分離しやすいことがあります。小麦粉でルーを作る際にバターを必ず使い、最後にチーズや少量の生クリーム(またはオリーブオイル)でコクを補うと滑らかになります。
  • 加熱中は強火を避け、ゆっくりととろみを付けるとダマになりにくいです。
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飲用(そのまま牛乳の代用)

  • 飲用にする場合は、粉をぬるま湯で先に溶かし、冷水で希釈する方法がダマを防ぎます。冷たい牛乳風に飲むには溶かした後に冷やしてください。
  • 甘みが欲しい場合はハチミツや砂糖を少量足すと飲みやすくなります。

すぐ使える実践レシピ(牛乳→スキム代用で作る)

基本の食パン(1斤)

特長:牛乳なしでもふんわり。スキムミルクを再構成して使用。

材料

  • 強力粉:250g
  • スキムミルク:9g(牛乳90gの代用)
  • 水:80g + スキム再構成用の水81g → 合計161g(下記で計算)
  • 砂糖:20g
  • 塩:3g
  • バター:15g
  • ドライイースト:3g

解説(換算の内訳)

レシピ元が牛乳90gを要求している場合、代用は次のように計算します。

  1. 牛乳90g × 0.1 = スキム9g
  2. 再構成用水 = 90 − 9 = 81g

このレシピではさらに生地の水分調整で水80gを指定しているため、計算上の合計水分は80g(生地用水)+81g(スキムの溶解水)=161gになります。実際の操作では、先にスキム9gを81gのぬるま湯で溶かし、それを生地の水として使用してください。

手順

  1. ぬるま湯81gにスキムミルク9gを溶かし、ダマが無いようにして冷ます。
  2. 強力粉、砂糖、塩、ドライイースト、溶かしたスキム液、残りの水80g、バターをホームベーカリーに入れ、標準モードで焼く。
  3. 焼き上がり後は粗熱を取ってカット。

簡単ヘルシー・カルボナーラ風(2人分)

  • パスタ:200g
  • ベーコン:100g
  • スキムミルク:100g(牛乳100gの代用 → スキム10g+水90gで再構成)
  • 卵黄:1個、チーズ:大さじ2、黒こしょう

火を止めてから卵とスキムを合わせたものを素早く絡め、分離を防ぎます。チーズ量はお好みで調整してください。

よくある質問(FAQ)

Q1:スキムミルクはそのまま飲めますか?

A:はい。メーカー指定の比率で水に溶かせば飲用可能です。味は低脂肪なのでやや軽めです。飲みやすくするには少量の砂糖やハチミツを加えると良いでしょう。

Q2:スキムで代用すると栄養が落ちますか?

A:脂溶性ビタミン(AやD)は若干少なく感じる場合がありますが、タンパク質とカルシウムは十分です。必要ならビタミン強化された製品を選ぶか、レシピで油脂や卵を補うと栄養バランスが取りやすいです。

Q3:粉がダマになりやすい時の対処法は?

A:ぬるま湯で先に溶かし、ふるいにかけるかホイッパーでよく混ぜてから使用してください。熱湯ではタンパク質が凝固してダマになりやすいので避けます。

編集後記(現場の視点からのまとめ)

  • 換算の基本:牛乳100g=スキムミルク10g+水90g(スキム1:水9)。まずはこの計算式を覚える。
  • パン・料理の注意点:風味が薄くなるため油脂(バター等)でコクを補う/水分はレシピよりやや多めに調整。

現場での経験から言うと、スキムミルクは「計算と工夫」で驚くほど有用な代替品になります。特に災害備蓄やコスト管理、低脂肪のメニュー作成では強い味方です。一方で「コク」「滑らかさ」を求める用途には一工夫(バターや卵、少量の生クリーム)を入れると満足度が大きく上がります。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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