ブルーチーズは、Penicillium属の青カビで熟成された独特の風味とクリーミーな食感が魅力のチーズです。ロックフォールやゴルゴンゾーラ、スティルトンといった代表的な銘柄はそれぞれ原料や風味が異なり、食べ方や相性の良い飲み物も違います。本記事では、「種類の見分け方」「安全な作り方のポイント」「栄養や健康面での注意点」「家庭でできる簡単レシピ」まで、酪農現場の視点も交えて丁寧に解説します。まずは自分に合うブルーチーズを見つけましょう。
ブルーチーズとは?基本の特徴
ブルーチーズ(青かびチーズ)は、主にPenicillium roquefortiやPenicillium glaucumなどの青カビ(アオカビ)を用いて熟成させるチーズです。牛乳・羊乳・山羊乳などを原料にし、内部に青い筋(モールド)や斑点が現れるのが最大の特徴。
- 味わい:塩味が効き、ピリッとした風味と芳醇な香り。製品によってはナッツやアーモンドのような後味を持つものもあります。
- 食感:クリーミーなものから硬めのものまで幅がある。熟成度合いで食感が変わる。
- 原料:牛乳が多いが、ロックフォールは伝統的に羊乳を使用。
補足:青カビは食品用に使われる菌株であり、食用として安全に管理されています(ただし特定の薬剤アレルギーや免疫低下のある方は注意)。

歴史と代表的な種類(世界三大ブルーチーズ)
起源と歴史の概略
ブルーチーズの起源ははっきりしませんが、洞窟での自然な熟成が発祥とされ、中世ヨーロッパで発展しました。洞窟の一定の温度・湿度が青カビの発育に適していたため、現在でも歴史的な産地では洞窟熟成が伝統として残っています。
世界三大ブルーチーズの特徴
- ロックフォール(Roquefort) — フランス
羊乳ベース。塩味が強く、クリーミーで深い風味。AOP(原産地呼称)で保護されている伝統的なブルーチーズ。 - ゴルゴンゾーラ(Gorgonzola) — イタリア
牛乳ベース。マイルドなタイプ(ドルチェ)からしっかり熟成したもの(ピカンテ)まで幅があり、甘みとクリーミーさが特徴。 - スティルトン(Stilton) — イギリス
牛乳ベース。風味はナッツやクリーミーなコクがあり、やや粉っぽさを感じるタイプもある。
その他、ダナブルー(デンマーク)やカブラレス(スペイン)など、国や乳種によって個性が豊富です。

ブルーチーズの作り方の基本(工場と家庭での違い)
工場での基本工程
- 原料の殺菌・調整(製法により非殺菌のものもあり)
- レンネットで凝固しカード(チーズの固形分)を形成
- カードを切ってホエー(乳清)を切る
- 成形・塩漬け
- 青カビ(Penicillium)を加え、型詰め
- 熟成:内部に空気を通すために針を刺す(ピアシング)ことが多い
家庭での簡易再現(注意点あり)
家庭で完全に同じ品質を出すのは難しいですが、市販のリネンやキット、もしくは種菌を使えば自家製ブルーチーズに近いものを作ることは可能です。ただし衛生管理と温度管理が重要で、食中毒やカビの異常繁殖を避けるために十分に注意してください。
家庭向け簡易レシピ(概略)
- 新鮮な牛乳に乳酸菌を加え、レンネットで凝固させる。
- カードを切り、水切りをして型に詰める。
- 表面に塩を振り、Penicilliumロキフォルティ種の種菌を混ぜる。
- 熟成庫や冷蔵庫で数週間〜数ヶ月熟成。適宜、針で空気を通す。
※家庭での製造はリスクを伴うため、初めての場合は市販のチーズメーカーキットを使うか、製造教室で学んでください。
栄養・健康効果と注意点
ブルーチーズは高カロリーですが、良質なタンパク質とカルシウムを含みます。100gあたりの目安値(製品により変動)として、カロリー約300〜400kcal、タンパク質20g前後、カルシウム400〜600mg程度が一般的です。
| 栄養素(100gあたり) | 目安量 |
|---|---|
| エネルギー | 約350 kcal |
| タンパク質 | 約18〜22 g |
| 脂質 | 約28〜35 g |
| カルシウム | 約400〜600 mg |
| 塩分(Na換算) | 高め(製品で差あり) |
期待される効果
- 骨の健康に寄与するカルシウム補給
- 発酵食品として微量栄養素や独自の風味成分が含まれる
- 研究段階の知見:ペニシリン様物質の抗菌性や一部健康効果の報告あり(確定的ではない)
注意点
- 高塩分・高脂質のため、摂りすぎに注意(1回の目安は10〜30g程度)
- ペニシリンやカビに対するアレルギーがある人は摂取を避ける
- 免疫抑制状態の方や妊娠中の方は、医師に相談する
おすすめの食べ方・組み合わせとレシピ
基本の楽しみ方
ブルーチーズは少量で満足感が出るため、まずは薄く切ってクラッカーやバゲットと合わせるのがおすすめ。蜂蜜やジャムなどの甘味と合わせると、塩味と甘味のコントラストが楽しめます。

相性の良いワイン・飲み物
- ポートワイン(甘口) — 塩味と甘味のバランスが抜群
- 甘口の白ワイン(アイスワイン等) — フルーティーさが合う
- 濃いめの赤ワイン — 熟成したタイプのブルーチーズと好相性
- ビール(スタウトやポーター) — ロースト感と合う
簡単レシピ:ブルーチーズと蜂蜜のブルスケッタ(2〜3皿分)
- バゲットを薄切りにしてトーストする。
- トーストに薄くオリーブオイルを塗る。
- ブルーチーズをちぎって乗せ、蜂蜜を少量かける。
- ナッツ(くるみ等)を散らして完成。
ポイント:蜂蜜はアクセント程度に。ブルーチーズの塩味・風味を引き立てます。
料理で使う場合のヒント
- ピザ:焼き上げ直前に散らすと香りが立つ
- パスタ:クリーム系ソースに溶かしてコク出し
- サラダ:クランブル状にしてロメインレタスや洋梨と合わせる
トレンド:SNSでは「ブルーチーズ+蜂蜜+ナッツ」の組み合わせが人気。短時間で映える一皿になります。
保存方法・購入時の選び方
購入時のチェックポイント
- 製造日・賞味期限を確認する
- 包装の状態(真空・ラップ)とカビの分布が自然かを確認
- 原料(牛乳・羊乳)と熟成表示(AOP等)をチェック
保存のコツ
- 冷蔵庫のチーズ専用室や野菜室の低温側で保存
- 乾燥を防ぐため、ラップで包んだ上に再度袋に入れるか、専用のチーズペーパーで包む
- 長期保存する場合は冷凍も可能(風味は落ちる) — 冷凍の際は小分けして保存
保存目安:開封後は2〜3週間程度を目安に消費するのが一般的(製品による)。
よくある質問(Q&A)
Q1: 妊娠中にブルーチーズを食べてもいいですか?
A: 基本的には、加熱調理(加熱して内部まで温める)すれば安全性が高まります。ただし、未熟なチーズや非加熱のものについては医師に相談してください。
Q2: ブルーチーズと白カビチーズの違いは?
A: 白カビチーズ(カマンベール等)は外側に白いカビ(Penicillium camemberti)を持ち、外側から熟成が進みます。ブルーチーズは内部に青カビが入り、内部から熟成が進む点が主な違いです。

Q3: ブルーチーズが苦手な人に試してほしい食べ方は?
A: チーズの量を少なくして蜂蜜やリンゴ、洋梨などのフルーツと合わせると、風味の強さを和らげつつ楽しめます。また、クリームチーズと混ぜるディップも食べやすいです。
まとめ:ブルーチーズを楽しむコツ
- ブルーチーズは青カビ(Penicillium)で内部を熟成させるチーズで、強い香りと塩味が特徴。
- 代表はロックフォール(羊乳)、ゴルゴンゾーラ(牛乳)、スティルトン(牛乳)で、風味・食感が異なる。
- 製法は凝固→成形→カビ接種→ピアシング(空気供給)→熟成。家庭で作る場合は衛生と温度管理が重要。
- 栄養面ではカルシウム・タンパク質が豊富だが、塩分と脂質が高いため摂取量に注意(目安10〜30g/回)。
- 食べ方は蜂蜜・ナッツ・フルーツと好相性。ポートワインや甘口ワインとも合わせやすい。
- 保存は低温・湿度管理が鍵。チーズペーパーやラップで乾燥を防ぎ、長期は冷凍(風味劣化あり)も可。
- 初心者は少量から試し、好みのタイプを見つけるのが◎。妊娠中・免疫低下時は医師に相談を。
参考:筆者は酪農現場での実務経験と、チーズ製造に関する勉強を通じて本記事を執筆しています。製造方法や栄養値は製品により差があるため、気になる点は商品ラベルや専門書を確認してください。
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