ショームチーズとは?特徴・歴史・美味しい食べ方・ペアリング完全ガイド

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ショームチーズ(Chaumes)は、フランス南西部で生まれたウォッシュタイプのチーズで、オレンジ色の表皮と濃厚な香りが特徴です。香りは強いものの味わいは意外にマイルドで、クリーミーな口当たりと奥深いコクを楽しめます。この記事では、ショームチーズの歴史、特徴、栄養価、そして美味しい食べ方までをわかりやすく解説します。

ショームチーズとは?

ショームは牛乳のみを用いるセミソフト〜ソフトタイプのウォッシュチーズ。外皮は明るいオレンジ色で、中身は淡いクリーム色。表皮を塩水や特有の菌で洗いながら熟成させることで、芳醇でありながら穏やかな香りが生まれます。名前の Chaumes はフランス語で「刈り株(stubble)」を意味します。

ウォッシュチーズ専門店の売り場
エポワスや個性的なウォッシュチーズが並ぶ専門店の売り場

歴史と由来

発祥はフランス南西部のサン=タントワーヌ=ド=ブロイユ(ペリゴール)。トラピスト系(修道院由来)の製法を踏襲しつつ、現代的な熟成管理で安定した品質を実現した比較的モダンなフランスチーズです。グループとしてはサヴァンシア(旧ボングラン)傘下のブランド群の一つとして世界展開されています。

ミニ知識:フランス国内ではスライスや「プチ・ショーム」、塗って食べられる「Chaumes la Crème(ショーム・ラ・クレーム)」といった派生商品も見られます。

青かび・ウォッシュ・白かび・セミハード・モッツァレラのチーズ食べ比べ
4種類のチーズを食べ比べ(青かび・ウォッシュ・白かび・セミハード・モッツァレラ)

味・食感・基本スペック

ショームの印象

  • 香り:ウォッシュチーズ特有の芳香は穏やかで親しみやすい
  • 味わい:ミルキーでコク、ほのかなナッツや蜂蜜のニュアンス
  • 食感:なめらかで弾力があり、口どけ良好

スペック早見表

分類ウォッシュリンド/セミソフト(牛乳)
産地フランス・ペリゴール(サン=タントワーヌ=ド=ブロイユ)
外観明るいオレンジ色の表皮、内部は淡いクリーム色
熟成約4週間
脂肪分乾燥重量比で約50%
原材料の一例低温殺菌牛乳、スターター、食塩、酵素/着色料(β-カロテン)など

※メーカーやロットにより表示は異なる場合があります。

熟成は概ね4週間で、食べ頃は皮がしっとりし香りがよく立つ頃。脂肪分はフランス基準で約50%(乾燥重量比)。穏やかな香りとやさしいコクから「ウォッシュ入門」にも最適とされます。

美味しい食べ方と簡単レシピ

まずは「そのまま」

室温に20〜30分戻し、バゲットやクラッカーと。はちみつや無花果、ローストナッツを添えると風味が引き立ちます。

加熱で“とろ旨”アップ

  • チーズトースト:パンに薄切りをのせ、オーブンで軽く色づくまで。黒胡椒とオリーブオイルをひとたらし。
  • グリル野菜に:温野菜やマッシュポテトにのせて余熱でとろり。
  • 簡単クロックムッシュ風:ハム+ショームを挟んで焼くだけで満足感◎

ポイント:熱を加えると香りが広がり、コクが増します。焼き過ぎず、とろけ始めで止めるのがコツ。

ワイン・ビールとのペアリング

ワイン

  • 軽めの赤(ガメイ、ピノ・ノワール)
  • 白(シャルドネ、シュナン・ブラン)
  • やや甘口(ジュランソン・モワルー など地域性も楽しい)

ビール&その他

  • ベルジャン・ブロンドやアンバー
  • サイダー(シードル)
  • 紅茶(アッサム系)— 乳脂のコクと好相性

ショームは「クセ控えめ・旨みしっかり」タイプ。果実味のある軽快な赤、樽要素のある白、芳醇なエール系ビールがハマります。グリルやトーストにして合わせると一段とまとまりが良くなります。

選び方・買い方

  • 表皮:しっとり艶があり、割れや過度な乾燥がないもの。
  • 香り:強烈なアンモニア臭は避ける(熟成オーバーのサイン)。
  • 形状:ホール・カット・スライス・プチサイズまで多様。用途に合わせて選ぶ。
  • 派生品:塗って楽しむ「Chaumes la Crème」も要チェック。

* 原材料表示に卵白リゾチームを含む場合があります(卵アレルギーの方は注意)。

保存方法と日持ち

冷蔵(チルド)で:カット面をラップで密着→紙で包んで呼吸を確保→密閉容器で冷蔵(5〜8℃目安)。におい移りを防ぎ、乾燥を抑えます。食べる30分前に室温へ。

開封後は風味が徐々に強まります。数日〜1週間を目安に。加熱調理用に切り分け、短期なら冷凍も可(解凍は冷蔵庫でゆっくり)。

よくある質問

Q. ショームは本当に“ウォッシュでも食べやすい”の?

A. はい。香りは穏やかで、口当たりはクリーミー&スプリングィー(弾力)。子どもにも人気と言われるほど親しみやすい味わいです。

Q. 皮(表皮)は食べる?

A. 基本は食べられます。香りが気になる場合は薄く取り除いてもOK。

Q. 料理には向く?

A. とても向きます。トースト、グラタン、じゃがいも、バーガー、サンドイッチなど「とろけて旨い」系に最適です。

エメンタールチーズ入りのグラタン
たっぷりのチーズが入った熱々グラタン

Q. 栄養面は?

A. チーズ全般と同様に、良質なたんぱく質・カルシウム・脂質を含みます。塩分は控えめではないため、食べ過ぎには注意を。

まとめ

ショームチーズは、見た目や香りの個性が強い一方で、口にするとまろやかで食べやすいウォッシュチーズです。栄養価も高く、ワインやパンと合わせて楽しむのに最適。チーズ初心者から愛好家まで幅広くおすすめできる魅力的なフランスチーズです。

参考情報

  • Cheese.com「Chaumes」— 産地・製法・語源などの要点解説。
  • Wikipedia EN「Chaumes」— 発祥地、熟成4週間、脂肪分50%などの基礎情報。
  • Savencia Fromage & Dairy — ブランド・グループ情報。
  • Gourmet Food Store「Chaumes」— 原材料表示・熟成目安の一例。
  • TasteAtlas「Chaumes」— 概要、派生製品「la Crème」言及。
  • Negociant PDXほか— 食べやすさ・ペアリングの実務的コメント。

本記事は上記の一次・準一次情報をもとに、編集部で試食・調理検証のうえ執筆しています。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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