「学校給食」新年度の牛乳価格入札不調―物価高騰が酪農業界に与える衝撃と対策

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概要:
新年度に向け、学校給食用牛乳の入札で深刻な不調が発生しています。富山県をはじめ、各地域で入札が成立せず、物価高騰による原乳価格、輸送費、人件費の上昇が背景にあります。本記事では、最新の業界動向と現場での対応策を、現酪農従事者の視点で徹底解説します。

犬さん
犬さん

富山県をはじめ、各地域で学校給食用牛乳の入札が成立せず、業界の厳しい状況が浮き彫りに。


学校給食市場の現状と重要性

  • 市場規模のポイント:
    農林水産省の統計によれば、国内牛乳生産量は約308万3180k L、そのうち学校給食用牛乳は約34万2804k L(約11%)を占めています。
  • 安定需要のメリット:
    学校給食は長期契約により安定した需要があり、酪農家や乳業会社にとって貴重な収入源です。しかし、今回の入札不調はその安定供給基盤に大きな打撃を与える可能性があります。
牛さん
牛さん

学校給食用牛乳って、酪農業にとってすごく重要!

キーワード: 学校給食、牛乳価格、入札不調、牛乳生産量、安定供給


物価高騰がもたらす牛乳価格の変動

原乳価格と乳製品向けの価格改定

ホクレンは2025年度の乳製品向け全用途で、乳価を1キログラムあたり3円引き上げると発表しました。特に、バターや生クリームなど需要の高い乳脂肪分用途では、さらに7円の引き上げが決定され、過去最大の改定幅となっています。
ポイント: 原乳価格の上昇は、学校給食用牛乳の入札価格にも波及し、価格調整が難航する一因となっています。

牛さん
牛さん

原乳価格上昇が入札に影響

キーワード: 原乳価格、乳製品、価格改定、乳脂肪分、ホクレン

輸送費、人件費、包装資材の高騰

  • 輸送コスト:
    特に北海道中標津で生産された牛乳を神奈川県横浜市へ輸送する事例では、燃料費や長距離輸送の人件費の上昇が懸念されています。
  • 包装資材:
    紙パックなどの包装資材の値上がりも、牛乳価格形成に大きな影響を与えています。
牛さん
牛さん

輸送費や包装資材の高騰が重なり、価格調整がますます難しくなっている現状。

キーワード: 輸送費、人件費、包装資材、コスト高騰、横浜市


経営への影響と現場の対応策

経営への影響

  • 安定供給の危機:
    学校給食用牛乳は、安定した需要に基づく契約が多い一方、入札不調が続くと取引先の縮小や余剰乳の発生につながります。酪農経営はいきもの相手の仕事なので急に生産量を減らしたり増やしたりすることができません。牛乳を生産するためには2年間の月日がかかっています。
  • 経営圧迫リスク:
    高騰する原料費や飼料費、その他生産コストとの乖離が、酪農家の採算悪化を招く恐れがあります。資料は輸入に頼っているため円安が加速している現在、支出の大半を飼料費が占めています。
牛さん
牛さん

学校給食用牛乳の入札不調が続くと、取引先の縮小や余剰乳の発生が懸念される。酪農経営は生き物相手なので、急に生産量を調整することはできないんだ。生産に2年かかるからこそ、長期的な影響が怖い!

キーワード: 経営影響、入札不調、採算、余剰乳、酪農家

現場での対応策と戦略

  • 自治体との協議強化:
    給食用牛乳の価格改定や補助金の拡充を求める交渉が進められています。各自治体では、補助制度を見直し、コスト上昇分を吸収する努力が続いています。
  • 生産コストの削減:
    ロボット搾乳、省エネ設備の導入、さらには自給飼料の活用など、生産現場では効率化とコスト削減への取り組みが進んでいます。
  • 販路の多角化:
    学校給食市場への依存度を下げ、直販や地元スーパー、宅配サービスなどを通じた販路拡大が模索されています。

キーワード: 自治体、補助金、コスト削減、ロボット搾乳、販路多角化


地域別事例:富山県と神奈川県横浜市の現状

富山県の入札状況

富山県内では、新年度の給食用牛乳約1600万本を確保するため、全32エリア中わずか2エリアで入札が成立。残る地域では3度目の入札が進行中で、今後の結果が注目されています。

犬さん
犬さん

富山県の給食用牛乳の供給確保が厳しくなっている状況、今後の動向が重要ですね。

神奈川県横浜市の輸送リスク

筆者の地元・横浜市では、タカナシ乳業が北海道中標津で生産した牛乳を供給しています。長距離輸送に伴うコスト増加が、給食用牛乳の安定供給に対する大きなリスクとして浮上しており、今後の価格改定や供給体制の見直しが求められています。

キーワード: 富山県、横浜市、入札状況、輸送リスク、タカナシ乳業


今後の展望と提言

  • 制度改革と補助金拡充:
    自治体が給食費補助の拡充や制度改革を進め、学校給食市場の安定供給を図ることが必要です。
  • 業界連携と技術革新:
    酪農業界全体での連携や最新技術の導入により、生産コスト削減と効率化を進めることが、長期的な経営安定の鍵となります。
  • 市場多角化の推進:
    学校給食市場以外の販路開拓(乳製品や直販ルートなど)を強化し、全体としての市場リスクを分散する戦略が求められます。

キーワード: 制度改革、補助金、技術革新、市場多角化、業界連携


まとめ

新年度に向けた学校給食用牛乳の入札不調は、原乳価格や輸送費、人件費などの物価高騰が背景にあります。富山県の入札不調や横浜市での長距離輸送リスクなど、地域ごとの課題が浮き彫りになっている中、自治体との協議、コスト削減、販路多角化といった現場での多角的な対応策が急務です。今後の制度改革と技術革新が、酪農業界の経営安定と学校給食市場の持続的な運営に大きく寄与することが期待されます。

犬さん
犬さん

今後の対応策が業界にどんな影響を与えるかが鍵になりますね。

この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

毎日牛乳1L飲んでます!

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