可消化養分総量(TDN)とは?飼料のエネルギー管理法

酪農

この記事では、「可消化養分総量(TDN)」について、解説しています。農業や家畜の飼料管理に興味がある方にとって、有益で実践的な内容を提供しています。この知識を身につけることで、動物の健康を守り、効率的に育てるための飼料選びができるようになります。


可消化養分総量(TDN)とは?

**可消化養分総量(TDN)**は、動物が食べた飼料から実際に消化し、エネルギーとして利用できる成分の合計を示す指標です。つまり、動物の健康や成長を支えるために、どれだけのエネルギーが飼料から取り出せるかを測る重要な値です。TDNが高いほど、その飼料は効率よくエネルギー源として利用できることになります。

  • 消化される成分炭水化物脂肪たんぱく質など、飼料に含まれる栄養素のうち、動物が消化してエネルギーとして使える部分
  • なぜ重要か:動物にとって必要なエネルギーがどれだけ得られるかを理解するために、飼料選びにおいて欠かせない指標です。

なぜTDNが重要なのか?

TDNは、動物が健康に育つため、または生産性を高めるために非常に重要です。動物が必要とするエネルギーを飼料から効率的に得ることができるかどうかが、その成長生産に直接影響します。

例えば、乳牛において、十分なエネルギーがなければ乳量が減少し、繁殖成績の低下という問題が起こります。TDNが高い飼料を選ぶことで、エネルギーをしっかりと供給し、動物のパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。

  • コスト効率の良い飼料:高いTDNを持つ飼料を選ぶことで、少量でも十分なエネルギーを供給できるため、飼料コストの削減にもつながります。

TDNの計算方法

TDNの計算方法は、飼料に含まれる主要な成分(炭水化物、脂肪、たんぱく質)の消化可能量を求め、その合計を算出することで決まります。計算式は少し複雑ですが、基本的には以下の通りです。

TDNの計算式

  1. 炭水化物の消化可能部分
  2. 脂肪の消化可能部分✖️2.25
  3. たんぱく質の消化可能部分

これらを加算することで、その飼料のTDN値を得ることができます。

1g=4:9:4kcal(1:2.25:1)


TDNを活用して効率的に飼料設計を行おう

TDNは、動物が摂取するエネルギー量を計算するために使います。これを活用することで、動物のエネルギー要求に応じた最適な飼料設計が可能になります。特に、乳牛や肉牛のような高いエネルギー需要がある動物にとっては、最適な飼料を選ぶことが非常に重要です。

  • 乳牛の飼料:乳牛に必要なエネルギーを効率的に供給するためには、高いTDNを持つ飼料が必要です。乳牛では一日40Lの乳生産受胎した子牛を育てるためのエネルギーが多く必要です。
  • 肉牛の飼料:肉牛の成長には高いエネルギーが求められます。TDNの高い飼料を選ぶよく肉を育てることができます。

結論:TDNを理解して、動物の健康と生産性を最大化しよう

TDN(可消化養分総量)は、動物が飼料から得られるエネルギー量を示す重要な指標です。これを理解することで、動物が健康に育ち、効率的に成長するための最適な飼料選びが可能になります。飼料設計を行う際は、TDNの高い飼料を選び、エネルギーを無駄なく供給することが大切です。

この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

毎日牛乳1L飲んでます!

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