2024年度 東北生乳販連のプール乳価125.81円に上昇|背景と影響を徹底解説

2024年度の東北生乳販連による乳価引き上げと受託量の変化を示すグラフと表 乳製品
東北生乳販連が2024年度の乳価を125.81円に引き上げ
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2025年7月25日、東北生乳販売農業協同組合連合会(以下、東北生乳販連)は2024年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の乳価を1kgあたり3.32円引き上げ、125.81円(税抜き)とすることを正式発表しました。一方で、生乳受託実績は45万1,661トンとなり、前年度比2%減少。この動きが酪農家の収益や東北地方の乳業チェーンにどのような影響をもたらすのか、データと背景を紐解きながらわかりやすく解説します。

牛さん
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2024年度の乳価が1kgあたり125.81円に3.32円の引き上げ決定!


1. 2024年度の乳価改定データまとめ

項目2024年度2023年度増減率
乳価(税抜き・1kgあたり)125.81円122.49円+3.32円(+2.7%)
生乳受託実績量451,661トン469,977トン−18,316トン(−2%)
  • 乳価上昇のポイント
    酪農家の主要収入源である生乳価格(プール乳価)が3.32円上がることで、1頭あたり(1,000kg生産と仮定)の年間収入は約3万3,200円アップ。経営改善に向けた大きな後押しとなります。
  • 受託実績の減少
    東北地方全体で生乳生産量がやや落ち込んだ要因には、全国的な飼料価格高騰や酪農家の高齢化による廃業・集約化も指摘されています。
牛さん
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プール乳価の引き上げは酪農家の経営改善に大きく貢献。


2. 乳価上昇の背景──なぜ今、価格が上がったのか?

2.1 飼料コストの変動

世界的な穀物相場の上昇に伴い、飼料価格が前年比で10%超の高騰。結果、生乳生産コストが上がり、加工メーカーが原材料価格を転嫁せざるを得ない状況が背景にあります。

牛さん
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世界的な穀物価格上昇で飼料コストが前年比10%以上の大幅高騰!

2.2 需要と供給のバランス

  • 内需の回復:外食・給食需要がコロナ禍以前の水準に戻りつつあり、乳製品全体の需要が増加傾向。
  • 生産量の減少:東北地方の生乳生産量は約2%減少。供給がタイト化する中で、乳価の上昇圧力が強まりました。
牛さん
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コロナ前の水準に戻りつつある需要が乳価上昇を後押し。


3. 東北生乳販連の役割と、今回の改定が示すもの

3.1 東北生乳販連とは

東北6県(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)の生乳を集荷し、大手乳業メーカーや卸売業者へ供給するJA組織の連合体。地域酪農の安定運営を支える重要な存在です。

牛さん
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東北6県の生乳を一手に集めるJAの大規模連合体!

3.2 乳価改定プロセス

  1. 総会での審議:2025年7月25日の通常総会で生産者代表とメーカー代表が協議。
  2. 業界動向の分析:国内外の需給動向、原材料コスト、輸出入動向を詳しく検証。
  3. 改定額の決定:酪農家の経営維持を第一に、適切な価格上昇幅を設定。
牛さん
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業界動向や需給バランス、コストを詳細に分析。


4. 酪農家への影響と今後の展望

4.1 経営面のメリット

  • 収益性の向上:生乳価格上昇により、粗利益率が改善。
  • 投資余力の増大:搾乳設備の更新や省力化機械への投資がしやすくなることで、長期的な生産効率アップを期待できます。
牛さん
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乳価上昇で酪農家の収益性が大幅にアップ!

4.2 注意すべきリスク

  • 原材料コストのさらなる変動:飼料や燃料価格の急騰が続く場合、追加のコスト転嫁が必要になる可能性。
  • 市場価格の変動:乳製品小売価格への転嫁タイミングによっては、消費者購買意欲に影響が出ることも。
牛さん
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乳製品の小売価格変動が消費者の購買意欲に影響

4.3 他地域との比較

  • 関東生乳販連:2025年度の飲用乳価は4円上昇。東北の改定幅(3.32円)とほぼ同水準で、全国的な価格上昇トレンドと言えます。
牛さん
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全国的に乳価が上昇しており、酪農業界全体が価格改定の波に乗る。

  • 北海道生乳販連:2024年度は1kgあたり2.8円上昇。東北に次ぐ堅調な改定となりました。
  • 四国販連:2025年7月25日に発表した2024年度のプール乳価が前年比+3.06円の139円91銭/kg(平均成分加算金1円61銭含む)に上昇したと報じています。
牛さん
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全国的な乳価上昇トレンドの中、四国地域も順調な価格改定。


5. まとめと今後のポイント

  1. 2024年度乳価は125.81円に上昇:酪農家1頭あたり約3万円の収入増。
  2. 生乳受託実績は2%減少:供給減少と需要増加が価格を押し上げた。
  3. 全国的な乳価上昇トレンド:東北・関東・北海道ともに同様の動き。
  4. 今後の注目点:飼料コストの推移、乳製品小売価格への影響、国際需給バランス。

東北地方の酪農を取り巻く環境は、国内外の原材料価格や消費動向によって大きく変動します。今後も定期的に発表される乳価や生乳生産量のデータをチェックし、経営戦略や投資計画に活かしていきましょう。

牛さん
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東北・関東・北海道も含め、全国的に乳価が上昇するトレンド。

🐄 関連情報:飲用牛乳WGのコスト指標作成

2025年7月、農林水産省(MAFF)設置の「牛乳WG(ワーキンググループ)」では、牛乳価格の透明化と公正な取引実現を目指し、新たなコスト指標の作成が本格始動しました。価格安定化や持続可能性を探る最新の動きを、以下の記事で詳しくご覧いただけます。


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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

毎日牛乳1L飲んでます!

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