ツラミ(牛ほほ肉)完全ガイド|部位・栄養・下処理・赤ワイン煮の作り方

牛の頰肉「ツラミ」の部位図と赤ワイン煮込み料理を紹介する解説画像 肉牛
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ツラミ(牛の頰肉)は、希少で旨味が凝縮された部位です。本記事では、部位の特徴や栄養、現場での下処理手順から、焼肉・赤ワイン煮に至るまで「温度・時間」を含めた具体的な調理法を写真とともに丁寧に解説します。初めて扱う方でも失敗しないコツを現場目線でお伝えします。

ツラミとは?部位の場所と特徴

ツラミ(頰肉・ほほ肉)は牛の顔の頰部分の筋肉で、1頭から取れる量はごくわずか(およそ1kg前後と言われることが多い)ため希少部位に分類されます。よく動かす筋肉のため筋(スジ)が多くコラーゲンが豊富。呼び名は地域や流通で「ツラミ/テガリ/カシラ/ほっぺ」などさまざま。ホルモン(副生物)扱いになることもありますが、取り扱い方は枝肉とは異なる点に注意が必要です。

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ツラミのカロリーと栄養素

ツラミは赤身中心で脂が適度に混ざるため、100gあたりのカロリーは中程度(目安:約250kcal)。タンパク質が豊富で、ゼラチン(コラーゲン)を多く含むため、肌や関節の健康にも貢献します。ビタミンB群、鉄分も含まれており、疲労回復や貧血予防の補助に向きます。

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取り出し・下処理の実務(現場ノウハウ)

現場で扱う際のポイントを箇条書きで紹介します。家庭でも再現しやすい手順です。

  1. 外見チェック:表面の余分な脂や血管を取り除く。
  2. スジの確認:太いスジ(白っぽい部分)がある場合は深めに切り取り、食感を整える。
  3. 筋切り(断面に格子状の切り込み):厚切りで煮込みに使う場合、筋切りで火の通りと食べやすさを改善。
  4. 切り分けの方向:食べる際の食感を考え、繊維を断ち切るように薄切りにする(焼肉向けは薄切り、煮込み向けは塊のまま)。
  5. 保存前処理:冷凍保存する場合は小分けにしてラップ+真空パックで酸化を防ぐ。

※下処理の際は清潔な器具とまな板を使用し、食品衛生に配慮してください。

調理法:焼肉・煮込み・タタキなど

焼肉(薄切り)での基本

焼肉向けは薄切り(約2〜3mm)が基本。表面を強火でサッと焼くことで香ばしさが出ます。目安は片面30〜60秒(焼き網やホットプレートの表面温度230〜260℃相当)。中心をレア〜ミディアムレア(中心温度約50〜58℃)で仕上げるとジューシーさが引き立ちます。

赤ワイン煮込み(塊でじっくり)

煮込みにするとゼラチン質が溶け出し、ホロホロの食感になります。低温でじっくり煮るのがコツです。家庭向けの目安は以下の通りです。

  • 下処理:表面を焼き色を付ける(中火で各面2〜3分)
  • 煮込み:ワイン+ブイヨンで弱火で85〜95℃程度(沸騰させない)を保ちながら2時間〜3時間煮込む
  • 仕上げ:ソースを煮詰め、仕上げにバターを加えると味が丸くなる

タタキ・炙り

薄切りをバーナーで軽く炙る(表面のみ高温で瞬間加熱)と、香ばしさと赤身の旨味が楽しめます。薬味(ネギ・にんにく)やポン酢でさっぱり食べるのもおすすめです。

プロ仕様レシピ(温度・時間を明記)

A:ツラミの赤ワイン煮込み(4人分)

材料:ツラミ塊500g、赤ワイン250ml、水またはブイヨン300ml、玉ねぎ1個、人参1本、にんにく2片、トマトペースト小さじ1、ローリエ1枚、バター適量、塩・胡椒

手順:

  1. 塩胡椒で下味をつけ、強火のフライパンで全面に焼き色を付ける(各面2〜3分)。
  2. 圧力鍋を使わない場合:鍋に移し、赤ワインを注いでアルコールを飛ばす(中火で2分)。
  3. ブイヨンと野菜、ローリエを加え、弱火で85〜95℃を保ちながら2時間〜3時間煮込む(中心に串がすっと通るまで)。
  4. 煮上がり後、肉を取り出してソースを煮詰め、バターでつやを出す。肉は崩れるほど柔らかく、口当たりが滑らかになります。

ポイント:弱火でゆっくり煮ることでゼラチンが溶け、濃厚なコクが出ます。圧力鍋なら時間は約40〜60分が目安です。

B:ツラミの焼肉(薄切り・2人分)

材料:ツラミ薄切り200g、塩・胡椒・ごま油少々、ネギ塩ダレ(お好みで)

手順:高温に熱した鉄板またはフライパンで片面30〜60秒ずつ焼く。中心温度50〜58℃が目安。焼き過ぎると硬くなるため短時間で仕上げる。

購入・保存・解凍のコツ

  • 購入:精肉店や専門店での取り扱いは限られるため、事前に問い合わせて取り寄せを依頼するのが確実。通販で買う場合は冷凍状態と解凍方法を確認。
  • 冷凍保存:小分けにしてラップ→真空パックで-18℃以下で保存。品質保持のため3か月以内の使用がおすすめです。
  • 解凍:冷蔵庫で24時間かけて自然解凍。常温解凍は品質低下のリスクがあるため避ける。
  • 調理前:解凍後は余分な水分を拭き取り、常温に15〜30分戻してから調理すると均一に火が入ります。

よくある質問(FAQ)

Q:ツラミと「ほほ肉」は同じですか?

A:一般には同義で扱われますが、流通や地域で呼称が異なる場合があります。用途(煮込み向け・焼肉向け)でカット方法が変わります。

Q:硬い場合の対処法は?

A:煮込み時間を延ばす、または圧力鍋を使って短時間でコラーゲンを溶かすと柔らかくなります。焼肉は薄切りにして短時間で仕上げるのがコツです。

Q:どのくらいの頻度で食べるのが良いですか?

A:栄養素は豊富ですが脂も含むため、週1回程度を目安に多様な部位とバランス良く摂るのが健康的です。

まとめ:ツラミは“調理で化ける”希少部位

  • ツラミは1頭あたり少量しか取れない希少部位で、赤身の旨味とゼラチン質のコクが特徴。
  • 下処理(スジ取り・筋切り・小分け保存)を丁寧に行うことで、焼き物も煮込みも格段に仕上がりが良くなる。
  • 焼肉は薄切りで短時間(片面30〜60秒、中心温度50〜58℃)がベスト。煮込みは弱火で85〜95℃を保ち2〜3時間が目安。圧力鍋なら40〜60分でも可。
  • 購入は精肉店や通販で事前確認を。冷凍保存は小分け真空で-18℃以下、解凍は冷蔵で24時間が最適。
  • 本記事の実践ポイント(下処理手順・温度・時間)を守れば、家庭でもプロ品質のツラミ料理が楽しめます。

ツラミは少量しか取れない希少部位ですが、コラーゲン由来の濃厚なコクと赤身の旨味が同居する魅力的な肉です。下処理と温度管理さえ押さえれば、焼肉からとろける煮込み料理まで多彩に楽しめます。専門店でも家庭でも扱いやすいので、見かけたらぜひ一度試してみてください。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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