チーズとは?定義・歴史・作り方・種類・選び方を徹底解説

チーズとは 定義・歴史・種類・作り方・選び方を解説するチーズガイド画像 乳製品
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チーズは、世界中で愛される乳製品の代表格です。モッツァレラやカマンベール、チェダーなど、種類は1000以上。料理に欠かせないだけでなく、栄養価も高く、健康効果も期待できます。本記事では「チーズとは?」という基本的な定義から歴史、作り方、種類の分類、選び方のポイントまでを分かりやすく解説します。チーズ選びの参考にぜひご活用ください。

チーズの定義と栄養

チーズとは、牛・羊・山羊などの乳を原料に、乳酸菌(スターターカルチャー)やレンネット(凝乳酵素)を用いて乳タンパク質を凝固させ、ホエイ(乳清)を分離して固形物(カード)を作り、必要に応じて塩や菌を加えて熟成させた乳製品です。ナチュラルチーズ(非加熱の自然発酵製法)と、加熱・乳化処理で作られるプロセスチーズの二大カテゴリがあります。

青かび・ウォッシュ・白かび・セミハード・モッツァレラのチーズ食べ比べ
4種類のチーズを食べ比べ(青かび・ウォッシュ・白かび・セミハード・モッツァレラ)

主な栄養成分と健康面

  • タンパク質:良質なアミノ酸バランスを含む
  • 脂質:風味の元、熟成で変化する
  • カルシウム:骨や歯の健康に重要
  • プロバイオティクス:一部の発酵チーズに含まれる有益菌

摂取量に注意。脂質や塩分が高めの品種もあるため、用途や健康状態に応じて選びましょう。

リコッタ・クリームチーズ・フロマージュ・クレームエペス・モッツァレラの食べ比べ
リコッタチーズ・クリームチーズ・フロマージュ・クレームエペス・モッツァレラの風味を楽しむチーズ食べ比べ

チーズの歴史(世界と日本)

チーズの起源は古く、保存食として天然の容器(動物の胃袋など)を用いた記録が古代にまでさかのぼります。ヨーロッパでは修道院や地方の乳製造技術が独自に進化し、多様な種類が誕生しました。日本へは明治時代に西洋文化とともに導入され、戦後の食生活の多様化とともに普及しました。

さまざまな種類のチーズが並ぶ売り場
チェダーなど多彩なチーズが並ぶ売り場

チーズの作り方:基本工程(凝固・分離・熟成)

家庭用から工場生産まで、共通する基本工程は以下の3つです。

  1. 凝乳(カード化):牛乳を適温(例:30〜40℃)に保ち、乳酸菌で酸性化させ、レンネットを投入して固めます。
  2. 分離と成形:カード(固形)を切ってホエイを排出し、型に入れて圧搾します。必要に応じて塩を加えます。
  3. 熟成(アフェルマージュ):温湿度を管理しながら数日〜数年にわたって熟成。表面のカビや細菌が風味を作ります。
チーズの熟成過程
熟成中のチーズ

製造の専門的ポイント(現場目線)

  • スターターの種類と添加タイミングで酸味や香りが大きく変わる。
  • レンネット酵素の量と凝固時間でカードの硬さ・水分含有量が決まる。
  • プレス圧と時間がテクスチャー(弾力・穴など)に影響する。
  • 熟成環境(温度・湿度・換気)で白カビ、青カビ、ウォッシュなどの表情が決まる。

家庭で作れる簡単レシピ:カッテージチーズ(目安時間30分)

はじめて自宅でチーズを作るなら、加熱で凝固させるカッテージチーズが手軽です。

材料(1回分)

  • 牛乳 1L(できれば低温殺菌乳)
  • 酢(またはレモン汁) 大さじ2
  • 塩 少々

作り方

  1. 鍋で牛乳をゆっくり加熱し、80℃手前で火を止める(沸騰させない)。
  2. 酢を加えてゆっくり混ぜるとカード(固形)とホエイに分離する。
  3. 布(チーズクロス)で濾して水分を切り、塩で味を整える。冷やせば完成。

ポイント:加熱温度と酢の量を調整すると固さが変わります。低温でゆっくり加熱するのが失敗を減らすコツ。

チーズの種類と特徴(代表的な7タイプ)

ナチュラルチーズは製法や熟成度で大別できます。以下は実務・料理で役立つ分類と用途です。

1. フレッシュ(非熟成)タイプ

モッツァレラ、リコッタ、クリームチーズ等。水分が多く、加熱でとろけやすい。サラダやピザ、デザート向け。

カプレーゼサラダ
モッツァレラとトマトのカプレーゼ

2. 白カビタイプ

カマンベール、ブリー。外側に白カビ(Penicillium camemberti)を育て、クリーミーで芳醇な香り。ワインや果物と好相性。

白かびチーズと青かびチーズが並ぶ海外のチーズ売り場
カマンベールやブルーチーズが並ぶ海外のチーズ売り場

3. 青カビタイプ

ゴルゴンゾーラ、ロックフォール。内側に青カビが入ることで塩味とスパイシーさを持つ。サラダや肉料理にアクセント。

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4. ウォッシュ(洗浄)タイプ

エポワス、マンステール等。塩水やアルコールで洗うことで強い香りと濃い風味が出る。ビールや濃い赤ワインに合う。

ウォッシュチーズ専門店の売り場
エポワスや個性的なウォッシュチーズが並ぶ専門店の売り場

5. シェーブル(山羊乳)タイプ

山羊乳由来のチーズは独特の酸味と軽やかな風味。サラダや軽い前菜向き。

スーパーで販売されている山羊のチーズ パッケージ
海外のスーパーで見かける市販の山羊のチーズ

6. セミハードタイプ

ゴーダ、チェダー。弾力があり加工にも向く。日常使いに最適でグラタンやサンドイッチに。

オランダ ゴーダチーズの丸いブロックとカット断面
オランダ産ゴーダチーズの全体とカット断面

7. ハード・長期熟成タイプ

パルミジャーノ・レッジャーノ、グラナ・パダーノ。長期熟成で旨味と塩味が凝縮。削ってパスタやリゾットへ。

プロセスチーズは加熱と乳化剤によって安定性と保存性を高めた製品で、子ども向けのスナックや業務用に多く使われます。

カチョ・エ・ペペ
パルミジャーノ・レッジャーノチーズと黒胡椒のシンプルパスタ

チーズの選び方・保存・ペアリングの実践ポイント

用途別に選ぶ

  • 加熱料理(ピザやグラタン):モッツァレラ、ゴーダ、チェダー
  • ワインのお供:カマンベール(白カビ)、ブルーチーズ(青カビ)
  • パスタや削り用:パルミジャーノ系(ハード)
  • チーズフォンデュ:エメンタール、グリュイエール
チーズフォンデュとフランスパン・ブロッコリー・にんじん・じゃがいも/ソーセージ
チーズフォンデュとディップ用の具材

好みと乳種で選ぶ

牛乳はコク、羊乳は濃厚さ、山羊乳は爽やかな酸味が特徴。初めてならマイルドなセミハードやフレッシュタイプから試すのがおすすめです。

保存方法の基本

  • フレッシュ:冷蔵で数日以内に消費。水分を逃がさないようラップで包む。
  • 熟成系(白カビ・青カビ):乾燥を防ぎつつ通気を確保。包装は穴あき包装やペーパーで。
  • ハード:長期保存可。乾燥部分は切り落として使用可能。

ペアリングの基本

甘味・酸味・塩味のバランスを考える。例:白ワインは白カビやフレッシュと相性良し、赤ワインはセミハードやハード、ビールはウォッシュやブルーにも合う。

よくある質問(FAQ)

Q. チーズの賞味期限はどれくらい?

A. フレッシュは短く数日〜1週、ハードは数ヶ月〜年単位。ラベルの賞味期限を確認し、開封後は早めに消費してください。

Q. チーズは冷凍できる?

A. 可能ですが食感が変わることがあります。加熱調理用なら冷凍が実用的です。

Q. 家庭でカビが生えたらどうする?

A. 白カビタイプの表面はカビが本来のものであることが多いが、異臭や変色がある場合は廃棄を検討してください。ブルーチーズ以外で内部に不自然な変色があれば危険です。

まとめ:チーズをもっと楽しむために

チーズとは、乳を原料に乳酸菌や酵素で凝固させて作られる発酵食品で、栄養価も高く保存性にも優れた食材です。歴史は古代から始まり、ヨーロッパを中心に多様な種類が発展しました。作り方は「凝固・分離・熟成」の基本工程で、自宅でも簡単に作れるレシピがあります。種類はフレッシュ、白カビ、青カビ、ウォッシュ、シェーブル、セミハード、ハードに大きく分かれ、それぞれ特徴が異なります。選び方のポイントは、用途・好み・保存性を考慮し、自分のライフスタイルに合ったチーズを選ぶことです。正しい知識を持つことで、チーズをもっと美味しく楽しめます。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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