2025年6月10日、岐阜県神戸町にある東海牛乳本社工場が低温菌による品質異常を理由に稼働を停止。約450万本の自主回収が行われ、酪農家から出荷された生乳の余剰が深刻な問題となりました。しかし6月25日から、群馬県の自主流通大手・MMJ(Milk Market Japan)が、北海道のちえのわ事業協同組合(根室地方別海町)から1日約20トンの余剰乳を受け入れ、廃棄ゼロを目指す新たな流通モデルで再配分を開始。これにより、生乳廃棄を回避し、酪農家の経済的打撃を最小限に抑える取り組みが本格化しています。

MMJが余剰生乳を再配分、1日20トンの受け入れ体制を構築!
1. 東海牛乳工場停止の背景と影響
- 停止日時・場所
2025年6月10日、岐阜県神戸町の東海牛乳本社工場が稼働停止。 - 原因
製造ライン内で検出された低温菌による品質異常。 - 自主回収規模
- 2025年5月30日出荷分:約230万本
- 2025年6月10日出荷分:約220万本
計約450万本を対象に、関東・東海・北陸・関西の2県12市町村で回収が実施されました。
- 生乳余剰の発生
自主回収に伴い、工場へ送られる予定だった生乳が行き場を失い、北海道のちえのわ事業協同組合でも保管余力を超える余剰が発生。
このままでは、多くの生乳が廃棄されるだけでなく、酪農家の収入減少が避けられない事態に。そこで再び注目を集めたのが、MMJとちえのわ事業協同組合の「再タッグ」です。

生乳が余っても、簡単には保存できないのが現実…
2. MMJ×ちえのわ事業協同組合──再タッグの仕組み
2.1 MMJの“廃棄ゼロ”流通モデル
- 直接仕入れ
ちえのわ事業協同組合から、生乳を中間マージンを挟まずに直接購入。 - 迅速検査
群馬県伊勢崎市のMMJ集荷基地で、納入から24時間以内に品質検査を実施。 - 再配分
合格した生乳を、全国の乳製品メーカーや加工施設へ輸送・提供。 - トレーサビリティ確保
生乳の出どころから最終製品まで、一貫した品質管理システムで追跡可能。
このモデルにより、廃棄を最小限に抑えつつ、酪農家への還元率を向上。従来の指定団体(JAなど)を介さない独立系流通の強みを最大限に生かしています。

合格した生乳は、全国の乳製品メーカーに再配分されるよ
2.2 再連携の経緯
- 過去の協力実績
MMJとちえのわは2019年にも、生乳余剰問題で連携実績あり。 - 迅速な合意形成
今回は工場停止発表から15日後には供給開始というスピード体制。 - 受け入れ量
1日あたり約20トン。これはちえのわ組合員約50軒分の1日の生乳出荷量に相当します。

今回は工場停止から15日で再び供給スタート!
3. 業界への波及効果とメリット
3.1 酪農家の損失回避
- 経済的打撃の軽減
生乳廃棄ゼロを目指すことで、原料価格の下落リスクを回避。 - 安定収入の確保
再配分された生乳は加工原料として使用され、収益化につながります。

経済的損失が抑えられるのは、本当にありがたい…
3.2 新たな流通ネットワークの構築
- 独立系流通の拡大
指定団体に依存しない生乳流通チャネルが強化。 - 競争力向上
複数の流通ルートを持つことで、価格競争や品質競争が促進され、業界全体の活性化に寄与。

JAだけじゃない流通があると、自由度がグッと上がるね

メリットもありますが、今回の東海牛乳工場停止のような流通リスクもあります!詳しくはこちらの記事から
3.3 消費者・社会への影響
- 安定供給
品質検査をクリアした生乳が加工品として市場に供給され、消費者の安全・安心を確保。

しっかり検査された生乳なら、安心して買えるね!
4. 今後の展望と課題
4.1 さらなる流通モデルの拡大
今回の再タッグ成功を受け、他地域の余剰生乳でも同様の連携体制を整備。災害時や突発的な品質問題への応用も期待されます。

この仕組みがあれば、“捨てる牛乳”を減らせるね!
4.2 品質管理・コスト最適化
- オンライン検査データ共有
AIによる菌検出の自動化で、24時間以内の検査精度向上を図る。 - 輸送コスト削減
廃棄ロス低減分を活用し、冷蔵輸送ネットワークの効率化を追求。

検査精度が上がれば、もっと安心して飲めるね
4.3 政策・制度との連携
生乳流通の多様化を推進する国・地方自治体の補助制度や規制緩和策とのマッチングを図り、持続可能な酪農経営を支援していくことが重要です。

国や自治体の支援があると、酪農も安心して挑戦できる!
まとめ
東海牛乳工場の停止という緊急事態に対し、MMJとちえのわ事業協同組合が迅速に再タッグを組んだことで、1日約20トンもの余剰生乳が再配分され、生乳廃棄の大幅な回避に成功しました。独立系流通モデルの強みを活かし、酪農家の経済的損失を最小限に抑えつつ、業界全体の安定化と競争力向上に寄与。今後は同様の仕組みを全国に広げ、品質管理とコスト最適化を進めることで、持続可能な酪農業の未来を切り拓いていきます。

酪農家の経済的損失を最小限に抑え、業界の安定に貢献!
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