ペコリーノ・ロマーノは、羊の乳から作られるイタリアの伝統的な硬質チーズ。塩気とシャープな旨味が特徴で、パスタの仕上げに使えば料理全体が引き締まります。本記事では起源や伝統的な製法、代表的な使い方・レシピ、栄養情報や購入・保存のコツまで、分かりやすく実践的に解説します。
1. ペコリーノ・ロマーノとは?基本の特徴
ペコリーノはラテン語で「羊(pecora)」を意味し、ロマーノは「ローマの」を示します。羊乳由来のため、牛乳チーズとは風味が異なり、塩味と羊乳特有のコクが強いのが特徴。EUのPDO(原産地保護)指定を受けており、伝統製法や産地が保護されています。主な生産地はラツィオ州とサルデーニャ州です。


2. 歴史:古代ローマから続く伝統
起源は古代ローマ時代にさかのぼり、保存性が高く栄養価も高いことからローマ軍の携行食として重宝されました。長期保存できること、塩味が強くエネルギー源として優れていた点が評価され、やがて地方の特産品として発展していきました。近代以降は国際的にも知られるようになり、現在はPDOで品質が守られています。
3. 製造方法:どんな作り方をしている?
基本は羊乳を原料に、動物性レンネット(子羊のレンネット)で凝固させ、型に入れてプレス・塩漬け・熟成します。熟成期間は用途によって変わり、一般的に最低5ヶ月、すりおろして使うタイプは8ヶ月以上熟成されることが多いです。熟成が進むほど風味は強く、硬さも増します。

4. 味の特徴とパルミジャーノとの違い(Pecorino Romano vs Parmesan)
ペコリーノ・ロマーノ:羊乳由来で塩味が強くシャープ。溶けにくくすりおろして使うことが多い。
パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmesan):牛乳由来でナッツのような甘みと旨味があり、旨味の層が厚い。どちらもパスタに合いますが、味わいの方向性が異なります。
5. 使い方と代表レシピ(すぐ作れる本格レシピ付き)
カチョ・エ・ペペ(Cacio e Pepe)― シンプルで最高の相性
材料(2人分):スパゲッティ160g、ペコリーノ・ロマーノ(すりおろし)40g、黒胡椒(粗挽き)小さじ1〜2、塩(湯用)適量、パスタの茹で汁100ml程度。
作り方:1) 太めの鍋で湯を沸かし、塩を入れてパスタを表示時間より1分短めに茹でる。 2) 茹で汁を保存しておく。フライパンに粗挽き黒胡椒を入れて軽く煎る。 3) 火を止め、茹で上がったパスタと茹で汁少量を加えながら、すりおろしたペコリーノを少しずつ加え、乳化させる。ソースがとろりと絡んだら皿に盛る。
コツ:温度を下げすぎず、茹で汁のデンプン質で乳化させること。チーズを一度に大量投入するとダマになりやすいので少量ずつ混ぜる。

カルボナーラ(Pecorinoで作る本格派)
材料(2人分):スパゲッティ160g、グアンチャーレ(またはパンチェッタ)50g、卵黄2個+全卵1個、ペコリーノ・ロマーノ40g、黒胡椒適量。
作り方:1) パスタを茹でる。2) フライパンでグアンチャーレをカリッと炒める。3) ボウルで卵液とすりおろしたペコリーノ・ロマーノを混ぜる。4) 茹で上がったパスタをフライパンで和え、火を止めてから卵液を加え素早く混ぜる。余熱でとろっと仕上げる。
アマトリチャーナ
酸味のあるトマトソースにグアンチャーレの旨味、仕上げにペコリーノを振って完成。ペコリーノの塩気がソースを引き締めます。
6. 栄養情報(目安)
以下は一般的な目安(100gあたり)です。商品によって差がありますので、購入時の栄養表示を確認してください。
| 栄養素 | 100gあたり(目安) |
|---|---|
| エネルギー | 約400 kcal |
| たんぱく質 | 約20 g |
| 脂質 | 約30 g |
| 炭水化物 | 約0 g |
| カルシウム | 高め(商品により変動) |
| 塩分 | 高め(摂取量に注意) |
ポイント:高タンパクでカルシウムが豊富ですが塩分が強いので、1回の使用量は意識して調整しましょう。高血圧など塩分制限がある方は医師に相談してください。
7. 購入・保存のコツと代替チーズ
購入時はラベルで「Pecorino Romano」やPDO表記を確認すると本物に近い品質が得られます。塊で買って小分けにして冷蔵保存(ラップ+密閉容器)すると風味が長持ちします。代替としては風味が似ているペコリーノ・サルド、または強めの味が欲しい場合はパルミジャーノと混ぜて使う手もありますが、羊乳独特の風味は代替品では完全には再現できません。
8. よくある質問(FAQ)
Q. ベジタリアンは食べられますか?
A. 伝統的なペコリーノ・ロマーノは動物性レンネットを使うため一般的にベジタリアン向けではありません。ベジタリアン向けのレンネットを使った製品がある場合もあるので、ラベルを確認してください。
Q. どのパスタに合いますか?
A. カチョ・エ・ペペ、カルボナーラ、アマトリチャーナなど、味のしっかりしたトマト系や胡椒系のパスタと相性が良いです。
9. まとめ:ペコリーノ・ロマーノを活用しよう
- 起源と特徴:古代ローマ期に起源を持つ羊乳チーズで、塩味が強くシャープな旨味が最大の特徴。PDO指定で伝統が保護されている。
- 製法と熟成:羊乳を動物性レンネットで凝固→塩漬け→最低5ヶ月(すりおろし用は8ヶ月以上)熟成。熟成で風味と硬さが増す。
- 味と比較:パルミジャーノ・レッジャーノは牛乳由来でナッツ風味、ペコリーノは羊由来でより塩味・シャープ。用途に応じて使い分けるのがコツ。
- 代表レシピ:カチョ・エ・ペペ、カルボナーラ、アマトリチャーナが定番。すりおろして仕上げに使うと効果的。調理のコツは「少量ずつチーズを加えて乳化させる」こと。
- 栄養と注意点:高タンパク・カルシウム豊富だが塩分は高め。高血圧などある場合は摂取量に注意。製品ラベルで栄養成分を確認する。
- 購入・保存:ラベルで「Pecorino Romano」やPDO表記を確認。塊で買い、小分けにしてラップ+密閉容器で冷蔵保存すると風味が長持ち。
塩味とシャープな旨味が特徴のペコリーノ・ロマーノは、シンプルな調理で真価を発揮するチーズです。すりおろして仕上げるだけで料理全体が引き締まります。初めて使うときは少量ずつ足して味を見ながら使うと失敗が少ないです。ぜひ基本のカチョ・エ・ペペから試してみてください。
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