チーズはカルシウムや良質なたんぱく質を含む栄養価の高い食品です。一方で乳脂肪に由来する「飽和脂肪酸」が多く含まれ、健康を気にする方は摂取量をどう調整すればよいか悩むことが多いです。本記事では種類別の含有量、エビデンスに基づく健康影響、そしてダイエット中や日常での実践的な摂取法をわかりやすく解説します。
1. 飽和脂肪酸とは? チーズに多い理由
飽和脂肪酸は炭素鎖に二重結合を持たない脂肪酸で、室温で固まりやすい性質があります。乳製品(牛乳由来)の脂肪は飽和脂肪酸の割合が高いため、チーズは一般に飽和脂肪酸を多く含みます。短鎖脂肪酸(例:酪酸)や中鎖脂肪酸も含まれ、これらは代謝上の特徴を持つ一方、総量が増えると血中のLDL(悪玉)コレステロールを上げる可能性があるため注意が必要です。

2. チーズの種類別:飽和脂肪酸の目安(100gあたり)
以下は代表的なチーズの目安値です(製品差あり)。表内の値は一般的な食品データベースの代表値を基にしています。
| チーズの種類 | 飽和脂肪酸(g/100g) | 備考 |
|---|---|---|
| チェダーチーズ (Cheddar) | 約21 g | 濃厚で風味が強く少量で満足感あり。製品差大。 |
| クリームチーズ | 約20 g | 高脂肪。ベーグル等で使う量が多くなりやすい。 |
| カマンベール | 約15 g | 白カビタイプ。塩分や脂肪は中〜高め。 |
| プロセスチーズ(スライス等) | 約15–18 g | 乳化剤や添加物が含まれる製品あり。 |
| モッツァレラ(part-skim) | 約10–11 g | 低脂肪タイプは飽和脂肪が少なめ。 |
| フェタ(Feta) | 約14–20 g(28gあたり約4 g) | 塩分が高めなので注意。 |
| コテージチーズ(低脂肪) | 約1–3 g(カップ当たり) | 低脂肪・高たんぱくでダイエット向き。 |
出典(代表値):米国農務省データベースや主要栄養サイトの代表値を参照。個々の製品ラベルで確認してください。

3. 飽和脂肪酸が健康に与える影響(最新の研究まとめ)
伝統的な見解:飽和脂肪酸はLDL上昇・心疾患リスクの増加と関連
飽和脂肪酸の摂りすぎは血中LDLコレステロールを上げ、長期的に心血管疾患リスクを増やすとされてきました。アメリカ心臓協会(AHA)は、コレステロールを下げる目的のある人に対して飽和脂肪を総エネルギーの5〜6%未満に抑えることを推奨しています。
ただし「チーズ」は個別に評価される傾向がある
近年の観察研究やメタ解析では、「チーズの摂取量」と心血管疾患リスクの関係は単純ではないことが示されています。複数の大規模レビューでは、チーズ摂取が必ずしも心血管リスクを上げず、適量(例:約40g/日)であればリスク低減あるいは中立である可能性が報告されています。つまり、食品としての「マトリックス(含有成分の相互作用)」が影響している可能性が指摘されています。
「チーズ・マトリックス」効果
同じ脂肪量を別の食品で摂った場合と比べ、チーズに含まれるカルシウム・タンパク質・発酵成分などが脂質代謝や血中脂質への影響を変える可能性が報告されています。これにより、チーズ単体の飽和脂肪酸が示すリスクが相対的に小さくなる場合があるとする研究が増えています。とはいえ個人差や製品差が大きく、過剰摂取は避けるべきです。
4. 日本基準と実用的な摂取目安(1日あたりの目安)
日本の食事摂取基準(厚生労働省)では、成人における飽和脂肪酸の目標量は総エネルギー比で概ね 7%以下 を目安としています(年齢で若干の差あり)。
国際的にはWHOが飽和脂肪酸を総エネルギー比で 10%未満 に抑える指針を示しており、AHAはリスクがある人でさらに低め(5〜6%)を示唆しています。どの基準を目指すかは個人の背景(既往、年齢、BMI、総エネルギー摂取など)によって変わります。
実用例:チーズの目安量
- 一般的な目安として:1日あたり約30〜40 g(スライス1枚〜2枚、約1オンス〜1.5オンス) を超えないようにすることで、飽和脂肪酸の過剰摂取リスクを下げやすいです。複数のメタ解析では、約40 g/日がリスクと利益のバランスが良い点として示されています。
- ダイエットや心疾患予防が目的で、より保守的にしたい方は 20〜30 g/日 を目安にし、低脂肪タイプや風味の強いハードチーズを少量使う工夫をすると良いでしょう。
5. ダイエット中・健康志向の人向け:選び方と食べ方の実践テクニック
- 低脂肪タイプを賢く使う:コテージチーズ、パートスキム(脱脂)モッツァレラ、低脂肪リコッタなどは飽和脂肪が低く、たんぱく質が豊富。満腹感を得つつ脂肪摂取を抑えられます。
- 「味を乗せる」使い方:風味の強いパルメザンやチェダーなどは少量で満足感が出るため、使用量を減らしても満足度を保てます。料理にちょっと振りかける用途がおすすめ。
- 野菜や全粒穀物と組み合わせる:食物繊維が多い食材と一緒に食べると満足感が上がり、総摂取カロリーを抑えやすいです。サラダにフェタを少量、全粒パンに薄くのせる等。
- 発酵成分を活用:発酵乳製品(ヨーグルト、ケフィア)と組み合わせることで腸内環境を整え、チーズの恩恵を活かしやすくなります。ただし総カロリーは管理を。
- ラベルを必ず確認:製品によって脂肪・飽和脂肪・塩分が大きく異なります。塩分過多は血圧面でのリスクになるため、心疾患や高血圧がある方は低ナトリウム表示の製品を選びましょう。

よくある質問(FAQ)
Q. 「飽和脂肪酸は全て悪いの?」
A. 基本的には過剰摂取が問題ですが、食品全体(チーズのマトリックス)や個人差を考慮する必要があります。チーズの種類や量を調整すれば、栄養の利点を活かしながら安全に食べられます。
Q. 妊婦や授乳中の人はどうする?
A. 妊婦さんは低菌リスク(非加熱・非殺菌チーズなど)に注意しつつ、カルシウム摂取源として一部のチーズは有効です。摂取量は医師・栄養士と相談してください。
Q. チーズを毎日食べてもいい?
A. 研究では「適量(例:約40 g/日)」までなら問題になりにくいという報告もありますが、塩分や総エネルギーとの兼ね合いで調整してください。既往症がある場合は医師に相談を。
まとめ
- チーズは種類によって飽和脂肪酸量が大きく異なる(例:チェダー高め、モッツァレラやコテージ低め)。
- 飽和脂肪酸の過剰摂取はLDL上昇や心血管リスクの増加に関係するが、チーズ特有の「食品マトリックス」が影響を緩和する可能性がある。
- 日本の目安(総エネルギーに対する飽和脂肪比7%目標)を踏まえると、実用的な目安は1日30〜40g程度が目安(個人差あり)。
- ダイエットや健康志向の人は、低脂肪チーズや風味の強いハードチーズを少量使う、野菜と組み合わせる、製品ラベルで脂肪・塩分を確認する、などの工夫が有効。
- 既往症がある場合は医師・栄養士と相談し、摂取量・製品選択を調整することを推奨。
参考・根拠(主要論文・公的資料)
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020)」— 飽和脂肪酸の目標量に関する記載。
- WHO「Guideline: fats and carbohydrates 2023」— 飽和脂肪酸は総エネルギーの10%未満を推奨。
- AHA(American Heart Association)飽和脂肪に関するアドバイザリ — コレステロール管理のため5〜6%の推奨記載。
- Cheese consumption and multiple health outcomes: umbrella review — チーズの摂取量とCVDリスクに関するメタ解析(約40 g/日が最適の報告など)。
- 研究:チーズ・マトリックスがコレステロール代謝に与える影響(近年のレビュー論文)。
- 栄養成分:米国農務省データベース、食品栄養データベース(Cheddar, Mozzarella, Camembert 等)。
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本文は一般的な情報提供を目的としています。健康上の重要な判断(治療や薬の変更など)は必ず医師・管理栄養士に相談してください。
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