雪印メグミルクがチリ・サンティアゴで開催されたIDFワールドデーリーサミット2025にて最優秀ポスター賞を受賞しました。弘前大学と連携した本研究は、岩木地区の長期健診ビッグデータを用いて乳製品摂取と骨強度や収縮期血圧との関連を明らかにしたものです。本記事では、受賞の概要と主要データ、日常に取り入れる具体策までを専門視点でやさしく整理します。
一目でわかる受賞ポイント
雪印メグミルク株式会社が、IDF(国際酪農乳業連盟)主催のワールドデーリーサミット2025において「最優秀ポスター賞」を受賞しました。発表は、弘前大学との共同講座「ミルク栄養学研究講座」での取り組みをまとめたもので、乳製品摂取と骨の健康や血圧など生活習慣病リスクとの関連を示すデータが高く評価されました。

研究の背景 — 弘前の健康ビッグデータを活用
本研究は、青森県弘前市岩木地区で蓄積された「岩木健康増進プロジェクト」の健診データ(多項目の長期データ)を用い、日常的な乳製品摂取と各種健康指標の関係を統計解析したものです。解析によって、乳製品を継続的に摂取する集団で骨強度に関するバイオマーカーや音響的骨評価値が良好である傾向が示されました。また、収縮期血圧の低下と関連する知見も示されています。
主要なデータと発見(要点)
- 骨代謝マーカーと骨強度指標において、乳製品摂取群が有意に良好な傾向を示した。
- 長期データ解析で、乳製品の継続摂取は収縮期血圧の低さと関連していることが示唆された。
- 地域プログラム(例:カルシウム強化乳製品の導入)で摂取量が有意に増え、健康指標の改善が観察されたケースが報告されている。
これらの結果は、「乳製品=単なる栄養摂取」から一歩進み、「地域の健康施策として乳製品の役割を再定義する」示唆を与えます。
研究の臨床的/公衆衛生上の意義
骨粗鬆症予防や高血圧対策は高齢化社会における重要課題です。今回の解析は観察データに基づくものであるため、因果を断定する段階ではありませんが、実際の住民データに基づく「現場に近いエビデンス」として臨床研究や公衆衛生施策の設計に有益な示唆を提供します。
消費者が日常でできる“取り入れ方”(実践ガイド)
研究結果を踏まえ、一般消費者が無理なく乳製品を取り入れるための実践例を紹介します。
- 朝食に牛乳200ml+ヨーグルトの組み合わせ:継続的なカルシウム摂取が期待できます。
- 間食や夜のデザートに低脂肪ヨーグルトを取り入れる:腸内環境改善の補助に。
- 普段の料理にチーズを活用(サラダ、ソース、和え物など):カルシウム補給の選択肢を増やす。

※持病や薬の服用がある方はかかりつけ医に相談のうえ取り入れてください。
酪農・生産現場から見た視点(コラム)
研究成果を生かすには、原料(生乳)の品質安定と栄養価管理が重要です。牧場レベルでは飼養管理・飼料設計・衛生管理を徹底することで、消費者に届ける乳製品の機能性を担保できます。地域連携による取り組み(生産者×研究機関×地方自治体)は、今回の受賞が示すように有効なモデルとなります。
今後の展望と期待される動き
今回の受賞を契機に、産学連携によるさらなる介入研究(無作為化試験など)や長期フォローアップ研究が期待されます。また、地域プログラムを横展開することで、地域レベルでの健康寿命延伸に資するモデルの確立が見込まれます。
よくある質問(FAQ)
Q. どのくらいの量を飲めば効果が期待できますか?
A. 研究は集団レベルの解析であり個人差があるため一概には言えませんが、栄養摂取の目安としては牛乳200ml程度を日常的に取り入れることが一般的な出発点です。個別の目安は栄養士や医師に相談してください。
Q. 乳製品アレルギーがある場合はどうすれば?
A. アレルギーがある方は無理に乳製品を摂るべきではありません。代替のカルシウム源(小魚、緑黄色野菜、強化食品等)を検討してください。
この記事のまとめ
- 雪印メグミルクと弘前大学の共同研究が、IDFワールドデーリーサミット2025で最優秀ポスター賞を受賞。
- 岩木地区の大規模健診データ解析により、乳製品の継続摂取は骨強度関連指標や収縮期血圧の低下と関連する傾向が示された。
- 観察研究であるため因果は断定できないが、地域実データに基づく現場寄りのエビデンスとして臨床・公衆衛生への示唆が大きい。
- 消費者向けには「牛乳200ml+ヨーグルト」「料理でのチーズ活用」など無理なく続けられる導入法を推奨(持病ある方は医師へ相談)。
参考・出典(主要):
- 雪印メグミルク公式ニュースリリース「ワールドデーリーサミット2025にて『最優秀ポスター賞』を受賞」
- IDF World Dairy Summit 2025(ポスターアブストラクト/受賞情報)
- 弘前大学 COI-NEXT 関連プレス(ミルク栄養学研究講座・岩木健康増進プロジェクトの概要)
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