ブルー・デ・コスチーズ(Bleu des Causses)とは?歴史・製法・味・おすすめの食べ方

ブルー・デ・コスチーズ|フランス南部洞窟で熟成されたマイルドなブルーチーズ 乳製品
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ブルー・デ・コス(Bleu des Causses)は、フランス南部の石灰岩洞窟でじっくり熟成される牛乳製のブルーチーズです。ロックフォールに近い系譜ながら、よりマイルドでクリーミーな口当たりが特徴で、ブルーチーズ初心者にも食べやすい一品。この記事では、歴史や伝統的な製法、季節ごとの味の違い、栄養情報、さらに家庭で試せる簡単レシピや最適なワインペアリングまで、実践的にわかりやすく解説します。

ブルー・デ・コスとは?

ブルー・デ・コス(Bleu des Causses)は、フランス南部ラングドック地方の石灰岩質の洞窟(caves)で熟成される牛乳製のブルーチーズです。ロックフォールに近い系譜を持ちながらも、よりマイルドでクリーミーな味わいが特長で、ブルーチーズ初心者にもおすすめできる一品です。

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歴史:古代から続く伝統

ブルー・デ・コスの起源はコス(Les Causses)と呼ばれる高原地帯にあり、類似の青カビチーズは古代ローマ時代から記録に残ります。中世〜近代にかけて地域の生活と結び付き、20世紀にはAOC(原産地呼称)の制度を通じて生産規定が整備されました。今日でも限定された地域・生産者によって伝統的な方法で作られています。

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製造方法:洞窟熟成の秘密

主に牛の全乳(非低温殺菌の伝統的な乳も用いられる場合あり)を原料に、ペニシリウム・ロックフォルティと呼ばれる青カビを使って凝乳・成形します。成形後に塩を振り、石灰岩の洞窟で一定の温湿度を保ちながら最低でも数ヶ月間熟成します。この洞窟環境(自然の気流・フルーリン)が青カビの育成と風味形成に大きく寄与します。

ポイント:洞窟の微気候(温度・湿度・空気の流れ)が「ブルー・デ・コスらしさ」を作ります。季節や牛の飼料によって風味が変わるのも魅力の一つです。

味・特徴:クリーミーで上品

主な特徴をまとめると:

  • 見た目:薄黄色の生地に濃い青緑色のカビが広がる。
  • 食感:セミハードながら滑らかでクリーミー、バターのような口どけ。
  • 風味:青カビ由来のピリッとしたペッパー感と、ミルクの豊かなコク。ロックフォールよりマイルド。
  • 季節差:夏産は草やクローバーの香りが増す傾向。

栄養情報(目安)

※以下は目安の数値です。製品や熟成によって変動します。

栄養素100gあたり(目安)
エネルギー約350 kcal
タンパク質約21 g
脂質約29 g(飽和脂肪が多め)
炭水化物約3 g
カルシウム・ビタミン類カルシウム, ビタミンA, B12を豊富に含む

ブルーチーズはタンパク質やカルシウムが豊富ですが、塩分・飽和脂肪が高めなので適量を守ることが大切です。

おすすめの食べ方とペアリング

シンプルに楽しむ

クラッカー、バゲット、洋ナシやリンゴなどの果物と一緒に。クリーミーさが果物の甘みとよく合います。

料理に使う

  • サラダ:崩してローストビーツやクルミと合わせる。
  • ステーキソース:バターと合わせて溶かし、肉にかける。
  • パスタ・グラタン:仕上げに加えてコクをプラス。

ワインとの相性

ブルー・デ・コスには甘口のデザートワイン(例:ソーテルヌ、モンバジヤック)、またはコクのある白や軽めの赤ワイン(ピノ・ノワール系、シラーの軽めタイプ)がおすすめです。甘みと塩味のコントラストが絶妙にマッチします。

簡単レシピ:ブルー・デ・コスのチーズソース(2人分)

ステーキや温野菜に最適な簡単ソース。

  1. バター 20g をフライパンで溶かす。
  2. 細かく刻んだブルー・デ・コス 60g を加えて弱火で溶かす。
  3. 生クリーム 80ml を入れ、塩・黒胡椒で味を調える(塩は控えめに)。
  4. とろみがついたら火を止め、肉や野菜にかけて完成。

ポイント:チーズは強く加熱しすぎると分離するので、弱火でゆっくり溶かすのがコツです。

よくある質問(FAQ)

Q1. ロックフォールと何が違うの?

A. 原料や熟成地、製法に共通点はありますが、ロックフォールは羊乳を使うことが多くより強い塩味・辛味が出ます。ブルー・デ・コスは牛乳由来でマイルドです。

Q2. ブルー・デ・コスはどこで買える?

A. 輸入食材店や大型チーズ専門店、オンラインのチーズショップで取り扱いがあります。購入時は製造日・熟成期間を確認すると良いでしょう。

Q3. 保存方法は?

A. 冷蔵(チーズ用室温でも可)でラップや紙に包んで保存。強い匂いがあるので密閉容器を使うと冷蔵庫内の匂い移りを防げます。

まとめ

  • ブルー・デ・コスはフランス南部の洞窟で熟成される牛乳ベースのブルーチーズで、ロックフォールよりマイルド。
  • 洞窟の温湿度と天然の空気循環が独特の風味を作る(テロワールが味に反映)。
  • クリーミーでコクがあり、甘口ワインや果物とよく合う。料理(ソース、サラダ、ステーキ)にも応用可能。
  • 栄養的にはカルシウムやタンパク質が豊富だが、塩分・飽和脂肪が高めなので適量を守る。
  • 購入時は製造日・熟成期間を確認し、ラップ+密閉容器で冷蔵保存すると風味を保ちやすい。

ブルー・デ・コスチーズは、フランス南部の洞窟で熟成される伝統的なブルーチーズで、クリーミーさと深いコクが魅力です。歴史や製法に裏打ちされた風味は、初心者にも食べやすく、料理やワインとの相性も良好。適量を守って、ぜひいろいろな食べ方で試してみてください。

※本ページの情報は一般的なガイドです。栄養成分は製品ごとに異なります。チーズアレルギーや塩分制限のある方は医師・栄養士にご相談ください。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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