Blueprint One×明治:脱脂粉乳をシルクのような新素材に変える「moment of MILK」

Blueprint One×明治|脱脂粉乳由来のシルク風素材で作った白Tシャツ「moment of MILK」の滑らかな質感 乳製品
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脱脂粉乳は、乳製品製造の過程で大量に発生する副産物ですが、消費減少により在庫が積み上がる深刻な課題になっています。Blueprint Oneは明治と連携し、その脱脂粉乳からカゼインを抽出してレーヨン等とブレンドすることで、シルクのような手触りを持つ新素材を開発。この記事では技術の全体像、製品スペック、量産体制、酪農家への経済的効果や環境面の検討結果を、一次情報と試算をもとにわかりやすくまとめます。

1. Blueprint Oneの成り立ちと明治との連携

株式会社Blueprint Oneは一次産業の持続可能性向上を掲げるスタートアップで、2022年に創業しています。主に衣食住のテーマでプロダクトを作り、脱脂粉乳を原料とするアパレルブランド「moment of MILK」を立ち上げました。明治ホールディングスとの連携により原料調達と技術連携を進めており、事業説明や投資募集の資料でも明治との協働が明記されています。

2. 脱脂粉乳が“服”になるまでの流れ(概略)

ここでは詳細な化学式は割愛しますが、全体像は次の通りです。

  1. 原料の選別・前処理 — 食品由来の脱脂粉乳から不純物を除き、繊維化に適した原料を抽出する工程。
  2. カゼイン抽出 — 脱脂粉乳中のカゼインタンパクを分離・精製し、糸にできる形に加工。
  3. セルロース系繊維とのブレンド — 木材パルプ由来のレーヨン等と組み合わせ半合成の繊維を作成(強度・肌触りを調整)。
  4. 紡糸・織編・仕上げ — 糸化〜編み/織り〜仕上げ加工(はっ水処理はフッ素フリーの方法を採用)し、衣料品として量産。

ポイント:カゼインは食品由来のタンパク質ですが、繊維化・染色・仕上げの各工程で洗浄・滅菌・品質管理を行うため、衛生面・安全面の確保が不可欠です(後述)。

3. 製品スペックと販売スキーム(実績ベース)

moment of MILKは2025年9月に正式リリースされ、ポップアップ出店(さっぽろオータムフェスト等)と公式ECを中心に販売が始まりました。製品は半袖/長袖Tシャツ等を中心に、品質表示では「半合成繊維50%:綿50%」とされており、標準的な販売価格帯は税込で約¥4,900からの案内があります。販売チャネルは公式EC、ポップアップ、卸売先などを想定した展開です。:contentReference[oaicite:4]{index=4}

速乾性・はっ水・肌触り

素材の訴求ポイントは「シルクのような滑らかさ」と「速乾・はっ水(フッ素フリー)」の両立。公式発表では農作業でも使える耐久性と洗濯性を強調していますが、第三者の耐久試験データはまだ限られます。

4. 酪農家・地域への経済的/環境的効果(簡易試算)

重要なのは「1トンの脱脂粉乳がどの程度の製品に換算できるか」を示すことです。公開データはまだ限定的ですが、概算の考え方として次のような仮定で試算できます(以下は説明目的の概算モデル)。

概算モデル(例)

  • 仮定A:繊維化工程の歩留まり(原料→繊維)を仮に30%とする。
  • 仮定B:1枚のTシャツに必要な生地重量を約200gとする。

この場合、1トン(1,000,000g) × 歩留まり30% = 300,000gの繊維 → 300,000 ÷ 200 = 約1,500枚のTシャツ相当を生産可能、となります。 実際の歩留まり・工程効率は企業機密・工程条件で変動しますが、理論上は脱脂粉乳の大量在庫をまとまった枚数の製品に変換できることが分かります。一次情報で示される「全国規模での在庫一部を製品化する」という方針は、在庫削減に寄与する余地があります。

5. よくある懸念と答え(FAQ形式)

Q1: 食品由来の素材は衛生的に問題ないのか?

A: 原料の精製・滅菌工程、紡糸後の洗浄・乾燥工程で衛生管理が行われます。メーカー側は繊維化の過程で食品としての安全基準とは別に、繊維製品としての品質・安全性基準を満たす工程を構築する必要があります。詳細は製造者の品質管理資料で確認するのが確実です。

Q2: 環境負荷は本当に低いのか?

A: 「廃棄されるはずの原料を製品に転換する」点では廃棄ロスを削減できます。一方で製造工程(抽出・化学処理・紡糸)に伴うエネルギーや薬剤の使用もあるため、LCA(ライフサイクルアセスメント)で比較検証することが重要です。業界リポートや将来的なLCA公表を待ちたいところです。

Q3: 洗濯や耐久性は?

A: 公式では速乾性・撥水加工を謳っていますが、長期耐久性(繊維の摩耗、撥水性能の維持)に関しては、第三者検証・耐久試験データが今後の信頼ポイントになります。消費者レビューや導入事例(店舗ユニフォーム等)を参考に評価の蓄積を追うと良いでしょう。

6. まとめ:何が変わるのか、次に見るべきポイント

Blueprint Oneのmoment of MILKは、脱脂粉乳という「過剰在庫」を新たな価値に変える試みであり、一次情報(公式発表・クラウドファンディング・投資説明資料)で事業の方向性が示されています。明治との連携により原料面の安定性が担保されつつあり、2025年9月の正式リリース以降は販売チャネルでの実装が進んでいます。今後注目すべき点は以下です:

  • 何をしているか:Blueprint Oneは脱脂粉乳のカゼインを繊維化し、半合成の新素材(moment of MILK)としてアパレル化。明治との連携で原料調達と品質担保を図っている。
  • 技術のポイント:カゼイン抽出→木材パルプ由来繊維とのブレンド→紡糸・仕上げ(はっ水・速乾)という工程で、衛生管理と歩留まりが採算性の鍵。
  • 経済的インパクト(概算):歩留まり仮定で1トンの脱脂粉乳が約1,000〜1,500枚のTシャツ相当になる可能性があり、在庫削減と酪農家への新たな売上源につながる余地がある。
  • 環境面の留意点:廃棄ロス削減のメリットは大きいが、工程ごとのエネルギーや薬剤使用を含めたLCA比較が必要であり、今後の第三者検証が重要。
  • 今後のチェックポイント:(1)実際の歩留まりとコスト構造、(2)第三者による耐久性・LCAデータ、(3)酪農家に還元される金額の明示。これらが公表されれば事業の持続性と波及力がより明確になる。

これらが明らかになれば、単発の話題から業界トランスフォーメーションに繋がるかどうかの判断材料になります。

実務メモ(編集者向け)
– 公式発表(bp-one)・PR配信・クラウドファンディング・投資説明資料を必ず一次参照してください。

参考・一次情報:Blueprint One(公式)、PR TIMES(2025/9 リリース)、Fundinno(明治連携説明)、CAMPFIRE(プロジェクト履歴)、TBSラジオ出演情報等。各出典は本文の該当箇所に示しました。

出典(本文で参照した主な一次情報)


・Blueprint One(公式ニュース・製品ページ)
・PR TIMES(moment of MILK 正式リリース/2025/9)
・Fundinno(明治連携の説明)
・CAMPFIRE(プロジェクト履歴)
・TBSラジオ出演アーカイブ(鈴木代表の発言)等。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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