兵庫県西脇市黒田庄地区では、神戸ビーフの生産と地域資源の循環が一体となった取り組みが続いています。米農家が出すもみ殻が牛床に使われ、使用済みの敷料は西脇市の土づくりセンターで堆肥化され、再び田畑に還元される——年間換算の数値も示しつつ、その仕組みと現場の実例を詳しく見ていきます。
循環の全体像 — フローで見る地域内リソースの回し方
黒田庄の循環は大きく分けて次の流れです: 米農家 →(もみ殻)→ 畜産(牛床) →(使用済み敷料)→ 土づくりセンター(堆肥) →(堆肥)→ 米・野菜農家。 このループにより、廃棄物を資源に変え、土壌改良とコスト削減を同時に実現しています。

数値で把握する現場サイズ(押さえておきたい主要データ)
- 土づくりセンターの計画堆肥量:約3,650トン/年(施設規模と年間処理能力)。
- 家畜排せつ物受入実績などの規模指標:例として数千トン規模の受入実績が報告されています(地域レポート)。
- 堆肥の還元先:田畑へ施用する耕種農家は地域で複数百戸に及ぶため、地域内での資源循環効果が大きい点が特徴です。
川岸牧場の事例:飼育規模と品質管理
黒田庄地区の代表的な肥育農家である川岸牧場は、地域内でも規模の大きい牧場の一つで、黒田庄和牛(神戸ビーフ)を継続的に出荷しており、牝牛主体の肥育など品質管理に特徴があります。飼養頭数は数百頭規模で、出荷の多くを神戸ビーフに認定している事例が知られています。
なぜ“もみ殻”を使うのか?— 技術的な利点
もみ殻は通気性が良く、吸湿性や保温性が適切に働くため敷料に適しています。敷料としての役割は、
- 牛舎内の湿気と臭気の抑制
- 牛の寝床のクッション化による快適性向上
- 発酵工程で炭素源として堆肥品質を整える役割
これらによりストレス低減→採食性向上→肉質安定という好循環が期待できます(現場での運用が前提)。
運営体制:JAみのりと自治体の連携
西脇市とJAみのりが連携し、土づくりセンターの運営やもみ殻の集約・供給、堆肥の袋詰め・販売までを体制化しています。行政とJAがハブになる設計が、地域全体で安定的に資源を循環させる鍵です。
循環型のもたらすメリット(環境・経済・品質)
環境面
廃棄されるはずのもみ殻を有効利用することで焼却や焼却に伴うCO₂排出削減、土壌有機物の蓄積による地力向上が期待できます。
経済面
敷料費の削減、廃棄処理費用の低減、堆肥販売・配達による地域内経済の循環が進みます。自治体やJAが中心となることで小規模農家でも利用しやすい供給体制が整います。
品質面
牛の快適性向上は飼養管理の安定化につながり、結果的に枝肉品質(神戸ビーフ基準の安定)に寄与します。これはブランド信頼の維持にも直結します。
課題と今後の視点(現場目線で注意すべき点)
- 堆肥の品質管理(塩分やC:N比、病原処理の徹底)
- 流通スケールと需給バランス(堆肥の過剰や不足がないか)
- 担い手の高齢化と技術継承(若手就農・研修の強化)
まとめ:地域で回すから続く“本物の神戸ビーフ”
黒田庄の取り組みは、地域資源を地域内で循環させることで環境負荷低減と農業の持続可能性を両立させています。土づくりセンターやJAの役割、牧場の飼養管理が連携してこそ、神戸ビーフというブランドの品質が守られる──そうした構図がここにはあります。地域の数値と現場の取り組みを可視化したコンテンツは、消費者の理解とブランド価値の向上につながるでしょう。
参考・出典(主要)
- 西脇市土づくりセンター「ゆめあぐり西脇」資料(施設・計画堆肥量等)
- 農林水産省/地域事例資料(堆肥受入実績など)
- JAみのり(組合情報、ライスセンター関連)
- 川岸牧場・川岸畜産(黒田庄和牛/神戸ビーフ生産事例)
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