熊本の酪農家がフードバンク熊本へ牛乳1万9200本寄贈|らくのうマザーズの地域支援と酪農の課題

熊本の酪農家がフードバンク熊本へLL牛乳1万9200本を寄贈する地域支援の様子 酪農NEWS
熊本の酪農家がLL牛乳1万9200本をフードバンク熊本へ寄贈
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2025年12月19日、熊本県内の酪農家で構成される熊本県酪農業協同組合連合会(らくのうマザーズ)が、 フードバンク熊本に対し、常温で長期間保存が可能なLL牛乳を1万9200本寄贈しました。

牛乳は年明け以降、熊本県内のこども食堂や支援施設など約150カ所に配布される予定で、 ひとり親家庭や生活困窮世帯の食支援に活用されます。

牛乳寄贈の概要|2025年12月19日の贈呈式

今回寄贈されたのは、200ml紙パックのLL(ロングライフ)牛乳1万9200本です。 贈呈式では、らくのうマザーズの隈部洋 代表理事会長から、 フードバンク熊本の鬼塚静波 代表へ目録が手渡されました。

LL牛乳は冷蔵設備が限られる支援現場でも扱いやすく、 保存性と衛生面の両立が求められるフードバンク活動との親和性が高い点が特徴です。

継続される地域貢献|過去にも行われてきた牛乳寄贈

らくのうマザーズによる牛乳寄贈は、今回が初めてではありません。

  • 2022年
  • 2023年
  • 2024年

これらの年にもフードバンクや関連団体への寄贈が行われており、 熊本県の酪農家が一過性ではなく、継続的に地域福祉へ関与していることが分かります。

背景にある熊本県酪農の現状と課題

今回の取り組みの背景には、熊本県を含む国内酪農が直面する構造的な課題があります。

  • 輸入飼料価格の高止まり
  • 燃料・電力・資材費の上昇
  • 生産コスト増による経営圧迫
  • 牛乳価格上昇による消費量の伸び悩み

2025年現在も、牛乳の国内消費は大きな回復には至っておらず、 酪農家にとっては「生産を維持しながら、いかに飲んでもらうか」が重要なテーマとなっています。

今回の牛乳寄贈は、社会貢献と同時に、 牛乳の価値を生活の中で再認識してもらう機会づくりという側面も持っています。

らくのうマザーズとは|熊本を代表する酪農協同組合

らくのうマザーズは、熊本県を拠点とする酪農協同組合で、 生乳の集荷から牛乳・乳製品の製造、販売までを一体的に担っています。

主な製品例

  • らくのう牛乳1000ml
  • 大阿蘇牛乳
  • ギリシャヨーグルト
  • MOTHER’S Caféシリーズ

製品展開に加え、牧場感謝祭やキャンペーンなど、 地域との接点を重視した取り組みも積極的に行っています。

フードバンク熊本の役割と実績

フードバンク熊本は、企業や家庭から寄贈された食品を、 生活困窮者、ひとり親家庭、こども食堂などへ無償で提供するNPO法人です。

  • 熊本地震時の避難所支援
  • 日常的な食品・生活用品の配布
  • 災害備蓄品の有効活用

県内3カ所の物流拠点(菊池・合志・松橋)を活用し、 食品の管理と分配体制を整えています。

牛乳寄贈がもたらす社会的意義

今回の取り組みは、次のような意義を持ちます。

  • 成長期の子どもたちへの栄養支援
  • こども食堂の安定運営への貢献
  • 食品ロス削減への寄与
  • 国産牛乳の消費促進

支援を必要とする人々と、生産現場をつなぐこの仕組みは、 地域に根ざした酪農のあり方を示す一例といえるでしょう。

まとめ|地域と酪農をつなぐ「牛乳」という選択

  • らくのうマザーズは地域貢献の一環として継続的に牛乳寄贈を実施している(2022〜)。今回の1万9,200本は年明けに約150か所へ配布予定。
  • 意義:栄養支援・食品ロス削減・牛乳消費喚起の三重効果が期待される。

熊本の酪農家による牛乳寄贈は、単なる物資提供にとどまらず、 福祉・食育・農業をつなぐ取り組みとして大きな意味を持ちます。

私たち消費者が地元の牛乳を選び、日常的に飲むことも、 こうした地域循環を支える一つの行動です。


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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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