熊本県熊本市にある熊本森永乳業株式会社は、森永乳業グループの九州における主力工場として、牛乳や乳飲料、れん乳、クリームなどの乳製品を製造しています。
1937年の設立以来、熊本の乳業会社として長い歴史を歩み、現在では製造だけでなく、森永乳業の九州地区における物流拠点の運営にも関わっています。
さらに2025年には、熊本森永乳業で「森永のおいしい牛乳」と「森永のおいしい低脂肪牛乳」の製造が始まりました。九州産生乳100%を使用した商品として展開されたことで、熊本の酪農と乳業のつながりにも注目が集まっています。
この記事では、熊本森永乳業の会社概要、歴史、工場で製造されている製品、森永乳業との関係、そして「森永のおいしい牛乳」の熊本生産について詳しく紹介します。
熊本森永乳業とは?
熊本森永乳業株式会社は、熊本県熊本市東区鹿帰瀬町に本社と工場を置く乳業会社です。
公式情報によると、同社は森永乳業グループの九州における主力工場として、牛乳や乳飲料、乳製品乳酸菌飲料などの市乳製品を製造しています。
また、森永コンデンスミルクをはじめとするれん乳製品やクリームなども製造しており、一部の乳製品は全国に供給されています。

熊本森永乳業の基本情報
- 会社名:熊本森永乳業株式会社
- 所在地:熊本県熊本市東区鹿帰瀬町431-1
- 創業:1936年9月12日
- 設立:1937年6月23日
- 資本金:5,000万円
- 代表者:代表取締役社長 住岡克成
- 事業内容:牛乳・乳製品の製造・販売
- 従業員数:151名(2024年3月31日時点)
工場の総敷地面積は約3万9,025平方メートル、総建物面積は約9,406平方メートルとされており、地域の乳業工場として大規模な製造設備を備えています。
熊本森永乳業の歴史・沿革

熊本森永乳業の歴史を知ると、現在の会社が突然できたものではなく、熊本の乳業会社として発展してきたことが分かります。
1937年6月、熊本牛乳株式会社として設立されたことが現在の熊本森永乳業につながる歴史の始まりです。
1937年|熊本牛乳株式会社を設立
1937年、熊本牛乳株式会社が設立されました。
当時の資本金は4万円、株主は18名、敷地面積は900平方メートルでした。現在の熊本森永乳業と比較すると小規模ですが、ここから長い乳業の歴史が始まります。
1941年|県内の乳業会社との合併
1941年には複数の乳業会社との合併などを経て、熊本合同牛乳株式会社となりました。
この時期には乳業会社の統合が進められており、熊本県内の牛乳供給体制を整える動きの一つとして位置付けられます。
1959年|森永乳業との関係が始まる
熊本森永乳業の歴史を語るうえで大きな転機となったのが1959年です。
この年、森永乳業株式会社と製造処理委託契約を締結するとともに、森永乳業から資本参加を受けました。
その後、熊本の乳業会社と森永乳業との関係が深まり、現在の森永乳業グループとしての位置付けにつながっていきます。
1986年|現在の鹿帰瀬町へ移転
1986年には工場を現在の熊本市東区鹿帰瀬町へ移転し、倉庫棟が完成しました。
翌1987年には現在地で乳製品の製造を開始し、1988年には市乳の製造も始まりました。
1996年|森永乳業の連結会社へ
1996年には森永乳業株式会社の連結会社となりました。
これによって、熊本の乳業会社としての歴史と、森永乳業グループの事業基盤がより明確につながることになります。
2018年|熊本森永乳業株式会社へ社名変更
2018年10月、社名を現在の熊本森永乳業株式会社へ変更しました。
現在は熊本の製造拠点としてだけでなく、九州の物流ネットワークを支える企業としても重要な役割を担っています。
熊本森永乳業の工場では何を作っている?
熊本森永乳業の工場では、私たちが普段の生活で目にする牛乳だけでなく、さまざまな乳製品が製造されています。
主な市乳製品
- 森永のおいしい牛乳
- 森永のおいしい低脂肪牛乳
- 九州限定牛乳
- 森永カルダスミルク
- 森永牛乳
主なれん乳製品
- 森永コンデンスミルク
- 業務用全脂加糖れん乳
- 業務用脱脂加糖れん乳など
その他の乳製品
- 業務用クリーム「森永ましずく」
- フレッシュヘビイ九州
これらの製品を見ると、熊本森永乳業は単に牛乳をパック詰めする工場ではなく、飲用乳から加工用乳製品まで幅広く製造する乳業拠点であることが分かります。
公式サイトでは、最新の設備・技術と品質管理を活用し、熊本から全国へ製品を届けていることが紹介されています。
「森永のおいしい牛乳」は熊本で作られている?
熊本森永乳業について検索する人の中でも、特に気になるのが「森永のおいしい牛乳は熊本で作られているのか」という点ではないでしょうか。
結論からいうと、2025年から熊本森永乳業で「森永のおいしい牛乳」の製造が始まっています。
森永乳業は2025年9月、グループ会社である熊本森永乳業で「森永のおいしい牛乳」と「森永のおいしい低脂肪牛乳」の製造を開始したと発表しました。
「森永のおいしい牛乳」は2025年9月16日から、「森永のおいしい低脂肪牛乳」は9月23日から九州で販売が開始されています。
九州向けの商品には九州産生乳100%が使用され、九州限定デザインで販売されました。
2025年の大きな変化
- 熊本森永乳業で「森永のおいしい牛乳」の製造を開始
- 「森永のおいしい低脂肪牛乳」も製造開始
- 九州産生乳100%の商品として展開
- 九州限定デザインで販売
- 中四国エリアでも順次、熊本森永乳業の製造品へ切り替え
これは熊本森永乳業の役割を考えるうえで非常に重要な動きです。
これまで森永乳業の主要ブランドとして知られていた「森永のおいしい牛乳」を、九州の製造拠点である熊本森永乳業でも生産することで、九州産生乳を活用した商品を九州の消費者へ届ける体制が強化されたと考えられます。
「森永のおいしい牛乳」はどんな牛乳?
「森永のおいしい牛乳」は、森永乳業の代表的な牛乳ブランドの一つです。
森永乳業の商品情報では、生乳100%を原材料とする成分無調整牛乳として紹介されています。
また、生乳を蒸気で殺菌する独自の製法を採用し、新鮮さを生かした飲み心地を特徴としています。
ただし、「熊本で製造された商品」と「熊本県内で搾乳された生乳だけを使用した商品」は同じ意味ではありません。
2025年に熊本森永乳業で製造が開始された九州向け商品については、森永乳業が九州産生乳100%と明記しています。
牛乳の産地や製造場所を確認するときは、商品パッケージの表示やメーカーの最新情報を確認することが大切です。
熊本森永乳業と熊本の酪農の関係
熊本森永乳業を理解するうえで欠かせないのが、原料となる生乳を生産する酪農家との関係です。
牛乳は、工場だけで作られるものではありません。
酪農家が乳牛を飼育し、生乳を搾乳するところから始まります。
酪農家
↓
搾乳・生乳の集乳
↓
乳業工場
↓
製造・包装
↓
物流
↓
小売店・消費者
この流れの中で乳業工場は、生乳を受け入れて検査・処理し、牛乳や乳製品として商品化する重要な役割を担います。
2025年から九州産生乳100%の「森永のおいしい牛乳」が熊本森永乳業で製造されるようになったことは、九州の生乳と乳業のつながりを消費者が実感しやすくする動きともいえます。
酪農家にとっても、安定した生乳の販売先と乳業メーカーとの関係は重要です。
牛乳を飲む消費者が、その背景にある酪農や生乳の流通まで知ることは、地域の酪農を理解するきっかけにもなります。
熊本県は酪農県としてどのような位置付けなのか
熊本県は九州の中でも酪農が盛んな地域の一つです。
阿蘇地域をはじめとする広い草地や牧草資源などを背景に、酪農が営まれています。
農林水産省は、生乳の生産量や用途別処理量などを「牛乳乳製品統計」として公表しています。
生乳とは、乳牛から搾ったままの、基本的に人の手を加えていない牛乳のことです。
私たちが店頭で購入する「牛乳」は、この生乳を乳業工場で加熱殺菌や成分調整など、商品ごとに必要な工程を経て製品化したものです。
したがって、熊本森永乳業のような乳業工場は、酪農家が生産した生乳を消費者が購入できる牛乳や乳製品へ変える「橋渡し」の役割を担っています。
熊本森永乳業は製造だけでなく物流も担っている
熊本森永乳業の特徴として見逃せないのが、製造だけではなく物流機能も担っている点です。
公式情報によると、熊本森永乳業は森永乳業の九州地区物流拠点として、福岡・熊本・宮崎・鹿児島の物流ネットワークを運営しています。
牛乳や乳製品は、製造した後に消費者へ届けなければなりません。
特に牛乳は冷蔵管理が必要な食品であり、製造・保管・輸送を適切に管理することが重要です。
そのため、熊本森永乳業は「製品を作る工場」であると同時に、「九州へ商品を届ける物流ネットワークの一部」としても機能しています。
熊本森永乳業の工場はどこ?アクセス情報
熊本森永乳業の本社・工場は、熊本県熊本市東区鹿帰瀬町431-1にあります。
熊本森永乳業へのアクセス
- 所在地:〒861-8011 熊本県熊本市東区鹿帰瀬町431-1
- 光の森から:車で約10分
- 熊本空港から:車で約15分
- 熊本ICから:車で約5分
公式サイトでは工場や事務棟、工場内の設備なども紹介されています。
なお、工場見学や一般の方が工場内へ入れるかどうかについては、受付状況や安全管理上の理由などで変更される可能性があります。
工場見学を希望する場合は、訪問前に熊本森永乳業の公式情報を確認することをおすすめします。
熊本森永乳業についてよくある質問
熊本森永乳業は森永乳業の会社ですか?
はい。熊本森永乳業は森永乳業のグループ会社です。
1959年に森永乳業との製造処理委託契約を締結し、資本参加を受けました。その後、1996年に森永乳業の連結会社となっています。
熊本森永乳業では何を作っていますか?
牛乳、乳飲料、乳製品乳酸菌飲料、れん乳、クリームなどを製造しています。
公式サイトでは、「森永のおいしい牛乳」「森永のおいしい低脂肪牛乳」「九州限定牛乳」「森永カルダスミルク」「森永牛乳」などが主な製品として紹介されています。
森永のおいしい牛乳は熊本で作られていますか?
2025年から熊本森永乳業で「森永のおいしい牛乳」の製造が開始されています。
九州向けの商品では九州産生乳100%が使用され、九州限定デザインで販売が開始されました。
熊本森永乳業は熊本の酪農と関係がありますか?
熊本森永乳業は生乳を原料とする牛乳・乳製品の製造を担っているため、酪農家が生産する生乳と深く関係する地域の乳業企業です。
特に九州産生乳100%の商品が熊本で製造されるようになったことで、九州の酪農と乳業のつながりがより分かりやすくなっています。
熊本森永乳業の工場を見学できますか?
工場見学の可否や受付方法については、最新の公式情報を確認してください。
食品工場では衛生管理や安全管理が重要になるため、予約なしで工場内を見学できるとは限りません。
熊本森永乳業を知ると「牛乳が届くまで」が見えてくる
スーパーで販売されている牛乳は、完成した商品だけを見ると非常に身近な食品です。
しかし、その背景には乳牛を飼育する酪農家、生乳を集める関係者、乳業工場、品質管理、物流、小売店など、多くの仕事があります。
熊本森永乳業は、その中でも生乳を牛乳・乳製品へ加工し、さらに九州の物流ネットワークを支える重要な位置にあります。
2025年に始まった「森永のおいしい牛乳」の熊本生産は、熊本森永乳業の存在を知る大きなきっかけになりました。
牛乳を飲むときに「この牛乳はどこで作られているのか」「どこの生乳が使われているのか」と考えてみると、普段の食卓と地域の酪農とのつながりが見えてきます。
まとめ|熊本森永乳業は熊本と九州の乳業を支える重要な拠点
熊本森永乳業は、1937年に熊本牛乳株式会社として設立されて以来、熊本の乳業を支えてきた歴史ある企業です。
1959年には森永乳業との製造処理委託契約を締結し、資本参加を受け、その後1996年には森永乳業の連結会社となりました。2018年には現在の「熊本森永乳業株式会社」へ社名を変更しています。
現在は、牛乳や乳飲料、れん乳、クリームなどの製造に加え、森永乳業の九州地区物流拠点の運営にも関わっています。
特に注目したいのが、2025年から始まった「森永のおいしい牛乳」と「森永のおいしい低脂肪牛乳」の熊本生産です。九州産生乳100%の商品として展開されたことで、熊本の乳業と九州の酪農を結ぶ新たな動きとなりました。
牛乳は、酪農家が生産した生乳が乳業工場で製品となり、物流を通じて消費者へ届けられます。
熊本森永乳業は、その流れを支える「酪農と食卓をつなぐ乳業拠点」の一つです。
熊本の牛乳や酪農について知りたいときは、製品だけでなく、その背景にある生乳生産、乳業工場、物流まで目を向けてみると、牛乳という身近な食品の見え方も変わってくるでしょう。
参考情報
本記事は、熊本森永乳業および森永乳業、農林水産省などが公開している情報を基に構成しています。
- 熊本森永乳業公式サイト・会社概要
- 熊本森永乳業公式サイト・沿革
- 熊本森永乳業公式サイト・主な商品
- 森永乳業公式ニュースリリース「森永のおいしい牛乳」九州限定デザイン
- 農林水産省「牛乳乳製品統計」
※製品の販売地域、製造拠点、会社情報などは変更される場合があります。最新情報については各社の公式発表をご確認ください。



