毎日農業記録賞(第53回)で優秀賞を受賞しました|非農家出身が描く酪農の未来

毎日農業記録賞2025 優秀賞 宮村悠希|酪農記録 酪農
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4次にわたる審査の結果、このたび私は毎日農業記録賞(第53回)一般部門で優秀賞を受賞しました。本記事では受賞作の要点を要約し、酪農10年にわたる現場経験から導き出した実践的な改善事例(搾乳手順の標準化で日乳量+3kg、乳房炎抑制、ゲノム解析を用いた牛群改良など)と、教育ファームを核にした今後の地域連携構想を専門的視点で整理します。

本記事で得られること:

  • 私が2025年に毎日農業記録賞(第53回)一般部門で優秀賞を受賞した報告。
  • 受賞作の要約(全文掲載は行いません)と、そこから導かれる実践的な示唆。
  • 毎日農業記録賞の概要と歴史(1973年開始〜現在)を整理。
  • 現場で実施した改善施策と今後の取り組みの方向性。

受賞のご報告

このたび、私は毎日農業記録賞(第53回・2025年)一般部門で優秀賞を受賞しました。受賞作は、非農家出身から酪農の世界に飛び込み現在に至るまでの10年間の実践と学びをまとめたものです。新聞にも掲載され、地域や業界の方々から多くの反響をいただいています。

2025年毎日農業記録賞第53回一般部門優秀賞の新聞掲載記事
2025年毎日農業記録賞・優秀賞の記事掲載。

補足:高校時代には2017年に高校生部門で優良賞を受賞しており、今回の受賞は高校時代からの積み重ねの延長線上にあります。

2017年高校生部門で優良賞を受賞した新聞記事の掲載
2017年、高校生部門の優良賞を伝える新聞記事。

受賞作の要約(全文は非掲載)

受賞作は「非農家出身の私が酪農歴10年目に感じたこと」を主題に、以下の流れで構成されています(要約):

  1. 出発点:神奈川県横浜市のサラリーマン家庭出身。神奈川県立相原高校で偶然参加した牛部がきっかけで酪農に魅了される経緯。
  2. 学びのプロセス:高校の畜産部での搾乳・哺育・共進会の経験、大学(酪農学園大学)でのサークル活動(乳牛研究会)と「座学タイム」導入による知識共有の実践。
  3. 現場での挑戦:卒業後に関西の牧場で実務を担当し、新人教育や工程改善に取り組んだ経験。職場での世代間の摩擦をデータと成功事例で解消したプロセス。
  4. 定量的成果:搾乳手順の見直しで1頭あたり日乳量が平均で約+3kg、乳房炎の発生率が大幅に低下した点など、具体的な改善成果を報告。
  5. 将来構想:ゲノム解析を活用した牛群改良、教育ファームゾーンの設置を通じた地域連携と次世代育成のビジョン。
酪農学園大学乳牛研究会の看板
酪農学園大学乳牛研究会の看板。

要点としては「知識の共有(座学+実地)」「手順とデータの標準化」「牛群改良による長期的な生産性向上」が主軸となっており、これらが受賞理由の核となりました。作品全文では個別のエピソードや数値の裏付けを示し、審査へ説得力を持たせています(ここでは要約のみを掲載しています)。

毎日農業記録賞:概要と歴史

創設と目的

毎日農業記録賞は、毎日新聞社が主催する作文コンテストで、1973年(昭和48年)に創設されました。目的は「農・食・農に関わる環境」についての体験や提言を広く募集し、現場の声を社会へ伝えることにあります。農業現場の生活史や地域文化、消費者との関係性など、多角的な視点を集める場として定着してきました。

部門と受賞の枠組み

主に一般部門高校生部門があり、年によってはテーマ別の特別賞や新規就農者を対象とした枠が設けられます。優秀賞・最優秀賞・特別賞など複数の賞があり、賞金や賞状の授与が行われます。近年は応募作品の一部がウェブ上で公開されるほか、受賞作集として冊子化されることもあります。

毎日農業記録賞高校生部門の優良賞の盾
毎日農業記録賞・高校生部門の優良賞の盾。

社会的意義と変遷

1970年代の創設以来、農業構造の変化、後継者問題、食品安全、環境負荷低減、6次産業化などテーマは変遷してきました。特に2000年代以降は、地域資源を生かした取り組みや若手の挑戦、消費者との直接交流を扱う作品が増え、社会的な議論のきっかけになることが多くなっています。また、2008年以降の受賞作が一部公開されており、学術的・文化的な資料としての価値も高まっています。

応募実務(概略)

  • 題材:農・食・農に関わる環境に関する体験や提言
  • 文字数:概ね2,800字前後(年による指定あり)
  • 提出:郵送または電子提出(募集要項に従う)
  • 審査:書類審査〜複数段階の4次審査(地方選考〜中央選考など)

応募を検討する際は、毎年の募集要項に記載される細部(締切、提出形式、著作権と公開の扱いなど)を必ず確認してください。

受賞に結び付いた実践的示唆(現場での適用例)

受賞作に示した取り組みの中から、他の事業体でも再現性の高い手法を抜粋します。

1. 標準化とデータ可視化

搾乳・前処理・後処理の手順を標準化して記録を取り、個体別の乳量とSCC(体細胞数)を日次で管理します。これにより異常早期検知が可能になり、対処が迅速化しました。

2. 教育サイクル(座学+実地)

短時間の座学(週1回)と実地演習をセットにし、学習内容を即座に現場で試すサイクルを回すことで定着率を高めました。多様な背景を持つスタッフ間での共通言語化にも有効です。

3. 中長期投資としての牛群改良

ゲノム情報と生産・疾病データを組み合わせることで、選抜のブレを減らし、SCC低減や繁殖性能の向上を狙います。短期的な効果は限定的でも、3〜5年スパンで明確な改善が期待できます。

結び

  • 受賞:毎日農業記録賞(第53回・2025)一般部門 優秀賞を受賞(2017年の高校部門優良賞も実績あり)。
  • 主要メッセージ:知識共有(座学+実地)と手順の標準化が現場改善の即効薬。データ管理と牛群改良は中長期的な生産性向上に不可欠。
  • 実務成果例:搾乳方法改善で1頭あたり日乳量約+3kg、乳房炎発生率の大幅低下を確認。
  • 中長期戦略:ゲノム解析を活用した選抜・繁殖政策、教育ファームによる地域連携と次世代育成。
  • 呼びかけ:現場でのデータ共有や小規模実践の寄稿を募り、再現性の高い手法を共同で検証・普及していく。

短期的なプロセス改善と中長期的な牛群改良を並行して進めることが、現場の生産性と健康指標の両面で最も有効です。さらに重要なのは、得られた知識をチームで共有し、再現性のある仕組みとして定着させること。受賞はその取り組みが外部に認められた一例にすぎません。今後も現場で検証を続け、実践的で拡張可能な手法を発信していきます。

参考:毎日新聞社 農and食・毎日農業記録賞酪農の魅力 伝えたい 優秀賞 宮村悠希さん=甲賀 非農家出身も10年目 /滋賀

追記:12月8日には如水会館で中央表彰式が開催されます。式当日の様子は取材・撮影のうえ、中央表彰式レポートとして本サイトで詳報を公開する予定です。どうぞお楽しみに。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市の非農家に生まれる。実家では犬を飼っており、犬部のある神奈川県立相原高校畜産科学科に進学。同級生に牛部に誘われ、畜産部牛プロジェクトに入部。牛と出会う。

大学は北海道の酪農学園大学に進学。サークルの乳牛研究会にて会長を務める。ゼミでは草地・飼料生産学研究室に所属。

今年で酪農歴10年!現在は関西の牧場にて乳肉兼業農場の農場長として働いています。

【保有免許・資格・検定】普通自動車免許・大型特殊免許・牽引免許・フォークリフト・建設系機械・家畜商・家畜人工授精師・日本農業技術検定2級・2級認定牛削蹄師

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