サレール チーズは、フランス・オーヴェルニュ地方で昔から作られてきた季節限定のセミハードチーズです。4月中旬から11月中旬の放牧期に得られる無殺菌乳から作られ、AOP認定を受ける伝統的な製法が風味の源。この記事では、その歴史と特徴、作り方の要点、熟成による味の変化、家庭で楽しめる食べ方や保存のコツまで、写真とともに分かりやすく丁寧に紹介します。
サレール チーズの歴史:2000年以上の伝統
サレール チーズは、オーヴェルニュ高原の酪農文化と深く結びついたチーズです。古代ローマ時代の記述に由来するとも言われ、中央高地で代々受け継がれてきました。19世紀に現在の製法の原型が整い、1979年にはAOC(現在のAOP)認定を受けています。
特徴的なのは「季節性」です。サレールは4月中旬〜11月中旬の放牧期間のみ、無殺菌乳を用いて農家(フェルミエ)によって作られます。この点が通年生産可能な近縁のカンタルと大きく異なるポイントで、希少性と風味の濃さを生みます。
歴史の要点(タイムライン)
- 古代〜中世:中央高地の酪農文化とともに発展
- 19世紀:現在に近い製法が確立
- 1979年:AOC(AOP)認定
- 現代:季節限定の伝統チーズとして国内外で注目
サレール チーズの特徴—見た目と原料
代表的な特徴を整理します。
- 形状と大きさ:直径35〜40cm、高さ30〜40cm、重さは30〜50kgほどの大きな円盤型。
- 外皮:厚く灰色がかったナチュラルクラスト。赤い識別プレートが付くことがある。
- 原料:サレール種(Salers)の牛の無殺菌乳。夏の放牧で得られるミルクが独特の風味を与える。
- 生産地域:オーヴェルニュ(特にカンタル県等)の高原地帯。
- 生産期間:4月15日〜11月15日の季節限定で生産される(伝統的に山小屋=ビュロンで作られる)。
サレール チーズの作り方(工程のポイント)
ここでは工程を分かりやすくまとめます。家庭での完全再現は難しいですが、製法の理解は味わいの把握に役立ちます。
主な工程
- 搾乳:朝と夕の新鮮な無殺菌乳を使用。
- 凝固:レンネットで凝固させカード(凝乳)を得る。
- カードの処理:カードを適度に切ってホエーを抜き、塩を加える。伝統的には布で包む場合もある。
- 型入れと圧搾:大きな型に詰めて圧をかけ、余分な水分を抜く。
- 熟成:洞窟や冷涼な熟成庫で最低3ヶ月、通常6〜12ヶ月熟成。温度と湿度管理で風味が変わる。

ポイント:無殺菌乳の使用、夏草由来のミルク、そして季節限定生産がサレールならではの個性を生みます。
味わいと食べ方:旬を味わう
味わい:若いサレールはフルーティーでミルキー、熟成が進むとナッツやハーブの香り、深いミネラル感が現れ、コクが増します。塩味は比較的穏やかで、しっとりしたセミハードの食感が特徴です。
おすすめの食べ方
- そのままスライスしてテーブルチーズとして
- 白ワインや軽めの赤ワインとのペアリング(若いものはフルーティーな白、熟成は軽めの赤)
- 伝統料理:アリゴ(ジャガイモとチーズを混ぜたオーブン料理)やグラタンに使うと伸びと旨味が活きる
購入と保存のコツ
サレールは希少なため、専門店やオンラインの信頼できるショップで見つけるのが早いです。購入・保存時のポイントは以下。
- 購入:産地・製造者情報を確認。AOP表記があるかチェック。
- 保存:冷蔵庫のチーズ専用エリア(野菜室など温度変動が少ない場所)でラップはせず、紙に包むのが理想。
- 賞味:切りたては味が立っているので、切った直後に常温に10〜20分戻してから食べると香りが開きます。
カンタルや他のオーヴェルニュチーズとの違い
同地方の代表格カンタルと比べると、サレールは夏限定の無殺菌乳使用という点で風味に強い季節性と個性があります。カンタルは通年生産が可能で、味わいの安定性が特徴です。
簡単レシピ:サレールのアリゴ風(家庭用)
少量で楽しめる家庭向けの一例です。
- じゃがいも500gを茹でてマッシュする。
- 温めた鍋でマッシュポテトに牛乳100mlとバター30gを加えよく混ぜる。
- 細かく刻んだサレール チーズ150gを少しずつ加え、ゴムベラで粘りが出るまで混ぜる。
- 塩・胡椒で味を調え、温かいうちに召し上がれ。
この記事で紹介したポイントまとめ:
サレール チーズは季節限定の伝統チーズで、原料の乳と熟成方法が味を左右します。まず薄くスライスして香りと食感を確かめ、段階的に熟成の違いを楽しんでください。
まとめ
- サレール チーズとは:オーヴェルニュの夏限定伝統チーズ。サレール種牛の無殺菌乳を用いる点が最大の特徴。
- 歴史:古代〜中世から続く地域酪農に起源を持ち、1979年にAOC(現在AOP)認定を取得。
- 特徴:大型の円盤形、厚い自然皮、ミネラル感と季節性の強い風味。熟成でナッツやハーブ風味が増す。
- 製法の要点:搾乳→レンネット凝固→カード処理→型入れ圧搾→洞窟で熟成(最低3か月〜)。無殺菌乳と放牧が味を決める。
- 食べ方・ペアリング:若いものはフルーティーに白ワイン、熟成は軽めの赤や濃厚料理(アリゴ、グラタン)と相性◎。常温に戻してから召し上がれ。
- 購入・保存:AOP表記や生産者情報を確認して専門店で購入。保存は紙に包んで冷蔵庫の温度変動の少ない場所へ。切ったら早めに消費。
※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告が含まれる場合があります。


