2025年、脱脂粉乳の在庫が高水準となり、関連商品の売れ行きに明確な二極化が見えています。本記事はJミルクの需給見通しや業界動向を踏まえ、なぜ二極化が起きているのか、どのタイプの商品が伸びているかを現場視点で整理し、メーカー・小売・消費者それぞれに役立つ具体策と実用レシピを提示します。
まず押さえるべき主要データ(2025年)
(注)以下の数値は公表データ・業界報道をもとに整理しています。出典:Jミルク(2025年9月需給見通し)、日刊酪農乳業速報(2025年12月24日)。

| 指標 | 数値(2025年度) |
|---|---|
| 脱脂粉乳 生産量 | 159.8 千トン(前年比 +3.5%) |
| 出回り量 | 128.1 千トン(前年比 -15%) |
| 年度末在庫予測 | 84.4 千トン(前年比 +62.3%) |
| 在庫月数 | 約 7.9か月分 |
| 業界の在庫処理(対策) | Jミルクによる1.2万トン処理事業(2026年1–3月予定) |
売れ行きが「二極化」している本質的な理由
データと現場取材を合わせると、二極化は消費者心理と商品設計の差に起因します。具体的には次の3点です。
1. 消費者の節約志向と機能志向の共存
物価高で価格に敏感な層は「大容量・低価格」を優先。一方で健康志向や栄養重視の層は、低脂肪高たんぱくなど機能性を明確に打ち出した商品を選びます。この両極を満たす商品設計がヒットしています。
2. 単なる在庫活用では差別化できない
単に原料を脱脂粉乳に切り替えただけの商品の多くは、消費者に「買う理由」が提示できていません。訴求ポイント(用途・味・栄養・利便性)を明確にできるかが勝敗を分けます。
3. 流通・パッケージ設計の影響
家庭向けの使いやすさ(容量・保存性・調理用途)を考えた商品はリピートが取りやすいです。業務用や流通先を限定した商品は短期的な在庫消化には役立っても、長期的な需要喚起には繋がりにくい傾向があります。
実際に売れている商品の特徴(事例ベース)
以下は2025年に注目された傾向と具体事例です。
- コスパ重視の大量商品:大容量スキムヨーグルト、業務用サイズの菓子素材など(家庭での使い回しが可能で需要が継続)
- 機能訴求商品:「高たんぱく・低脂肪」を前面に出したドリンクや粉末プロテイン風の製品(ダイエット・シニア向け)
- 用途提案がある商品:料理・製菓向けにレシピを同梱、初心者でも使いやすくした商品(購入後すぐに利用できるメリット)
具体的な新商品(例)
- 雪印メグミルク:「毎日使えるスキムミルク」 — 家庭で使いやすい容量と栄養バランスを訴求(2025年9月発売)
- 明治系コラボ商品:お菓子・間食領域で脱脂粉乳を使った風味訴求商品(コンビニ系で試験販売)
- 発酵技術を組み合わせたスイーツ:糀等と組み合わせて旨味を生かす高付加価値商品
メーカー・小売がすぐ取り組める実務的対策(現場からの提言)
メーカーと小売、それぞれに使える実務アイデアを現場視点でまとめます。
メーカー向け
- 商品を「用途別パッケージ」で複数展開(料理用・飲用・製菓用など)
- 栄養価(たんぱく質量等)を見える化し、ターゲット別に訴求
- レシピ・導入動画を用意して消費者の「購入→使用」のハードルを下げる
小売・販促担当向け
- 試食・デモンストレーションで「使い方」を伝える(調理デモが効果的)
- 大容量商品の「分割売り提案」や小分けキットを用意し、手に取りやすくする
- 健康訴求コーナーと連動させ、ターゲット層に合わせた陳列を行う
家庭ですぐ使える「脱脂粉乳(スキムミルク)」レシピ3選
商品購入後すぐに価値を感じてもらえる簡単レシピを3つ紹介します(時短・節約重視)。
1. 朝のプロテインヨーグルト(所要2分)
ヨーグルト100gにスキムミルク大さじ1を混ぜ、フルーツをのせるだけ。たんぱく質補給と満足感アップ。

2. パン生地強化ミルク(所要15分+焼成)
仕込み水の一部をスキムミルク水に替えることで、焼き上がりの風味と栄養価が向上します(パン作り初心者にもおすすめ)。
3. 低脂肪クリームソース(所要10分)
フライパンで小麦粉とスキムミルクで伸ばすだけの簡単クリーム。パスタやグラタンのベースに。
商品比較:選ぶポイント(簡易チェック表)
| 観点 | コスパ商品 | 機能性商品 | 用途提案商品 |
|---|---|---|---|
| ターゲット | 価格重視層 | 健康志向層(高たんぱく) | 家庭で使いたい層・初心者 |
| 訴求ポイント | 容量・価格 | 栄養表記・効果 | 使い方・レシピ |
| 販売戦略 | 業務用流通・量販 | ドラッグストア・専門チャネル | 小売の試食・動画連動 |
酪農現場への影響と注目すべき政策動向
在庫が高止まりすると、生乳の価格や酪農経営に直結します。Jミルクや業界団体の在庫処理事業(例:1.2万トンの処理)や、加工・販路開拓支援の動きを注視してください。現場経営者としては生産調整やコスト管理、販路多角化の準備が必要です。
Q&A(読者の疑問に先回りで回答)
Q. 脱脂粉乳は健康に悪いの?
A. 基本的に脱脂粉乳は低脂肪でタンパク質の残存量が高く、栄養面で優れた原料です。重要なのは商品の全体成分表示と用途です。
Q. 在庫過剰はいつごろ解消しますか?
A. 在庫解消は、需要喚起・新商品投入・業界の処理施策の総合効果によります。短期的には業界処理(例:1.2万トン)が効きますが、中長期は商品価値の底上げが不可欠です。
まとめ
- 2025年は脱脂粉乳在庫が高水準で、商品は「コスパ重視」と「機能重視」に二極化している。
- 差別化できる商品(用途提示・栄養訴求・使いやすさ)が今後も優位に立つ。
- メーカー・小売はレシピ・用途提案とターゲット明確化、酪農現場は販路多角化とコスト管理を進めることが重要。
出典:Jミルク(2025年9月需給見通し)、日刊酪農乳業速報(2025年12月24日)など業界公表資料・報道を元に作成。
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